視人庵BLOG

古希(70歳)を迎えました。"星望雨読"を目指しています。
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「古代ユーラシアの青銅器」連続講演会(中近東文化センター)

2006-10-05 20:22:46 | 西アジア・中央アジア
日曜日、中近東文化センターでおこなわれた『古代ユーラシアの青銅器』講演会 にいってきました。
講師は中近東文化センター研究員の足立先生。
特別展示はこじんまりしていますがペルセポリスの壁画に描かれた壷と同形式の青銅器製の壷を展示するなど、工夫がこらされています。

以下は小生の聴講メモ書きです。
写真は今冬のイラン旅行のときのものです。

講演会タイトル:ペルセポリスの栄華と青銅器
○ アケメネス朝(前550-前330)はアッシリア帝国の後の王朝。
  アッシリアはイラン方面への侵攻に失敗している。
  戦車が使えない山岳地帯のせいか?



○ ペルセポリス
  ダレイオス1世の宮殿。居住空間でなく、アバダーナ(謁見の間)での行事の後、宴会などに利用されていたと思われる。
  ペルセポリスは新年の祭事をおこなう宮殿として使用されていたと思われる。


○ アバダーナ(謁見の間)のレリーフ
  上のレリーフではメディア人が朝貢の他民族を従えている。


○ ゾロアスター教がアケメネス朝ペルシャの国教であった証拠は出ていない。
○ 従来、アフラマヅダのレリーフと考えられてきたもが単なる精霊である可能性がでてきた。


○ ナクシ・イ・ルスタムの岩壁に馬上のシャプ-ル1世に、ウァレリアヌスが降伏しているレリーフがある。


○ シャプールⅠ世のレリーフでは王の偉大さを表現するために四角いフレーム枠を頭部がとびだしている


○ アケメネス朝ペルシャの楔型文字は、古代イラン語の表音文字でアルファベットの一種。それ以前の楔型文字は表意文字。
  左上から右下への斜めの区切り記号が単語の区切りをあらわす。

○ ペルシャ文明展の出展されていた有翼ライオンの黄金のリュトン。
  テヘランの博物館でも一般公開していない。
  同様なものはメトロポリタン美術館にもある

○ ロックバンド、クイーンのフレデイー・マーキュリーはゾロアスター教徒の家系とのこと。(!)

■『古代ユーラシアの青銅器』講演会スケジュール
各会共14:00~15:30 聴講料 500円

第1回 10月1日(日)
 ペルセポリスの栄華と青銅器 
    足立拓朗(中近東文化センター研究員)
第2回 10月29日(日)
 グリフィンと青銅器―ギリシア・アルカイック期を中心に―
    林俊雄(創価大学教授)
第3回 11月5日(日)
 中国北方の青銅器(仮題)
    高浜秀(金沢大学教授)
第4回 11月12日(日)
 コーカサスの青銅製帯とスキタイ
    雪嶋宏一(早稲田大学図書館司書)
第5回 11月19日(日)
 中近東の青銅製武器 足立拓朗
第6回 12月3日(日)
 南インドの青銅器時代
    上杉彰紀(関西大学講師)
第7回 1月14日(日)
 殷周青銅器(仮題) 
    飯島武次(駒澤大学教授)
第8回 1月21日(日)
 我々における青銅器時代の意義
    川又正智(国士舘大学教授)
第9回 2月4日(日)
 中央ユーラシア中部の青銅器 
    畠山禎(横浜ユーラシア文化館学芸員)
第10回 2月18日(日)
 最古の文明メソポタミア文明と青銅器 足立拓朗



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