NPO集改センター(NPO法人 集合住宅改善センター)活動レポート

大阪、兵庫、京都、滋賀、奈良、福岡を中心に大規模修繕工事やマンション管理運営をサポートいたします。

第146回 スキルアップセミナー報告

2017-03-22 21:37:02 | スキルアップセミナー

集改センターの第146回 スキルアップセミナーの報告をします。


開催日:2017年(平成29年)3月1日(水)
テーマ:大規模修繕工事を知る&考える
講 師:松山 功(NPO集改センター 代表理事)

◎大規模修繕工事は管理組合が実行するビッグイベントです。その一大行事を私たちはどれくらい知っているのでしょう。修繕&改修工事の目的とは何か。今一度考えてみましょう。

<セミナー概要>
■大規模修繕工事はどんな工事
マンションで言う大規模修繕工事は建築基準法でいうところの「建築工事」には該当しません。確認申請を必要としない、外壁を新しく塗り直したり、屋上の既存防水をやり直す、といった工事になります。

■大規模修繕工事に携わる人
大規模修繕工事の「劣化調査・設計・業者選定(補助)・工事監理」は、誰にでも行うことができる業務であり、別に建築士でなくてはならないということはありません。ただし、現場代理人には1級or2級建築施工管理技士の有資格者が求められます。

■大規模修繕工事の流れとコンサルタントの選考
通常、管理組合における大規模修繕工事の流れとしては、専門委員会の設置 → コンサルタントの選定 → 建物劣化調査 → 修繕・改修設計 → 業者の選定→ 工事(監理)→ 長期修繕計画の見直し、といったものになると思われます。この中で最も重要な部分はコンサルタントの選定だと思います。
その参加資格の選定はしっかりしているのか。恣意的な部分はないか。管理組合の能力が問われるところです。資本金の大小、1級建築士の人数といったもので評価していませんか。コンサルタントはマンションの規模や工事金額によって柔軟に評価し、選考方法およびその結果について公表されることをお勧めします。

■最後に
最初にも述べましたが、管理組合にとって大規模修繕工事は多額の費用を使うビッグプロジェクトです。コンサルタント、工事会社、管理組合(区分所有者)は一つのチームなのだとの考えに立って、3者が互いに協力していくことで、仕上がりの良い改修工事という成果が生まれるということを、忘れないでください。

~次回開催予告~
■第147回スキルアップセミナー 2017年4月5日(水)午後3時から
テーマ:1.「管理組合理事の責任、管理会社の責任を法的に検証する」
2.管理組合理事と管理会社の利益相反について
講 師:九鬼 正光(本会・正会員/弁護士)
◎ 管理会社と管理組合の争いは絶えないようです。一方、管理会社への依存度は大きくなっています。管理会社と管理組合の境界はどこまでか。
大規模修繕でうわさが絶えない、理事の利益相反行為とは。


机上防災訓練ファシリテーター育成編(Pro版)の受講報告

2017-03-19 07:33:00 | 集改塾
先日、大和ライフネクスト株式会社さんの机上防災訓練ファリシテータ-育成編(pro版)を、NPO集合住宅改善センターの松山代表と受講してきました。






講師は大和ライフネクストの丸山肇さん。マンションコミュニティや共助のあり方を研究し、2015年3月の国連防災世界会議パブリック・フォーラムに採択された方。


防災ファシリテートとは解決策を授けるのではなく、解決策を【自ら導き出す力を育む】ための手法です。





防災の考え方に、正解不正解はなく、あるのは最適解。それをみんなで考える。その道筋の整理の仕方等を学びました。



そして、かねてから、私は、一般的な防災の知識は戸建てが対象で、必ずしもマンションには当てはまらない、と感じていました。その点を今回の講座でクリアできて、個人的にはすっきり。



まず、トイレ。これは集改センターが行った防災セミナーでもお伝えしましたが、


風呂の残り湯を使ってトイレに流す、と一般的に言われていますが、これをマンションでやると大変なトラブルになります。排水管が破損している可能性があり、専門家に調べてもらう必要があります。ですから、まずは、簡易トイレの使用。ビニール袋などを利用して消臭し固める薬剤を入れて密封する。排水管の状態を調べるには、下の階からきれいな水を流して調べていくなどの方法があります。



マンホールトイレ等もありますが、マンションの住人の人数を等を計算すれば、そんなに3日も4日も対応できるものではないそうです。



食事は、非常食を意識せずとも、とにかく水とカセットコンロと米さえあれば、缶詰とかを使って何とかなるでしょう、ということです。ただ、発災した1日目には、余裕がないはずだから、アルファー米は有効でだろう、ということです。



また、避難については、新耐震基準のマンション(1981年以降)に建てられたマンションなら、避難の必要はほぼない。(今までに倒壊した事例はない)だから、自宅避難が一番安全ということです。



マンションによっては、掲示板には近くの避難場所の地図などを貼っているところもあるようですが、よく考えてみると、それはかえって危険だと。



だから、家具を固定すること大切です。それでも、心配な人は、部屋のトイレやエレベーターホール、非常階段などが建物の構造上、一番鉄筋が多く使われて丈夫な箇所だということですので、そこに一時避難するのもいいかもしれません。ただし、トイレに避難したときは、くれぐれもドアは開けたままにしておくことです。



そして、災訓練というのは、「学ぶ」「考える」「整理する」「行動する」ということをしていかないと、実際の災害時には行動できない、ということでした。



講座の中ではファシリテーター役をさせていただき、非常に楽しく防災について学べました。正しい解がないだけに、コミュニティの中で考える、という必要性を感じました。次回、大阪で開く予定のマンション防災セミナーに生かしていきたいと思います。





集改センターの第32回 集改塾の報告

2017-03-10 20:20:51 | 集改塾

集改センターの第32回集会塾の報告です。出席は15名。

この日(3月8日、水曜日、午後7時00分~8時45分)は、塾生の企画による同じ会社の塾生が講師となり講義を進める第1回目でした。

テーマは「改修工事業者が初めて新築工事を経験して」をカンサイ建装工業(株)社員(大西、田路、塩見の3氏)によるプレゼンテーションを1時間弱、その後質疑応答へと進みこの日の塾が終了しました。

 冒頭、講義前に2016年度(2016年4月~2017年3月)の塾に一度も休まず出席した塾生の白石氏に塾長より皆勤賞として賞状と金一封の授与式も行われました。

< 塾生の声 > 

受講した塾生より後日、「感想文」として後日提出されますが、後述に1例をご紹介しています。

< 塾長の声 >

この日は、塾生の企画によるテーマで行う初めての塾でした。

改修工事業者に入社した多くの塾生には、ほとんど経験のない新築現場の実例をパワーポイントの映像を通して、現場代理人である田路(1級施工管理技士)氏からの説明と副現場代理人として新築現場を初体験した塩見氏からの体験談(苦労話など)の話があり、改修工事ではなかなか経験できない内容であり塾生も興味津々で聞き入っていたようでした。

尚、この時期毎年行う皆勤賞の授与には予定では2名いましたが、工藤(高分子)氏は当日どうしても離れられないJOBで欠席となり皆勤賞が取れなく、賞状と金一封を用意していた私も授与することができず残念でした。

しかし、2月発表の建築施工管理技士に工藤健人(2級施工管理技士)氏と川畑直樹氏(1級建築施工管理技士)の2名の塾生が合格を聞きたいへん喜ばしく今夜の塾が終了しました。

以上。

 塾生の の紹介

< 本日の講義の感想 >

 今回の講義は改修業者が新築工事を行うとどうなるかという非常に興味があった講義でした。まず、初めに感じたことが田路さんの口からでてくる言葉が、ほとんど分からなかったのが正直なところでした(笑) 私はまだまだ改修工事でも分からない事がたくさんあるのに、新築の工事は改修工事以上に覚える事が多くて、自分の身に置き換えるととてもしんどいと感じました。

 でも、新築という0から建物を作っていくということに興味を持つことが出来ました。

土のサンプルを取って砂で深度を決めたり、シートパイル工法など一度近くで見てみたいと思いました。

工事の種類や、言葉などは改修工事より多岐にわたると感じましたが、現場管理という立場を考えた時、新築と改修共通する点がいくつかあるなと感じました。

先々をイメージして段取りしていくという言葉は、改修の現場でも求められる事なのだと感じます。職人さんが現場に来て仕事ができる状態を作る事が大切だと考えました。

次に、指導する側が理解をしておかないといけないというのも共通すると思います。

理解をして、指導が出来てまた次の話に行けると私は感じました。

 私は、この業界に入って4月で1年です。まだまだ分からない事だらけですが、こういった貴重な講義を聞かせていただき、少しずつでも自分の物にしていきたいと思います。

カンサイ建装工業さんありがとうございました!

以上。