| なぜ、我々はマネジメントの道を歩むのか 人間の出会いが生み出す「最高のアート」田坂 広志PHP研究所このアイテムの詳細を見る |
書名 :なぜ、我々はマネジメントの道を歩むのか
著者名 :田坂広志
出版社 :PHP
刊行年 :2007/08/03
日付 :2008/03/18
定価 :1,400円
入手法 :図書館
読書ペース/分:5.14P
評価:◎
今月 21冊目 今年 90冊目
【書抜き】
*一人の人間としての成長の可能性を認め、その成長を支える。
部下を一人の人間として遇するとは、そういう意味である。
*マネージャーという仕事は、部下の人生を預かるという仕事。その意味で大きな「重荷」を背負う仕事です。
だからこそ、一人の人間として「成長」できる。
*マネジメントとは、部下や社員の人生を預かる立場。重荷を背負い、悪戦苦闘する立場。しかしその重荷を背負って悪戦苦闘するからこそ、成長できる。気がつけば、職場の誰よりも、自分が一番成長させていただける。
*マネジメントとは、最も高度な「心のマネジメント」が求められる道。
マネジメントとは、きわめて深い「心の修練」が求められる道。
それゆえ、マネジメントは、一人の人間として、最も大きく「成長」できる道。
*人間、自分に本当の自信がなければ、謙虚になれない。
そして、人間、本当の強さを身につけていないと、感謝ができない。
*心を強くしたいのであれば、どうすればいいか。
「すべてのことに心をこめる。」
その修練を、毎日、続ければよい。
*我々の人生における「苦労」や「困難」とは何か。
それは、出来ることならば避けて通りたい「不幸な出来事」ではない。
それは、我々の可能性を引き出してくれる「素晴らしい出来事」に他ならない。
*苦労や困難というものの「大切な意味」
①苦労や困難があるからこそ、成長できる
②苦労や困難があるからこそ、喜びがある
③苦労や困難があるからこそ、結びつける
*仕事は、苦労や困難があるから、「働き甲斐」を感じることができる。
人生は、苦労や困難があるから、「生き甲斐」を感じることができる。
*人生において、「成功」は約束されていない。
しかし、人生において、「成長」は約束されている。
*経営者やマネージャーは、深い「人間観」を持たなければならない。
そして、人間との出会いに深い意味を見出す「邂逅」の思想を持たなければならない。
さらに、苦労や困難というものの「大切な意味」を掴まなければならない。
そして、その根底に、深い「生死観」を持たねばならない。
*部下の成長を支えたいと思うならば、まず、マネージャーが成長すること。
成長すること。
成長し続けること。
成長したいと願い続けること。
そのことが、最も大切なことでしょう。
【コメント】
*坂田広志氏のマネジメントについての考察。
いつものことながら、彼の文章自体がアートになっている。
理論的な展開、美しい言い回し、そして何よりも熱く深い結論が素敵だ。
*今回はマネジメントがテーマとなっている。
たくさんの重荷を背負うにもかかわらず、我々はなぜマネジメントの道を歩くのか?の問いに、一人の人間として「成長」できるという答えを返している。
*『人生において、「成功」は約束されていない。
しかし、人生において、「成長」は約束されている。』
この言葉も深いものがある。
マネージャーはつねに成長し続けなければならない、そして成長したいと願い続けなければならない。このことを胸に抱きながら頑張っていこう。