Rainy or Shiny 横濱ラジオ亭日乗

モダンジャズ、ボーカルを流しています。営業日水木金土祝の13時〜19時
横浜市中区麦田町1-5

2011-07-08 20:35:13 | 
昔、伊豆の狩野川中流に位置する大仁付近で鮎の友釣りをした
ことがある。囮の鮎に鼻環をつけて長い竿で流す釣りである。
これは縄張りに侵入してくる囮鮎へ体当たりする鮎の習性を
利用した奥深い釣りだ。このときはコツを体得することに手間
どって二匹という貧果でさみしい思いをさせられた。指導して
くれた渋谷・道玄坂のジャズ喫茶店主ブレイキーのKさんの話で
は、鮎の味わいはやはり北国が勝るということだった。

彼は道玄坂が袋小路になるような場所で、ジャズ喫茶を仲間と
交代しながら経営していたが、水産大学という異質なフィール
ドの学問も習得していて鮎の生態もジャズ同様に熟知していた。
アルテックの604-8Gを激烈に鳴らすことでは、界隈で一番
の店だが、ジャズが風俗街に駆逐される潮時を察知して店を閉め
てしまった。その彼によると狩野川のような温暖なエリアに棲む
鮎よりも、北国の魚野川みたいな水温の温度差が激しい場所で
育った鮎のほうが美味とのことで、その説明は今でも印象に残っ
ている。その後、川釣りから海釣りへと転向してしまい鮎釣りの
機会は一度もない。盛夏が来て二匹数百円程度で売っている養殖
鮎を見かけるが、そのときの話が残っているものだから、脂肪分
の過剰な促成鮎に躊躇してしまうことが多い。
昨日はお茶菓子のお土産に琵琶湖沿岸に本社のある「たねや」の
季節菓子をいただいた。鮎の衣に中身のギュウヒ餡が爽快である。
少し冷ました煎茶との相性がとてもいい。スイカの香りがプンと
たつ天然鮎を思い出しながら、織部皿でお菓子の鮎を味わうこと
も季節の齎す余禄なのかもしれない。

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