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Rainy or Shiny 横濱ラジオ亭日乗

モダンジャズ、ボーカルを流しています。営業日水木金土祝の13時〜19時
横浜市中区麦田町1-5

金柑のシロップ煮

2011-12-20 20:06:58 | 
遺跡発掘の土方バイトへ出かけている為に季節に応じた家事仕事が無理かと思っていたら、かえってフットワークが軽くなった。シャベルや鍬で土と格闘しているトレーニング成果が実って恒例の金柑をもいで甘いシロップ煮を作る歳末年中行事も今年は難なくクリアーできた。いつもは横着な気持が優先して心は動いても体が動かないという悪癖があったのだ。敷地の生垣沿いにある金柑の大木が今年はことのほか大粒の実を密生させている。

お百姓出身の家主は雑草や乱雑な庭を極度に忌避している。金柑の大木も枝ぶりがすっきりしないからお正月を迎える前に剪定しょうと持ちかけてきた。それなら実がついたままの枝をばっさりと剪定してもらって、実は自分でもいで残った枝は自分で処理すると対案をだしたら承諾した。その結果、大きなザルに4杯の金柑の実が大収穫となった。大鍋で沸騰させて茹でこぼしを繰り返すこと三回、灰汁を取ってまろやかに仕立てる為の面倒な通過儀礼だ。これを自分でするかしないかが伊勢原の田舎で暮らすスロウライフのメルクマールだと思っている。灰汁を取った後、大鍋にヒタヒタの水を加えて弱火でトロトロと気長に煮込むことおよそ二時間!砂糖の三温糖は大鍋に一キロ位を煮詰まった最期の段階で加えて完成だ。
18日の日曜は管球アンプと英デッカのコーナー型スピーカーでそれぞれが持ち寄ったクリスマスバージョンのジャズ曲を楽しむ会を行った。ハリー・アレン、チェット・ベイカー、ディーン・マーチン、ヘリー・ロレイン、オーディオのテクノロジーフェティシズムから解脱した桜井先生、佐々木さんといったジャズのテイストが本当にわかっている人が選び抜いた曲ばかりで一同は大満足。女性グループが帰ったあと、自分と上記の二人にて小岩井ヨーグルトの上に深夜に煮上がった金柑のシロップ煮をデザートにして毒味することにする。評判は上々!作りすぎたシロップ煮を小瓶に詰めて歳末の十日間のうちに親しい縁者に手渡す算段を考えている。


秋刀魚のち鯛日和

2011-11-09 16:02:55 | 
ちょうど15日は心臓関連の採血検査が控えている。なるべく血液をサラサラさせて良い数値がでればと願って夕べのおかずを秋刀魚にする。目も血走っていない張りのある太った魚体のものを氷漬けから選ぶ。一匹95円!これに大根が徐々に肥えてくる立冬の時分を意識して大根おろしを添えることにする。大根は百姓家の無人販売所にて150円だ。友人が不憫に思って時々差し入れしてくれている日用品の中に少し高級なインスタント味噌汁セットがあった。これの白味噌仕立てを熱湯で溶かして晩ご飯に添えた。塩焼きした秋刀魚の身を大根おろしにほぐしながら丁度一合炊いた白米との相性を愛でる簡素な食事に満足する。

近所に住むオーディオの先輩Kさんは、75歳ながら身動きも敏捷で頭脳も冴え渡って行動半径が広い。ちょうど真鶴沖へプレジャーボート仲間とカワハギ釣りに行く日と聞いていて夜半ハンプトン・ホースのピアノトリオアルバム「ザ・サーモン」のゴスペル曲を大音量で小気味よく再生している時に、いったい釣りの成果はどうなったのだろうとふと思いだす。

朝になって寝床に入っているときにKさんからの電話があった。波が高くてウネリも強くカワハギのいる場所まで行けなく、したがってカワハギは駄目だったので、肝合えはお預けとの知らせで落胆する。しかし30センチの天然真鯛が上がったから、お昼に鯛尽くしに招待したいとの嬉しい知らせとなった。

潮汁、アラ煮、カルパッチョ、全てKさんが調理する真鯛のバリーエーションだ。これにメインは湯引きした白身のお造りという豪華版、おまけに長野あたりの筆柿を美的レイアウトで添えている凝った割烹料理だ。真鯛は釣り上げた直後よりも翌日が美味い。こりっとして且つまったりと重みのある真鯛の味を久しぶりに賞味する。なにかメインストリームなジャズの王道と共通するものがあると思っていたら、卓上の横にあるウエスタンの728スピーカーでやはりレスター・ヤングの真鯛風のコクを湛えた図太く繊細なサックスで饗してくれる豊かな午餐となった。

脇役の味

2011-07-22 09:45:32 | 
夕べは暑さが引いてとてもしのぎやすかった。冷蔵庫を明けたら
メインとなる食材の買い置きがない。ちょうどカレールーと挽肉
があったので、茄子、玉葱などを使った「茄子の挽肉カレー」を
思いつく。ひね生姜とニンニクを刻み、玉葱もみじん切りする。
これらに挽肉を加えて炒める。炒めた具に水を足して沸騰するまで
煮込む。浮いてきたアクを除いてしばらく弱火で煮てから火を止め
て買い置きのルーを溶かす。これにナイル商会製の缶入りカレー粉
を大匙スプーン一杯だけブレンドするのが、カレー作りのおまじな
いめいたいつもの儀式だ。昔はSBの赤い缶を使っていたが、いま
はナイルの紺と黄色の模様と古式なロゴに惹かれている。

出来上がったこのカレーの材料費は、茄子が5本で100円これは
農家の直売所、うち2本を使用。玉葱は同じく農家のものが6個で
100円うち2個を使用。挽肉は150gで200円という具合だ。
自炊は手間を考えると安いのか高いのか分らなくなってしまうが、
たまに駅の近くで投げやり気味にかっ食らう、「なか卯」「すきや」
で供されるカレーもどき!よりもレベルがはるか上であるのは間違
いないと自己満足に浸って食べる夏の夕暮れだ。
なにか漬物をと思ってあたりを見回す。北海道物産フェアーみたいな
スーパーマーケットの特設会場で買った「キムチ」のパックはあるが、
同じものを連日食べることはしない主義だ。そこで思いついた副菜が
この前漬けたラッキョウだ。およそ一月経って、柄も細身だからお酢
も透り始めるころだ。瓶から10粒ほど取り出してカレーライスにリ
ズムをつける。今年は砂糖を増やしたラッキョウ漬け、どんなものか
と不安な試食だが酢味はマイルドで歯ごたえにも満足、たまの自炊食
に、名脇役が登場の感あり。

2011-07-08 20:35:13 | 
昔、伊豆の狩野川中流に位置する大仁付近で鮎の友釣りをした
ことがある。囮の鮎に鼻環をつけて長い竿で流す釣りである。
これは縄張りに侵入してくる囮鮎へ体当たりする鮎の習性を
利用した奥深い釣りだ。このときはコツを体得することに手間
どって二匹という貧果でさみしい思いをさせられた。指導して
くれた渋谷・道玄坂のジャズ喫茶店主ブレイキーのKさんの話で
は、鮎の味わいはやはり北国が勝るということだった。

彼は道玄坂が袋小路になるような場所で、ジャズ喫茶を仲間と
交代しながら経営していたが、水産大学という異質なフィール
ドの学問も習得していて鮎の生態もジャズ同様に熟知していた。
アルテックの604-8Gを激烈に鳴らすことでは、界隈で一番
の店だが、ジャズが風俗街に駆逐される潮時を察知して店を閉め
てしまった。その彼によると狩野川のような温暖なエリアに棲む
鮎よりも、北国の魚野川みたいな水温の温度差が激しい場所で
育った鮎のほうが美味とのことで、その説明は今でも印象に残っ
ている。その後、川釣りから海釣りへと転向してしまい鮎釣りの
機会は一度もない。盛夏が来て二匹数百円程度で売っている養殖
鮎を見かけるが、そのときの話が残っているものだから、脂肪分
の過剰な促成鮎に躊躇してしまうことが多い。
昨日はお茶菓子のお土産に琵琶湖沿岸に本社のある「たねや」の
季節菓子をいただいた。鮎の衣に中身のギュウヒ餡が爽快である。
少し冷ました煎茶との相性がとてもいい。スイカの香りがプンと
たつ天然鮎を思い出しながら、織部皿でお菓子の鮎を味わうこと
も季節の齎す余禄なのかもしれない。

トースト二種

2011-06-30 08:24:48 | 
また猛暑傾向の日が続いてこのところ食事はソーメンばかりの
ワンパターンになっている。
そこで今朝はあり合わせの備蓄品からトーストを思い立つ。
パンはあいにくスーパーで買った神戸屋のまやかしっぽい、顎
というものが不在な現代っこが食べるモチモチ感触を強調した
ような食パンしかない。これにとてもゴツイ梅ジャムを塗る。
ゴツイというのは去年漬けた梅のシロップ漬けの実を、種だけ
取り出してザラメ砂糖を足して煮込んでみたら、とろみがなく
なってスプーンなどでは歯が立たないような、すごい粘りの梅
ジャムに変異してしまった。パンをトーストする前に、この固
いジャムもどきを塗ってから焼くと、これが素晴らしく柔らか
に液状化する。梅の酸味が口腔内に拡散して溶け損じたザラメ
の微かな粒の甘みが複合して自作ならではの味覚を呼ぶ。

あと一枚も変態めくが、素焼きした食パンに作っておいたポテ
トサラダをてんこ盛りする。今年は悪戯菜園のジャガイモがと
ても豊作だった。ストックが余っているから、ついつい応用を
考えて好きなポテトサラダを作って二三日とりおくようにする。
辛子を利かせてあるから薄味気味でも既製品を買ってきたもの
とは自然風味で断然の違いが生まれる。これをよくトーストに
たっぷり乗せてソースを少しかける。
こちらを先に食べてから、次が梅ジャムを食べる。ボリウムが
あるから午後までの腹もちがなかなかよい。
このへんは、トマトソースなどの備蓄で応用も効くから便利だ。