わにの日々-中西部編

在米30年大阪産の普通のおばさんが、アメリカ中西部の街に暮らす日記

特定移民追い出しが加速

2018-01-09 | アメリカのニュース
 今日、気になること:2001年1月のエル・サルバドル地震後に、当時の子藪(息子の方のブッシュ)政権が取った救援措置として合衆国滞在を許された約20万人のエル・サルバドル国籍の移民に対する、暫定的保護プログラムが終了されます(米国移民局サイト)。数日前から、NPR等で取り上げられてきましたが、正式に発表がありました。

 理由は、元々が「暫定的」な措置だったから、なのですが、対象になるのは、アメリカにすっかり根付いた基盤がアメリカにある人々でしょう。なんたって、少なくとも17年だもの。だったら「暫定」ではなく、犯罪履歴がなく、ちゃんと働いて税金も納め続けている人たちは「恒久」にしちゃいましょ、ではなく、出てけ!ってのが、ひえ~😱だわ。

 この暫定的保護処置(Temporary Protected Status: TPS)は、既にアメリカ国内に滞在している違法移民を一時的に保護し、強制送還から免除します。現在、この対象下化にある国は、エル・サルバドルの他、シリア、スーダン、イエメン、ソマリア、南スーダンなど。国土安全保障省は、ニカラグア国籍の約2500人に愛する保護も、近々、終了させると発表しています。

 2001年の段階でアメリカ国内に潜んでいたエル・サルバドル人の多くは、1980,90年代の内戦時代に国を逃れてきた人々です。そして、同国経済の(公式だけでも)20%が、彼らによる仕送りで支えられているのだとか。エル・サルバドルのような低所得国にとって、これは国全体の死活問題です。

 TPSによる暫定移民は、タダ乗りではなく、18か月ごとの更新時に何百ドルをもの料金を支払っています。10年毎の永住権更新に結構なお値段(去年、私が更新した時は495ドルだった)を払わねばならないのと同じ。

 現政権と共和党議会は、オバマ政権が制定した、幼少時に親によってアメリカ国内に不法入国した子供たちを保護する「ドリーム法」も失くしたがってるし、(不法)移民追放に熱心です。昨年、トランプが就任した時には、30万人以上の移民がTPSによってアメリカ国内に滞在していましたが、3分の2は、今回、保護停止となるエル・サルバドル人で、残りの大多数は約57000のホンドュラス人と46000のハイチ人。ホンドュラス向けの保護継続行か否かは今年7月に決定、ハイチに対しては既に終了が決まっています。

 ドリームアクト対象者も、地続きで密入国してきたメキシコやグアテマラからの移民だし、今回の措置にしても、中南米からの移民追い返し策ともいえます。そして、イスラム教国からの入国制限と、凄く判り易い移民政策だよね。自分が嫌いな奴らは締め出し・追い出し。でもロシア(旧ソ連)等、欧州からの移民はいいのよね