わにの日々-中西部編

在米30年大阪産の普通のおばさんが、アメリカ中西部の街に暮らす日記

ザ・コンサルタント/The Accountant

2017-02-19 | 映画・ドラマ・本
未だかつて、会計士がこんなにかっこいい映画あっただろうか?いや、無い。

 なにやら、日本でも評判が良いらしく、若息子も勧めるんで、Google Playの映画一本無料クーポン使って観ました。表の顔は、高機能アスペルガーだけど腕利きの会計士、裏は心理戦の専門家で、自分がサイコパスな父親の「障害があっても自分の面倒を見れるように」との意思で、武術、銃機器の訓練を受けた暗殺者のクリス・ウルフ。

 イマイチ、数字に滅法強いアスペな会計士という設定が、暗殺者としてのスキルと上手く繋がっていない気がしましたが、優れたスナイパーであることが、人並み外れた空間に知力によるものとか、暗黒街の裏帳簿を仕切っていたり、自分と弟を捨てた母親の葬式での振舞いは、罪悪感というものが欠如しているから、なのでしょうか?

 色々、詰め込みすぎという気もしましたが、いかにも続編を意識したようなラストシーンや、まだ謎を残したままの設定は、これは紹介編だから、で良いのかしら?ジェイソン・ボーン・シリーズを有するお友達に、「シリーズ物一つキープしとくの、マジおすすめ」ってアドバイスされたんかな?過去に何度も役者の変わってるバットマンより、こっちのが安全牌w 特殊訓練を受けた強くて非常、クールで賢い主人公が活躍するシリアス路線のアクション映画ですが、ボーン・シリーズとはネタも設定もかぶってない。ちゃんと棲み分けできてる。お見事。 



 それにベンさん、バットマンしてるより、アスペな会計士の方が似合ってると思います。監督としても脚本家としても定評のある実力派ではありますが、演技はそれほどうまくないと思うので(ごめん)、感情欠如な役がはまっているのではないかと。「ゴーン・ガール」の時の、マヌケ面夫も良かったけど、メガネかけると、一気に知性派に見える。死んだ魚のような目が、更に役柄にはまってる。

 主人公はアスペルガーのはずなのに、普通にアイコンタクトしてたり、ちょっと「?」な場面もありましたが、農場で死体を量産しておきながら、オーナー夫妻に「じゃ」とかって、ちょっと手を降って、そのまま放置して行ってしまう辺りは、空気が全く読めなくて良いと思いました(褒めてます)。


以下、ちょっとネタバレ


 大人になってからは弟のことに全く触れられないので、かえって敵方のボスが弟だと予想がついちゃいました。折角だから、ケイシー・アフレックが演ればよいのに、と、思ったけど、それはやりすぎか?来週また会おう、なんて言ってたから、やっぱ、シリーズ化を狙ってるよね、って、感じ。クリスに指示を与える謎の声が、ジャスティーンだったのは、正直「そうだったのか!」でした。二人で裏稼業で稼いで、あの学校を維持してるのね。

 オリジナルのジャクソン・ポラックが送られてきたのは、デイナ(アナ・ケンドリックかわいいよねv)が、美術学校に行きたかった、って台詞が伏線でしたね。ポーカーをする犬の絵に隠して送ってきたのは、ちゃんと空気を読んでる。ベンさんがでかいので、ちっちゃいアナちゃんとの凸凹コンビが可愛かったです。

 お友達が殺されちゃったよ~、と泣き、沢山の人を救うのが生きがいなんだと言う大企業のオーナー社長、良い人の振りしてたけど、ジョン・リスゴーだしな―、きっと悪役だよなー、と思ったら、その通りで、出てきただけで先か読めるタイプ。ここらで少し、びっくりさせてほしいものですが… 最後まで良い人で、しかも死なないショーン・ビーンとか、実は良い人だったジョン・リスゴーとか、神様かと思ったら普通の人のモーガン・フリーマンとか(?)