NPO集改センター(NPO法人 集合住宅改善センター)活動レポート

大阪、兵庫、京都、滋賀、奈良、福岡を中心に大規模修繕工事やマンション管理運営をサポートいたします。

NPO集改センター 第148回 スキルアップセミナー報告

2017-05-18 15:57:11 | 集改塾

第148回 スキルアップセミナー報告

開催日:2017年(平成29年)5月10日(水)

テーマ:大規模修繕工事で行うべき工事とその必要性

講 師:田中 隆宏(本会・正会員/1級建築施工管理技士・1級土木施工管理技士)

 

<セミナー概要>

■大規模修繕工事とは

「マンションの経年劣化等に合わせて実施する計画的な修繕工事」のことを言います。

大規模修繕工事を行う目的は、コンクリートやタイルの落下等による事故防止、雨漏りや漏水等の不具合の解消・予防、躯体・鉄部等の耐久性の確保、塗装等による美観・快適性の向上、バリアフリー化等で居住性・機能性の向上を図ることにあります。

■マンションの寿命は?

 現在、竣工から50年を超えるマンションは5万戸を超えるとも言われています。国土交通省の予測では10年後には今の10倍を超える戸数になると考えられています。ではRC造、SRC造の建築物の物理的な寿命とは何年か?これも国土交通省の資料ですが、推定で117年、外装仕上げによって延命すれば150年は持つとしています。これからすれば十分100年は持つといえます。また大手ゼネコンではすでに200年の耐久性を持つコンクリートが開発され、500年の寿命を持つものの開発も進められているようです。

■建物の経年劣化と劣化調査

 建物はコンクリートの乾燥収縮等や酸性雨・紫外線等の自然現象、経年による塗装等の剥がれといった様々な要因により劣化が起きます。外壁においてはひび割れ・塗膜の浮き・タイルの剥落等、鉄部は腐食等、外壁・サッシ廻りはシーリングのひび割れ、亀裂等、屋上においては防水層の亀裂・浮き・たるみ等、バルコニー・廊下は塩ビシートの端部の剥がれや変色等が発生します。こういった劣化の調査として、目視および打診による調査のほかに、機器を使った塗膜付着力試験、コンクリートの中性化試験、シーリング材の引張試験等で各部位の調査を行います。

■工事のポイント

下地補修工事は建物本体のひび割れ、欠損部、浮き等を補修するもので、打診調査をした上で実施します。ひび割れは確実に補修しておかないとますます劣化を早めます。シーリング工事は劣化したシーリング材を除去し、新規のシーリング材を打ち込むことで外部からの雨水の侵入を防ぎます。内外壁塗装工事は塗料を新たに塗り重ねることで、躯体への雨水の侵入を防ぐとともに、美観を向上させるために実施します。鉄部工事はその耐久性向上のために行うもの。なお鉄部工事は6年に1度程度行うことが望ましいとされています。防水工事は降雨等による水の侵入を防ぐことを目的とした重要な工事です。屋根の形状や素材によって劣化の差が大きく違ってきます。階段・廊下は部分補修が可能だが、バルコニーの工事は足場の設置が必要なため、全面改修を行うことが望ましいとされています。

~次回開催予告~

■第149回スキルアップセミナー 2017年6月7日(水)午後3時から

  テーマ:改正「個人情報保護法」が施行。改正内容を検証する。

  講 師:中島 亮平(本会・正会員・管理運営事業部/弁護士・マンション管理士)

◎    5月30日に施行される改正法とは。管理組合も個人情報取扱い事業者になる。管理組合として対応しなければならない事項とは。

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NPO集改センターの第34回 集改塾 報告

2017-05-18 14:46:26 | 集改塾

第34回 集改塾 報告(出席17名)

この日(5月10日、水曜日、午後7時00分~8時45分)は、カンサイ建装工業(株)に続くダイワテック(株)の塾生が講師となり講義を進める第2回目でした。

テーマは「弊社で経験した新築工事の不具合とその改修事例」について社員(川畑、松浦、徳田氏他10名)によるプレゼンテーションを1時間弱、その後質疑応答へと進みこの日の塾が終了しました。

 

< 塾生のレポート(感想)紹介 > 

 

今回はダイワテックさんによる過去に経験された新築工事の不具合とその改修事例についてでした。 結構驚くべき元施工での不具合や機転の利いた改修対応は非常に参考になりました。特に、天井の欠損補修ではポリバタの事例をはじめ、コンクリートの打ち方による影響、構造スリット・目地への影響、シーリングのブリードの事後の経過事例など、今後出くわす可能性のありそうな案件でよい勉強になりました。

また、臭気パイプの件では、複合的な臨機応変な対応をされているのに感心しましたし、これは複合的な知識と経験の賜だなと感心しました。

今回で学べたことは現場でも生かせる点が多いですし、多角的にクライアントに提案できるよう日々意識していきます。非常に有意義な講義でした。と、同時にダイワテックさんは非常にタレント豊富で、ヒアリングでかち合いたくないな、と説に思いました(笑)。

 

新築工事の収まりの不具合についての説明はいつも体験していることでしたが、どういう経緯でこういった収まりになっているのかという部分を理解していませんでした。また、新築時の不具合を理由で逃げている部分が多く、対策は不可能という返答をしていることが恥ずかしく感じました。確かにどうしようもない部分もあると思いますが、ダイワテックのように工夫をして、最善策を考え出すことが凄いと感じました。なぜうちの会社では、できませんと簡単に返答してしまうのか、ダイワテックさんは工夫して対策案が出せるのか、これは単純に勉強不足からくる知識の差だと感じます。また知識があるから、不具合がどこに現れやすいかを把握でき、不具合を見つける力もあるのだと思います。そして不具合になる経緯を理解しているから対策案を考え出せるのだと思いました。

バルコニーの臭気管の不具合事例に関しては、現状の問題点を改善するだけでなく、新たに問題点になりうるところまで、しっかり対策案を考えて実行しており本当に凄いと思いました。今回、ダイワテックさんに講義をして頂いた中で、ぶつかる問題点は同じマンションの改修工事をしているので似たことが多く、でも対策に差があると痛感させられました。ダイワテックさんが講義して頂いたことで私自身、モチベーションが上がりました。

また一緒に講義を受けた他社の皆さんも共感した部分と、改善できる点を見つけることができたと思います。こういった不具合事例,対策例の共有は本当に貴重だと感じました。

会社としては戦う相手ですが、改修工事の技術が上がるようにこれからももっと共有しながら勉強して行きたいと感じました。

 

< 塾長の声 >

3月のカンサイ建装工業(株)の塾生による講義といい、今回のダイワテック(株)の塾生の講義といい、事前の資料作りと当日の発表者のプレゼン力がとても良くできた内容であり、私の塾生への印象は「ほっこり」としたものでした。

例えが適切ではないかもしれませんが、文化祭で高校生が企画発表している光景のように思えた1時間半でした。

 

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