エデュコ5年生も今週から、「合同」「相似」の問題に取り組んでいます。「図形問題が苦手」と思い込んでいる方も少なくないのですが、図形問題は「経験(慣れ)」や「手がけ方」で得意分野へと変えられる性質のものと言えるでしょう。
図形問題を手掛ける際、もっとも留意すべき点として、「なるべく正確で緻密な図形を描いて考える」ことがあげられます。
特に、正方形・長方形・平行四辺形・正三角形・二等辺三角形などにかかわる問題は、ほとんどが、「等角」「平行」「等辺」を根拠にして解きあげるものと言っていいでしょう。
これらの要素については、いわゆる定義(知識)として、知らない子どもはいないはずです。にもかかわらず、正答に結び付けられないのはなぜか。それは、「料理レシピ」を暗記しても、実際に「調理」しない限り作れるようにはならないのと似ている気がします。
たとえば、「図のABCDは長方形です」という条件が示された場合、その図に、内角が「90°」であることや、四辺それぞれに「平行」「等辺」であることなどが示されているわけではありません。これらの条件を自らの手で書き入れることで「気づきの連鎖」が発生し、正解へどんどん近づくこととなります。図形問題の「出来・不出来」は、これらの作業の緻密さと相関するでしょう。図形問題は、「指示されてはいるものの、書かれてはいない事柄を、自分で整理する作業問題」だということもできます。
具体的には、「等辺」や「等角」の確定による合同な図形の発見、「平行」線でできる「同位角」や「錯角」による相似な図形の発見などが、これらの作業に当てはまります。長さが示されていればその長さを、示されていなければ、授業でマスターした等辺記号を図中に書き込み、角度が示されていればその角度を、示されていなければ、これまた授業でマスターした等角記号などを図中に書き込みます。これらの作業を「解答の型」として、しっかり作り上げていきましょう。
その「型」を擁して経験を積み上げていけば、きっと「図形は得意」と言えるようになります。特に、「予習シリーズ5年下」では、総合回を除く、全15回中5回が図形問題になっています。図形問題に強くなる流儀を徹底的に考える期間です。「大きくて」「正確な図」をはっきり書いて取り組んでみましょう(要領を得ない段階では、定規・コンパスを用いた作図が、図形感覚を高めてくれます)。