四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

ああ五月の薔薇よ!

2011年05月22日 11時17分24秒 | コンサート
 「五月の薔薇」と言えば、ウイリアム・シェークスピアの戯曲「ハムレット」のあの有名なせりふが浮かびます。

「ああ五月の薔薇よ! かわいい乙女、やさしい妹、
 うるわしいオフィーリア!
 神様、うら若い乙女の心が・・・、 
 こうもはかなくても良いのだろうか」

 これは妹オフィーリアの自死を悼む、兄レイアティーズの言葉ですが、ここでの薔薇は、はかない命の象徴として
登場しています。
今では、四季咲の薔薇も数多く作られ、薔薇は必ずしも儚い命の象徴にはなり得ない状況もありますが…。
しかし、咲き満ちたその瞬間から朽ちていく薔薇の花びらを見ていると「花の命のはかなさ」を感じずにはおれません。

とりわけ、今年の薔薇は「生きとし生けるもの」の命のはかなさを、そして懸命に生きようとする者たちへの励ましを自ら咲くことで指し示していると感じました。
儚く潔く散る桜とは異なり、四季ごとに復活するかに咲く薔薇の矜持に、震災からの復興を担う多くの人々の秘めた誇りを重ねてみたいと思っています。

儚さを秘めながらも、五月の陽光を受けて輝くように咲く青薔薇「シャルルドゴール」を「鎮魂の花」として掲載致します。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする