書名 :使える弁証法
著者名 :田坂広志
出版社 :東洋経済新報社
刊行年 :2005/12/08
日付 :2006/03/23
定価 :1,500円
入手法 :図書館
読書ペース/分: 3.16P
評価:◎
今月 19冊目 今年 48冊目
【書抜き】
*「螺旋的発展」の法則
物事が発展するとき、それは
直線的に発展するのではない。
螺旋的に発展する。
*世の中のすべての物事の進歩や発展は、右肩上がりに一直線に進歩・発展して行くのではない。あたかも螺旋階段を登るようにして進歩・発展していく。
*すなわち、「進歩・発展と、「復活・復古」が、同時に起こる。
*「進化」の本質は「多様化」なのです。
*「書を捨てて街に出よ」
*「螺旋的発展の法則」とは、社会や市場の進歩と発展のプロセスにおいて、「未来進化」と「原点回帰」が同時に起きるという法則です。そのため、そのプロセスを見つめていると「懐かしいもの」が「復活」してくるという法則です。
*「量」が増大し、一定の水準を越えると、「質」の変化が起こる。
*「物事の螺旋的発展」の法則
「否定の否定による発展」の法則
「量から質への転化による発展」の法則
「対立物の相互浸透による発展」の法則
「矛盾の止揚による発展」の法則
*「止揚」とは、互いに矛盾し、対立するかに見える二つのものに対して、いずれか一方を否定するのではなく、両者を肯定し、包含し、統合し、超越することによって、より高い次元のものへと昇華していくことです。
*「矛盾」とは、物事の発展の原動力である。
*この世に存在するさまざまな「矛盾」を前に、それを深く心の中に把持し、「割り切る」ことなく、格闘し続けること。まさに「魂の強さ」である。
【コメント】
*まさに田坂広志の文章である。
弁証法が使えるかどうかは別として、この人の文章にはリズムがある。
ついつい引き込まれてしまう世界がある。
*あえて抽象的な結論を持ってきておいて、わかりにくいかもしれないと言って、さらに具体的な説明に入る。ポ~ンと一行で表現する結論は明確でわかりやすく、またその空間が気持ちいい。
*弁証法についても、非常に勉強になった。矛盾を止揚することで、より高い次元のものへと昇華して行く。言葉では表しにくい大事なことを見事に表現している。