四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

「口語短歌・水曜サロンの会」(その28)

2022年03月30日 05時00分02秒 | 短歌
「口語短歌・水曜サロンの会」(その28)   短歌の投稿を歓迎します!!

  ☆☆☆ 明るく、楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。  ☆☆☆
  ☆☆☆ 「口語短歌・水曜サロンの会」は2021年9月発足以来、半年を経過しました。
       皆様のご尽力とご協力に心から感謝申し上げます。         ☆☆☆
  ☆☆☆ 緊急連絡!! 最近心無い「スパムメール」がコメント欄に届いています。
       誠に心苦しいのですが、今後コメントは「許可制」にさせて頂きます。☆☆☆


 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている
 皆様の詠まれた短歌を掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。

 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、
 自由に短歌を投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと
 思っています。皆様の短歌の投稿と、ご意見を歓迎します。

【サロンの運営について】
 運営等につきましては、末尾に記させて頂きますので宜しくお願い致します。



     「咲き競う桜 染井吉野」

「ブログ友の投稿歌 交流コーナー」

【詞書】最近原田泰治の世界に嵌まっていますが、泰治が描いた世界が徐々に
    失われて来ています。
    人も景色も失われていく思い出にノスタルジアを感じています。
☆温もりの 泰治の世界 懐かしく 思い出景色 今はいずこに
                         浅間山明鏡止水(knsw0805)さん
【詞書】ウクライナ前線ルポを詠んで衝動的に詠んで見ました。このルポでなぜロシアの
    侵略からウクライナ人兵士が逃げないで身を挺して守るのか理解出来ました。
☆砲撃で 焦土と化した ウクライナ 祖国を守る 自由の重さ
                         浅間山明鏡止水(knsw0805)さん
【詞書】3月20日掲載のブログ、オリエント急行に寄せて詠んで見ました。
☆懐かしの 思いを馳せて 走る列車 記念日に乗る 人生の夢
                         浅間山明鏡止水(knsw0805)さん

【解説】
 「ウクライナ前線ルポ」を拝読させて頂きました。その中で、BBCのクエンティン・
 サマヴィル記者が、ウクライナ兵士に「なぜ戦っているのかと」尋ねた場面がありました。
 彼は「自由なウクライナのため、自分の家族のため…、自分たちの独立と平和のためだ」
 と答えていました。作者の詠まれた二首目の「自由の重さ」を改めて心に刻み、
 ウクライナの民の心意気も詠んでみました。いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★爆撃で 焦土と化すも ウクライナ 祖国と自由 民は守ると


【詞書】たくさん咲いていた梅の花も、あっという間に花が散ってしまいました。
    花の散りざまは桜とは違い、花びらが真っすぐ落ちる感じでした。そして花びらも
    小さい。そのことを詠いました
☆白梅(しらうめ)の 花びら一つ 手のひらに 過ぎ行く春を しばし眺めん
                         さわやか♪さん
【詞書】桜の種類はたくさんあります。今回「春めき桜」の写真を見て河津桜の次に咲き、
    ソメイヨシノの前に咲くといわれているその可愛い姿を詠いました
☆ときめいた 少女のような 面影に 春めき桜 今ここに咲く
                         さわやか♪さん
【詞書】カワセミがいるといわれている場所には、カメラマンが沢山集まります。
    青い宝石といわれるカワセミの色は見事の一言ですが、撮影は難しいようです。
☆粛々と 望遠並ぶ 川岸の チャンスは如何に 青い宝石
                         さわやか♪さん

【解説】
 いずれも詩情を湛えた素敵な詠歌になっていると考えます。
 人の世の喧騒をよそに、春の到来をいち早く告げ、桜の季節への前奏曲を奏でる
 梅の花。移ろいゆく季節の象徴とも言える花でありますが、季の移ろいの哀しさを
 秘めながら、それを主張しない慎ましやかな花でもあります。
 一首目にその「哀しさ」を込めて、詠ってみましたがいかがでしょうか。
【ご参考】
 ★白梅の花びら一つ手のひらに 過ぎ行く春の哀しみもまた


【詞書】ウクライナは悲惨です。TVで報道されるのはその一部でしょう。
    ただ画面を追う毎日です。本人又は命を賭けたプーチン側近の行動しか
    止められないという現実が信じられません。
☆同胞で命の大地焼き尽くす止める知恵無く今日も過ぎゆく
                         『楕円と円』さん 

【解説】
 「ウクライナは悲惨です。TVで報道されるのはその一部」であり、この大義無き
 侵略戦争を止められるのも、残念ながらおっしゃる通りですね。
 このような事態を招かないためにと、二つの大戦を経て学んだ結果設立された
 国連が、機能しない事態を深刻に考えなければと思っています。
 「今日も過ぎゆく」に、事態への作者の無念さがにじみます。


【詞書】眠れない夜 FOLLOW ME ~『イノセンス/攻殻機動隊』を
☆『ついて来て…』
   その最後の言葉だけが重く耳に残る熱帯夜

                         自閑 (jikan314)さん
【短歌説明】自閑 (jikan314)さんご自身の説明です。
 士郎正宗によるSF漫画の「攻殻機動隊」(GHOST IN THE SHELL)を、押井守監督が
 アニメ映画「イノセンス/攻殻機動隊」で主題歌として使用したFOLLOW ME を聴いて、
 そのイメージで夏に短歌を作りました。
 FOLLOW MEは、有名なホアキン・ロドリーゴが1939年に作曲したギター協奏曲の
 アランフエス協奏曲第2楽章に歌詞を付けたものです。
 短歌の本歌取りに批判的な方も多いですが、この様なカバー曲、映像になると、もう
 押井守のアランフエスになっていると思います。本歌取りとはそう言うものと私は
 思っております。
 下記URLにYouTubeを張り付けておりますので、是非ご覧下さい。ついでに愚詠も
 笑覧頂ければ幸いです。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/299f6136fa651a60bd5e35d283b8a069/?cid=25b98705961fd12dd260867ef1e7317b&st=0

【解説】
 「イノセンス/攻殻機動隊」は糸井重里のキャッチコピー「イノセンス それは、
 いのち」で知られていますが、第57回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門にて
 上映されていますね。日本のアニメーション作品がカンヌのコンペ部門に選出されるのは
 史上初であったと記憶しています。
 本歌取りについては、紀貫之らの『古今和歌集』、藤原俊成らの『新古今和歌集』の
 時代に広く行われ、和歌の進化も図られていますので、私たちも学んで挑戦したい分野と
 考えています。なお、作者の「本歌取り」についての解釈と想いを尊重したいと思います。




☆花のない季節はただの林なりされどひとたび咲けば華やぐ
☆本来はのどかな春をのどかにはしてくれないのが桜の咲く季
☆植林をされたわけではなかりしに静かに群れて咲くエドヒガン

                         水仙さん

【解説】
 二首目の短歌から「古今和歌集」で在原業平が詠んだ、
   〇世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし
 の和歌を思い出します。
 本来、春はのどかな季節であるのに、桜があるために人々の心が穏やかでないことを
 詠っていますね。人の心を惑わせ、かき立てる力のある桜。その妖しいまでの桜の
 美しさを作者も言外に詠っているのだと考えます。
 また、三首目の「静かに群れて咲くエドヒガン」に、高遠のエドヒガン桜と、
  高遠へ流罪となった江島の哀しい物語が思い出されます。

【詞書】出口の見えないウクライナ戦は今や世界各地に飛び火しそうです。
    早い終結を祈るばかりです。
☆突然に 襲いかかるや 生き地獄
        凶弾の嵐 修羅場の炎

                         クロママさん

【解説】
 ロシアのウクライナ侵略は国連憲章にも違反する、明確な国際法違反の犯罪ですが、
 その下で日々命を落とす子供達や市民の姿に、限りなく心が痛みます。
 作者も詠まれた、ウクライナで日々展開される「生き地獄」が一日も早く終結する
 ことを願わずにはおれません。そんな思いを想起させる渾身の詠歌と考えます。

☆たのしみは 鳥たちうたう公園の 木立の中に萌え木見るとき
☆たのしみは 精気あふれる樹の下で 目を閉じ深くいきするひととき
☆たのしみは 母の形見の箪笥開け 懐かしい匂い そっと嗅ぐとき

                         shima-千恵子さん

【解説】
 連日、ウクライナ等厳しい世界情勢を見聞きする中で、作者の詠う独楽吟の世界に
 ひと時の安らぎを感じると共に、「心のオアシス」に触れる想いが致します。
 特に一首目の「木立の中に萌え木見るとき」は、まさに「萌えたつ」今の季節ですね。
 そこに生命力に溢れる木々の息吹を感じ、励まされる思いです。


☆西風は いくさの匂い運びくる そを止めるべく なすべきはなに
                         ポエット・M

【解説】
 今の季節、偏西風に乗る黄砂は歓迎すべきものではありませんが、その風上の遥か先に
 位置するウクライナ。「戦の匂い」は必ずしも嗅げるものではありませんが、その地で、
 未だ続くロシアの侵略戦争で蹂躙される人々の存在を想うと心が痛みます。
 この戦を止めるべく今、私たちが出来るものは何かを自問する想いを詠んでみました。




「五行詩」「痛みの変奏曲」鑑賞 (29)
7.折々の歌 (3)


   あるおりおり、ふと心におぼえしを、・・・・
                   「建礼門院右京太夫」
 捨てらるる
   運命(さだめ)鋭く
       嗅ぎ分けて
     己が主人を
       見送る子犬

   なにも無き
     禅になにかが
       有るのかと
      やたら汗かく
        外人おかし

       純白の
         雪の絨毯
           敷きつめて
          庭にはらはら
             赤き薔薇散る

     「あの人は
       私だけの
          十字架」と
        歌えば哀し
           波止場の夕べ

    わが友は
      ピエロ短歌と
        称しつつ
       いつもおもろい
         女を歌う



     「横須賀走水 水源地公園の桜」

【短歌入門・質問・提案コーナー】
 この「水曜サロン」に集う皆様の直近のコメント等に記された、短歌を作るうえでのヒント、
 さらに質問、諸々の疑問点等にいて、触れていきたいと思います。
 皆様からのご提案、歌評、さらに素朴な疑問も含めて、コメント欄にお寄せいただければ幸いです。
 なお、私の「質問への回答」は、あくまでも一つの「解」でありますので、他の回答、反論、
 ご意見等もありましたら、このコーナーで大いに議論して参りましょう。
 それが学びに繋がれば嬉しいです。

【万葉集以降の歌集】前週に続き掲載します。
「万葉集」前回説明していますので、概要のみ記します。
 〇作成時期:奈良時代
 〇特徴:現存する日本最古の歌集(全20巻 約4500首)で、天皇から防人、農民まで
     様々な階層の人々に関わる和歌が収録されています。
     なお、元号「令和」の出典元となったのが万葉集第5巻で、そこに収録されて
     いる「梅花の歌(梅花歌三十二首并せて序)」から引用されました。

「古今和歌集」
 〇作成時期:平安時代
 〇特徴:日本最初の勅撰和歌集(天皇や上皇の勅命によって編集された和歌集)
     (全20巻 約1100首)醍醐天皇の勅命で,紀貫之らが編集。
 古今和歌集は勅命により国家の事業として和歌集を編纂する伝統を確立した作品であり、
 八代集・二十一代集の第一に数えられています。平安時代中期以降の国風文化確立にも
 大きく寄与しました。
 また、古今和歌集は仮名で書かれた仮名序と真名序の二つの序文を持ちますが、仮名序に
 よれば、醍醐天皇の勅命により万葉集に撰ばれなかった古い時代の歌から撰者たちの
 時代までの和歌を撰んで編纂し、延喜5年(905年)4月18日に奏上されました。
 ただし現存する古今和歌集には、延喜5年以降に詠まれた和歌も入れられており、
 奏覧ののちも内容に手が加えられたと見られ、実際の完成は延喜12年(912年)ごろと
 の説もあります。撰者は紀友則、紀貫之、凡河内躬恒、壬生忠岑の4人です。

「新古今和歌集」
 〇作成時期:鎌倉時代
 〇特徴:勅撰和歌集(約2000首)後鳥羽上皇の勅命で,藤原定家らが編集
 新古今和歌集は鎌倉時代初期、後鳥羽上皇の勅命によって編まれた勅撰和歌集。
 古今和歌集以後の8勅撰和歌集、いわゆる「八代集」の最後を飾っています。
 古今集を範として七代集を集大成する目的で編まれ、新興文学である連歌・今様に
 侵蝕されつつあった短歌の世界を典雅な空間に復帰させようとした歌集でもあります。
 古今以来の伝統を引き継ぎ、かつ独自の美世界を現出しました。
 「万葉」「古今」と並んで三大歌風の一である「新古今調」を作り、和歌のみならず
 後世の連歌・俳諧・謡曲に大きな影響を残しました。
                      参照: ウィキペディア日本語版 等



【運営にあたって】 注)文頭から移しました。
 (1) 投稿期間は毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    注)投稿に当たっては、ご自身のブログのアドレス(url)も記入願います。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                       了
コメント (23)
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