書名 :理屈はいつも死んでいる
著者名 :高原慶一朗
出版社 :サンマーク出版
刊行年 :2006/10/10
日付 :2006/11/22
定価 :1,500円
入手法 :図書館
読書ペース/分:2.46P
評価:◎
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【書抜き】
*毎日の仕事に悩み、迷うことがあったら、いつも現場に帰ればいい。最良の答えは必ず現場に隠れており、そこから汲む水はけっして涸れることはありません。
700冊におよぶわたしの「現場ノート」は、いつもそれを無言で教えてくれるのです。
*わたしは間違いなく凡人です。
迷ったら現場に帰る。やってきたのはそれだけです。
*よい答えを得ようとして、机の前で頭をひねってませんか。
情報ばかりに頼って、身動きが取れなくなってはいませんか。
*私が一日も欠かすことなくこつこつと続けている習慣のひとつが、「生きた現場をノートに書き留める」こと。
*平凡を積み重ねることによっても、非凡な地点に到達できる。それが、私自身が仕事や人生の現場から体ごともぎとった、ひとつの大きな収穫です。
*物事の始めから効率を考えることは、人を楽に流しやすく、仕事を深みのないものにする恐れが大きいものです。マニュアルからは最大公約数しか生まれません。
*働くことは自分の中に深い井戸を掘ることです。仕事が人間を深めるのです。仕事が人を磨き、人をつくる。
*量が多ければいいというものではありませんが、やはり、どんなことでも一定の量をこなすと質に転換するものです。
*知識、知恵を書き留める。それを習慣にする。継続する。この繰り返しは、情報の感度を高めてくれるだけでなく、人間の幅を広げてくれます。人間と言う未完成品を完成品に近づけるために、大きな力を発揮するのです。
*素直さはどんなときでも、健全に生きる、まっすぐ伸びるための、最良の「ものさし」であり、ハンドルなのです。
*成功の要因は実に「平凡」なもののなかにあります。小さな作業の積み重ね。プラン、ドゥ、チェック、ネクストアクションの飽きることのない繰り返しと継続。あきらめず、失敗にめげないねばり強さ。まわりの人の協力。それから少しの運・・・。
*高い目標と地道な努力、それが仕事で成功するための両輪ではないでしょうか。
*小さな仕事こそていねいに、そして仕事に心ごと自分を投げ入れることのできる人だけが、充実感とともに、いい成果を上げられる。
*あんたもいずれ、部下を持つようになるだろうが、間違っても自分のことを心配するような人間になってはいけない。あんたのことは上司が心配してくれる。だから、あんたは安心して、自分よりも部下のことに心をつかう人間になりなさい。それが人の上に立つものの役目で、部下は自分の好きに使っていいなんてことを考える上司は下の下だ。
*もうこんなもんでええか、と安心した時に、成長は止まるんや。
【コメント】
*ユニチャームの創業者である高原慶一朗氏がいつも心にとどめ大切にしてきた仕事の流儀を書き下ろしている。
*理屈をこねるのではなく、答えは現場にあるという彼の信念を中心に仕事をしていく上で、また人生においても重要なエッセンスがたくさん詰まっている良書である。読んだあとにはすごくやる気が湧いてくる。