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動画・音声・インタラクティブ性などで織り成す新スタイルのマンガ制作日記

とめはねっ!

2012-01-24 18:56:15 | Weblog

このブログでも、以前はマンガや小説などの感想もときどき織り交ぜてたんですが、最近はとんと書かなくなりましたねぇ。

読んでるんですけどね、マンガも小説も。でも感想を書こうとすると、私の場合はまずその作品の画像を作らなければなりません。絵日記なので。

そのための時間がなかったり、億劫だったりでつい見送ってしまってました。

でも今回はあまり時間をかけずに画像がさくっと描けたので、ひさびさのマンガ感想ブログです。

【とめはねっ!鈴里高校書道部 (河合克敏)】。

書道に打ち込む学園青春ストーリーです。1巻~9巻既刊で、ビッグコミックスピリッツで連載中。

ひょんなことで読み始めたんですけど、おもしろかったです。なにしろ書道という硬い題材なので、正直読み始める前の先入観としては、途中でギブアップするかもと思ってました。

ところがぎっちょんちょん←((゜Д゜ll))なにこれ、地味な書の世界を物ともせず、魅力的なキャラと巧みな展開で、鎌倉を舞台にしたさわやかな青春の香り漂うストーリーに仕上がっています。

主人公の大江縁(おおえゆかり)は、気の弱い高校生。主人公が気が弱いというのはよくあるパターンですが、私はちょっと苦手なんですよね。でも読み進めていくうちに、縁のやさしく素直で思慮深い魅力がだんだんと見えてきて、感情移入できるようになりました。

書道の専門雑誌にちょこっと載っている書家列伝のようなマンガならいざ知らず(実際にそういうものがあるのか知りませんが)、よくもまあ書道マンガという題材を選んだもんだなぁと。だって必殺技も使えないし...

でも読み進めていくと、ちゃんと楽しげなシチュエーションや要素がマンガの中に盛り込まれています。たとえば縁が入部した書道部は、縁意外の部員はすべて女の子で紅一点ならぬ白一点の楽しげな状況(縁は別にその状況が嬉しいというわけではなさそうですが)。

そういえば同じくマンガの題材としては盛り上げにくい囲碁を取り上げた【ヒカルの碁】という作品がありました。囲碁ブームを巻き起こすほどヒットしましたが、これもおもしろかった。

ヒカ碁は平安時代の天才棋士・藤原佐為がヒカルに宿り、そのためヒカルは名人をも驚かすほどの力を手に入れる、というファンタジーの部分がおもしろさの重要な要素でした。

一方、とめはねっ!は、そういったファンタジー的な要素はまるでない普通の学園青春マンガです。

特筆すべきは、読んでいるうちに実際に書道の知識や上達のコツが身に付くこと。書の講義のシーンでは、かなり本格的に解説がなされます。「これは学習マンガか?」と思うようにページを割いて、たとえば"かなのいろは"などの基本が描かれています。

このような硬い内容のシーンでも、柔らかくおもしろく読ませるところがすごいですね。

主人公の縁とヒロインの望月結希は、いいコンビです。縁は結希のことが好きなんですが、結希は縁をライバル視していてことあるごとに縁をジロッとこわい目で睨みます。

しかも結希を好きなのは縁だけではなく、書の甲子園で文部科学大臣賞を受賞した実力者でイケメンの一条毅という強力なライバルがいます。

でも縁が一条に勝利するのは目に見えているのであった。

なぜなら結希の愛犬ピースが縁の味方だから。

このピースがとても魅力的に描かれています。とくに海岸で結希と一条が仲良く並んで砂浜に腰掛けようとすると、その間にピースがズズイと割って入るんですけどね。いい味出してますねぇ。

さあっ、結希のライバル心が実は愛情の裏返しだったと気づくのはいつであろうか!?








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