Rainy or Shiny 横濱ラジオ亭日乗

モダンジャズ、ボーカルを流しています。営業日水木金土祝の13時〜19時
横浜市中区麦田町1-5

うれしい和菓子週間

2014-09-24 19:46:26 | 

座間にある旧同潤会アパートに似た陋屋の専用室でオーソドックスなジャズを聴きたいという希望の友人が、この二週続いた9月の連休期間に数組訪れてきた。その中にはオーディオキャリア的には遥かに格上の古い知己もいる。そうした友達が連れだってきてお世辞が半分かもしれないが、しみじみとこちらの選曲に耳を傾けてくれるのはやっぱり嬉しいことだ。

好きなユタ・ヒップやビル・エバンスのピアノ、ラス・ガリンのバリトンサックス、デフランコのクラリネット、スコット・ハミルトンのテナーサックス等を流しながら好きな話にうつつを抜かすことは昔からそんなに変わらない。いつもの格上オーディオ友人のSさん、Hさんが「ござ候(そうろう)」の今川焼きという定番の手土産をお茶請けに持ってきてくれた。こちらもあちらも酒を嗜むという幸福がないことを知っての気遣いである。

これを皮切りに、示し合わせたわけではないのに厚木近在のOさん、Iさんは本厚木の老舗の「わらび餅」という粋な逸品。都内に住む親しいご夫婦は、松江桂月堂の「薄小倉」、九州・小倉「湖月堂」の「栗饅頭」、妹夫婦は「さぬき和三宝入り 生姜くずゆ」いずれも秋の日本らしい細やかな味覚品ばかりが並ぶ。

湖月堂の「栗饅頭」などはそのご夫婦が新宿・高島屋に掛け合って東京でも販売するようになった曰くのある素晴らしい白餡と栗の和合したお饅頭で昔からの好物だ。どれも気が効いた少量品なので持てあますことがない。

お彼岸の仏壇に供えてからおろして食べ初めている。雨模様になった今夜は出雲・松江産という「薄小倉」を齧ってみる。関東地方で称するところの「石衣」の外皮砂糖を更に繊細に薄く覆わせた小さな小豆菓子だ。「きんつば」をもっともっと洗練するとこうなるという味になるのだろう。ほんの数センチという小柄な小豆菓子が噛みしめて味わうと充足感に満たされる不思議を体験する。出雲地方の茶道と菓子の凌ぎあいの水準が高いことを象徴する初めての和菓子だ。自分で食べることはなるべく控えて10月初旬に93歳を迎える母親への差し入れをして、その品評を聞くことも面白いと思っている。


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