視人庵BLOG

古希(70歳)を迎えました。"星望雨読"を目指しています。
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東儀秀樹氏講演会

2008-04-23 05:28:40 | 星望★雨読
いつもの軽薄物見で東京工業大学世界文明センター人文学院・芸術学院主催のレクチャーシリーズのひとつ、雅楽師東儀秀樹氏の「雅楽の秘められた力と可能性」を聴講してきた。 
東京工業大学に"芸術学院"があるというのは何か不思議な感じがするが、ホームページによると「多彩な創作活動の実践と教育を通じて、芸術と科学技術の織り成す新たな世界を切り拓きます」とのこと。
今回のレクチャー・シリーズでは橋爪功氏、東儀秀樹氏、高橋源一郎氏、渡辺えり氏、青木保氏という顔ぶれ。
入場無料・先着順ということで、今回は280名収容のホールは立ち見で溢れかえっていた。内、東工大の学生は1/4くらいか?

以下メモ書き
東儀氏は雅楽師の家系ではあるが実際は商社マンの家庭に生まれた帰国子弟とのこと。音楽活動はしていたが、雅楽を本格的に学ぶために宮内庁に入ったのは18歳になってからということなど。
篳篥(ひちりき)、笙(しょう)、竜笛(りゅうてき)の音色を個々に演奏してくれた。個々の楽器を生音で聴いたのは初めてである。
笙が結構大きな音が出、パイプオルガンのような音色が出るのにビックリした次第。
アジアのどこかで生まれ中国、朝鮮半島を通って日本にきたのと、中央アジアを越えてヨーロッパでパイプオルガンの元になったというルーツを考えれば当然か?
現在、中国、朝鮮半島には笙を使う音楽はないとのこと。正倉院と同じようにドン詰りに保存・継承された文化か?
学生との質疑応答のなかで、雅楽には西洋音楽のようなタイプの楽譜はないということを知った。
雅楽は口伝(くでん)で伝承される。
口伝で演奏法が先輩から後継者へ伝えられていく教育システムが、宮内庁という国家機関のなかで古来から延々と続いているというのも、考えてみれば凄いことである。天皇家は1200年以上は続いているだろうから・・・・
20世紀後半の数十年は知らず、ここ2000年の間"文化"の辺境で、流入文化を醸造してきた民族のアイデンティテイに思いをめぐらす・・・・

P.S.
講演があった東工大西9号館の横にディーノが留まっていた。東儀氏の車だろうか?
それで思いだしたが、外出時、街道でフォードGT40を視た。公道で走っているのだから、先年米フォード社で再生産されたGT40だろう。日本に輸入されていたのか?
ボーッと視界から消えるまで視続けていた。

雅楽―僕の好奇心 (集英社新書)
東儀 秀樹
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