わにの日々-中西部編

在米30年大阪産の普通のおばさんが、アメリカ中西部の街に暮らす日記

秋のにおい

2018-10-10 | アメリカの街の暮し
 寒くなったり、夏が帰ってきたように暑くなったり、はっきりしないオハイオですが、それでも、朝方に犬の散歩でアパートの裏にある雑木林から、秋のにおいを感じるようになりました。これは枯れ葉の匂いなのでしょうか?春なら花、夏なら刈られたばかりの芝の匂い、そしてプールの匂いと、はっきり判るのですが、秋の匂いは、何なのか判りません。ただ、ああ、秋だな…と思わせてくれる、かすかに香ばしいような乾いた匂いです。

 つい先週は暑い、暑いって半袖短パンで汗流してたのに、
 
9月30日、ダブリンのペットフェスティバルにて

 この一週間ちょっとで、こたつ出して、毛布も一枚増やしました。散歩時にはウルトラ・ライトダウン必須です。これからはもう、寒くなる一方でしょう。アメリカでは、フローレンス、マイケルという大型ハリケーンが多くの被害をもたらし、日本でも立て続けの大型台風や地震と、災害が続いています。どうか皆様、ご安全に…

転々

2018-10-07 | 映画・ドラマ・本
 また一つ、好きな映画に出会いました。時代劇が観たくてネットで探していたのですが、好みの映画が見付からず、ふと目に付いた「むさいおっさんが東京を散歩するだけ」と紹介されている邦画を見てみることに。10年以上前の作品で、前知識はゼロ。後から調べると「時効警察」ってドラマを知ってると、内輪ネタが色々と楽しめるそうですが、このドラマのことを全く知らなくても楽しかったです。



 この「むさいおっさん」は三浦友和さんとオダギリジョーさん。大変に失礼ながら、私にはいつまで経っても三浦友和さんは「山口百恵さんの旦那さん」なのですが、あの爽やかさが売り物だった三浦さんが、むさいオッサンになってしまったのかと思いながら観始めたら、本当にむさいオッサンだったわ(T▽T)

 あらすじは「大学8年生の竹村文哉。借金を抱えており返済の当ても無い彼に、借金取りの福原が、「借金をチャラにする代わりに自分の東京散歩に付き合って欲しい。」と持ち掛ける。更に、その報酬として100万円を貰えると言われ、胡散臭さを感じながらも福原の提案を受け入れ、2人の散歩が始まる。」

 小泉今日子さんは、かつて親族の結婚式に出席する際、福原を伴侶の代わりに雇ったことのあるスナックのママ、まきこさん。相変わらず可愛い女性でした。その姪で不思議ちゃんなふふみちゃんは、吉高由里子さん。私は「蛇にピアス」でしか知らなかったので、この映画で魅力再発見です。なにしろ、「きれいで品のいい人なのに、ロマンポルノの女優さんかな」とか思ってましたから顰蹙ものです。あの映画は「ピンポン」で透明感溢れるスマイル役だったARATAさんの変貌ぶりに驚いたわ。

 二人が警視庁に向かってゆるりと散歩していく途中の東京の街は、昭和の頃を思い出させる、レトロで懐かしい感じ。実は、撮影は東久留米市で行われたそうですが、実在の東京の街を舞台にして、ランドマークが度々登場するので、二人の散歩道の界隈を知っている人が、ちょっと羨ましい。こんな懐かしい街を何日か掛けて、ゆっくり散歩したい。途中、純喫茶でコーヒー飲んだり、金物屋さんで商品を眺めたり、公園のベンチで自販機で買ったお茶飲んだり、街角の猫に、にゃ~ん、と言いながら近づいて逃げられたりしながら。

 アメリカに住んで30年、私の中の日本は80年代のまま凍結しているのかもしれません。育った街の市場はもう何十年も前にマンションに変わり、商店街は若い人向けの飲食店ばかりで、知っている文房具屋さんや本屋さんは全部無くなってしまったのに、未だに日本に帰ったら、狭い両側にお店の並ぶ通りがあるような気がしてしまう。公園には錆びた遊具と、大きなコンクリートのすべり台があり、暗い商店街の路地は、夜にはスナックやバーの看板に明かりが灯り、そこには子供は入っちゃいけない異世界がある。


 見終わった後に「いい映画を見たな」と、満足感のある映画でした。こういう幸せな気持ちは、「海街ダイアリー」、「大阪ハムレット」、「セトウツミ」を見た後も同じで、自分は、こういうユルい映画が好きなんだと思う。でも、同じような雰囲気やテーマの映画でも、ハリウッド映画では同じような気持ちにはならないので、私は懐かしさを感じる世界が好きなのでしょう。そして、懐かしさに幸せを覚えるってことは、それだけ歳をとったってことね~(T▽T)

IMF対ウーマノミクス

2018-10-05 | 時の話題
なんだか昨日ボヤいた内容に、さりげに関連あるような、今日の気になったニュース記事。昨日の記事のネタは、


ですが、人の振り見て我が振り直せじゃないが、今日は日本がIMFに突っ込まれたニュース。

【AFP=時事】来日中の国際通貨基金(IMF)のクリスティーヌ・ラガルド(Christine Lagarde)専務理事は4日、根強い低インフレと成長の鈍化、急速な高齢化に直面している世界第3位の経済大国である日本に対し、経済政策の全面的な見直しを促した。
中略
 さらに、世界で最も高い地位にある女性の一人で、女性の権利向上を強く訴えているラガルド氏は、日本の労働市場における男女格差是正に向け「もっと多くのことがなされ得る」と述べた。
 安倍首相は、女性の労働力を増やそうと「ウーマノミクス(Womenomics)」を経済政策の中心に掲げてきたが、今週発表された内閣改造で女性閣僚は1人にとどまり、批判が集まっている。
 ラガルド氏は、女性の就労を促してきたことについては評価する一方、「日本の女性の長期雇用を奨励することは、間違いなく今日の課題への対応策の一つになる」という見方を示した。
 世界経済フォーラム(WEF)が発表した最新の世界男女格差年次報告書(Global Gender Gap Report)によると、日本は先進7か国(G7)で男女格差が最も大きく、世界全体では114位。特に経済と政治分野における女性の参画度が低かった

 母国を離れて長くなると、嫌うか「関係ないね」と意識的に無関心になるか、逆に無闇と防衛意識が過剰になる事が多いように思いますが、私は後者で、日本を悪く言われるとむっとする方です。こと、IMFなんかに上から目線で言われると、るっせーよ、いつまで経っても途上国は途上国のまんまだし、人口は増えるし、教育は行き渡らないし、貧困は克服できないし、環境は破壊されるし、何が持続可能ななんちゃらだよ、エラソーなこと言ってんじゃねーよ!それもこれも、てめーらの政策がことごとく失敗してっからだろ、このヤロー!などと、発作的にムカッとしてしまうのです。

 国連開発局(UNDP)が、最初の人報告書を出したのは1990年で、その前年、大学院生だった私はNYCの国連本部でインターンとして、この報告書のための統計分析をしていました。担当は文盲率関連でしたので、男女格差の指標であるジェンダー開発指数(Gender-related Development Index、略してGDI)には関わっていないものの、日本が低いって指摘されてムキムキして反論してたのを覚えています。あの時は、日本と欧米じゃ、「男女格差」の定義が違うんだよ!日本の家庭じゃかーちゃんが財布の紐を握ってんだよ!簡単な比較で決めつめんじゃねー!と、口泡吹きながら騒いでましたが、当時から比べると、指標の導き方もずっと複雑になった現在でもなお、格差が認められるという事実。

 でもね、閣僚に女性が一人しかいないとか、男女格差って数で図れるものだろうか?って疑問は残ります。何事も、量より質じゃない?女性役員が少ないから企業に義務付ける、セクハラを自慢する男がトップを務める、性的暴力を奮った過去のある男が最高裁判事になる… そんなアメリカだって、女性閣僚の数は多い。

 日本の働き方改革や、女性管理職の増員に関しては、個人的な経験から色々思うところがありますが、それはまた別の機会に。

カリフォルニアの新しい法律

2018-10-04 | アメリカのニュース
 いろいろと先進的なカリフォルニア州は、今週、州内に本社を置く株式公開企業は、来年末までに役員会に女性を登用しなきゃダメ!という法案を成立させました。また、この法律では「企業は2021年7月末までに、5人で構成される役員会では少なくとも2人の女性、6人以上の役員会には3人以上の女性を採用」することが求められています。これは、はじめての試みではなく、2003年にノルウェイで導入されたのを初めとしてEU諸国では既に実施されているそうです。

 私がふと思ったのは、カリフォルニア州内にも沢山ある、日系企業のこと。中でも、以前住んでいたロサンゼルス郊外のトーランス市に本社を置く、日本を代表する大企業の一つであり、日本のビッグ3の中ではいち早く女性役員、鈴木麻子執行役員が誕生したホンダの現地法人です。ちなみに、日産、トヨタは早々とカリフォルニアを脱出したのでセーフ(?)

 日産は奇しくも同じ「あさこ」さんの星野朝子さんに加え、今年、元レーサーの井原慶子取締役が就任したニュースは記憶に新しい。トヨタは麻薬取締法違反で大恥晒しちゃったとはいえ、アメリカ人女性のハンプ氏を役員に迎えた過去がありますが、かえって私は「あのトヨタに女性幹部?」と見直しました。ちなみに現在、ちゃんと加古慈常務という日本人の女性役員がおられます。で、気になってアメリカン・ホンダの理事会メンバーを検索したら、Bloomburgや、ホンダの英語サイトを見ると、今は男性ばかりなようです。
 女性の地位向上のためとか、お客だって半分は女性なんだから女性リーダーがいないのはおかしいとか、正当化の理由はあると思うけど、この法律に対する私の個人的意見は、正直、ちょっと微妙。だって、義務にしたら同時に、平等が失われるように思えるし…

 それに、女性が役員に昇進したとき、法律のせいで仕方なく選ばれた女性は、選んだ男性たちから見下されてて嫌。能力で地位を掴んだ女性が「女性だから」って思われたりしたら、他人事でも同性として凄い悔しい。クラフトフーズのローゼンフェルドさんとか、ペプシコのヌーイさん、デュポンのクルマンさん等々、超がつく世界の大企業の女性トップ達は、女性だからCEOになったんじゃないでしょう。鉄の女、サッチャーさんだって、女性だから有能だったんじゃなくて、サッチャーさん自身が名政治家だった。日本マクドナルドを立て直したカサノバさんがやり手社長なのたって然り。

 そんな、多くの性別全く関係なしに、実力で重要ポストに就いた女性に対しては侮辱的だし、重要なポストを狙う多くの女性に対しては、法で定めないと女は出世できない、ハンデを付けなきゃなんないほど競争力に欠けてるって決めつけてるような気がして、やっぱ侮辱って感じ。私自身は、企業のトップを目指す人々の世界は、自分には全く関係もなければ、無知だから、こんなコトを無責任に言えるだけかもしれないけど、カリフォルニアの実力あるキャリア女性達には、法律なんか却って邪魔、なめんなよ!って、いや~んな気になっちゃうの。企業に働く女性マネジャーの皆さん、どんどん見返してやってください!!

大阪市、サンフランシスコ市との姉妹都市提携を解消

2018-10-01 | 時の話題
産経新聞によりますと…

 米カリフォルニア州サンフランシスコ市が慰安婦を「性奴隷」と記した碑文や像を公共物化(市有化)したことをめぐり、大阪市は2日、吉村洋文市長がサ市に姉妹都市提携の解消を通知する書簡を送ったと発表した。これにより、大阪市とサ市の姉妹都市提携は解消された。
 今年7月に就任したサ市の新市長に撤回を求める書簡を送ったが、9月末としていた期限内に返答が得られなかったのが理由。
 サ市では昨年9月、中国系の団体が市内に像と碑文を設置。同市議会が昨年11月に寄贈を受け入れ、当時のエドウィン・M・リー市長も承認し、市の公共物となった。
 碑文には「日本軍に性奴隷にされた数十万人の女性や少女の苦しみの証拠」などと記されており、吉村市長は「日本政府の見解と異なり、不確かで一方的な主張だ」と指摘。再三にわたり公共物化の撤回を求めてきたが受け入れられず、昨年12月、姉妹都市提携を解消する方針を決定した。
 しかし、直後にリー市長が急死したため、姉妹都市提携を解消するための通知を送付するのを延期。新たにロンドン・ブリード市長が就任した後の7月、前市長の方針に対する見解を確認するための書簡を送付し、9月末までの回答を求めていた。

 吉村市長、ようやった!

 両市が姉妹都市提携を結んだのは昭和32年、61年間も続いた提携が、解消されました。再三に渡る申入れに対し拒否を続け、最終的には返事すらしてこないという状態だったそうです。大阪市側の慰安婦像に伴う嘘っぱち、でっち上げをサ市が公共物化することは、半世紀以上も続いた姉妹都市提携という友好関係に対する裏切りです。こっちの方から唾棄すべき不誠実な態度です。

 サンフランシスコ市には、韓国・中国系住民が多く、特にそのチャイナタウンは全米でも最大規模。だけど、日系市民や企業だって多い。一度訪れたことがあるだけですが、革新的でダイナミック、かつ文化的にも社会的にも「すすんでる」サンフランシスコは、とても好きな街です。ですから、今回のことは悔しく、残念でなりません。

 自国の当て外れな逆恨みを、全く関係のない他国で主張する。一体、どんな神経なんだろう?過去の、慰安婦像問題への私の意見は:

 から変わっていません。そもそも、この慰安婦問題は朝日新聞に端を発します。そのデジタル版謝罪記事に検索避けをのメタタグを付けるというセコい所業が非難されたのは、つい一ヶ月ちょっと前(朝日新聞「慰安婦誤報」の謝罪記事――ネット民が暴いた姑息な“検索逃れ”)のことでした。


「吉田調書」報道への謝罪を報じる2014年9月12日の朝日新聞一面


 私事ですが、もう10年以上前に、米国議会提出用の慰安婦問題に関する資料の翻訳をしたことがあります。何百ページもの日本語の文献の中から選ばれた部分を英語に訳する仕事でした。少なくとも私の担当した部分には、朝日放送の記事は含まれていませんでしたが、もし含まれていたら、この仕事は拒否してたかも。ともあれ、当時の私は、慰安婦問題が公平に議論されることを願いながら、翻訳に取り組んだものでした。でも、実際のトコ、その議会論議は大して報道もされなかった。そりゃ、アメリカにとっちゃ所詮は他人事だもんね。

 1982年に報じられた虚偽を基とし、その後長きに渡って真偽が争われてきた日本軍慰安婦問題をネタに、とにかく日本を他に国の人々から憎まれるように仕向けたい。そのための努力は惜しまない。この妙な信念を支えているのは一体何なのだろう?妬み?他人を貶めることで、自分をよく見せたい?

 思い出すのは、ブライス・キャニオン国立公園で、バカその他の日本語の汚い言葉を大声で叫んでいた韓国語を話す一団です。なぜ、そのようなことをするのかと日本語で詰め寄ったら、日本語解らないんでやんの。英語で同じこと言ったけど、英語も判ってなかった。鼻息荒くムキムキしてた私は、絶景を前にヘナヘナと脱力するしかありませんでしたよ。とにかく、他所に行って日本を貶めたい。慰安婦像の件は、このおっさんたちの意地汚い根性に通じると思います。

 なんか論点がずれちゃったけど、要は、大阪市長グッドジョブと言いたかったんです。