テッカ(湯田伸一)の中学受験伴走記

私立・国立中学受験生を応援し続けて37年。
中学受験『エデュコ』を主宰するテッカ(湯田伸一)の応援メッセージ。

6・5・4・3年生 算数の「ケアレス・ミス」は「実力不足」ととらえましょう

2013-06-17 22:41:40 | 中学受験


 個別面談で保護者からよく、「算数のケアレス・ミスが多くて…」「どうすれば減りますか?」と聞かれます。「あの問題、この問題を取り逃がしていなければ、もっといい点数が取れるのに…」というわけです。

 この問に対する私の答えは、「ケアレス・ミスではなく、実力不足です」ということになります。
 例えば、「隣の子は100点だった。我が子も100点取る力があるのに、ミスをして80点に止まった」とします。確かに、家で落ち着いてやれば100点が取れることは多いでしょう。
 では、100点を取った子は、何が違っているのでしょう。100点を取る子は、100点を取る力の子ではなく、120点、130点を取る力のある子です。言い換えると、「ああすれば間違う、あれに気づかないと解けない…」というような、問題を俯瞰できる「実力」を持つ子どもといえます。もちろん、その実力は、失敗から学んだ経験知がしっかり織り込まれているものです。
 つまり、100点のつもりが80点に止まる理由は、「ケアレス・ミス」ではなく、まだまだ余裕を持てない「実力不足」が原因であると言えます。間違いの要因を「ケアレス」という精神的なものに単純化することは、これからの発展可能性を摘んでしまうことになるでしょう。

 算数の実力をつけるために、特に意識したい重要項目を改めてあげてみます。

 第一に、「ドジノート」を丹念に作成しましょう。ただ、間違えた問題をもう一度手掛けるというのではなく、「何に気づかなかったか」「どんな間違いを犯したか」をしっかり意識するために、本人が問題文(図)から書き起こし、反芻してください。

 第二に、常に、問題(文・図)の理解を正確にすることを心がけましょう。「どのような条件が与えられ、何を答えとして求められているのか」を意識しましょう。そのためには、条件となっている数値をマークしたり、「つまり、…ということか」というような、「自分の型」に持ち込んだ解釈を持つことが不可欠です。この「自分の型」は、授業で得た「経験知」の集合に他なりません。
 保護者が誘導尋問すれば正解にたどり着くものの、一人で取り組むと正解できない場合と言うのは、「ケアレス・ミス」ではなく、この「自分で問題条件をしっかりとらえ、自分の型に持ち込む実力」を付けていないということになります。

 第三に、いよいよ解答という時、自分の考え方・解法に拘る習慣を持ちましょう。要領よく、真似をしていくだけの学習では、問題を俯瞰する実力は付きません。自分の解法にこだわることは、物まねと異なり、自己分析が可能です。まさに、「自分に足りないもの」を実感できる学習となり、その失敗から学んだ実力が、傍からは「応用力のある子ども」と評価されることになります。

 その他、「ケアレス・ミスを防ぐ」ではなく「実力をつける」方策を具体的にあげれば、計算力(合理的な計算方法)の習得をはじめ、尽きるところがありません。これらは、担任講師とよくすり合わせを行ってください。
 
 結局、「自分の手を通して考える学習」=「じっくりノートで考える学習」を貫き通すことが重要と言えます。
 子どものノート作業に発展は見られるでしょうか。今一度確認してください。もちろん、エデュコ講師は、一々指摘しています。エデュコと保護者の協働的な働きかけを更に強めていきましょう。
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