Rainy or Shiny 横濱ラジオ亭日乗

モダンジャズ、ボーカルを流しています。営業日水木金土祝の13時〜19時
横浜市中区麦田町1-5

記憶の葱ラーメン作り

2012-12-25 22:56:03 | 
八王子から秋川街道の山あいをクルマで散策したついでに、西多摩郡、日の出町のJA直売所へ寄り道してみた。さすがに寒の季節を迎えて大根、蕪、葱、ホウレン草などの冬野菜が瑞々しい艶を放っていて品揃えが充実している。その中の泥付き葱の束を買ってきて、思いついたのが長葱をふんだんに使った葱ラーメンである。昔、横浜の伊勢佐木町の入り口付近に「博雅」というシュウマイなどがとても美味だった華僑が経営する本格的な中華料理屋があった。この「博雅」はとっくになくなってしまったお店だが、あるときその味を継承しているラーメン店を横浜の郊外に位置する霧が丘で見つけた。
ここも老主人が体調を崩して数年で閉店してしまったが、この店を訪問していた頃、よくオーダーしていたのが葱ラーメンである。構成は細めの麺と鳥ガラや貝柱、野菜などを丹念に煮込んだ醤油味のスープが特徴だ。スープの色は濃い目に見えるが味はどぎつくない。昭和50年代くらいまでの横浜の山下町、野毛、磯子区、南区など旧市街地に点在した中華そば屋に共通するやや甘口のさっぱり味で、いま主流と称されている豚骨系の油脂を多用した家系ラーメンとの違いは明白である。

霧が丘にあったラーメン店の葱ラーメンを食したときに、どこか横浜の街中で仕事をしていたでしょうと、その風味から推測して質問してみたら図星だった。「博雅」で調理をしていたという答えが帰ってきた。細長く刻んだ大量の長葱にチャーシューを刻んでゴマ油とラー油で香ばしさと辛味のアクセントをつけたものが、店主がお薦めしていた葱ラーメンでこれが中々の美味であった。そのときの味覚を再現してみるのも面白いと思って、本日は豚肉のブロックを燻し焼いてチャーシューを作った。


豚肉の漬け込みにはおよそ一晩かける。醤油、味醂、砂糖、酒、ニンニク、玉葱を具材にした漬け汁をかなり昔のレシピ本(河内桃子の若かりし日が表紙)に基づいて配合する。ラーメンはいつもの「コスタ二宮」という福祉法人が販売している愛好している生ラーメンで、これは添付してある液体スープが非力だが仕方がない。胡麻油もラー油もちょうど在庫があった。焼きあがったチャーシューとよく晒したたくさんの長葱を和えてみた。長葱は風邪の予防にも役にたつから、冬の夜半メニューとしてはぴったりである。霧が丘の今はなき葱ラーメンの味わいをなんとか再現してみたが、やはりスープのコクが及ばないなと思いつつ、懐かしい味わいをちょっぴりと楽しむことができたようだ。


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