「新しいiPadを使ってしまうと、非RetinaのiPadには戻れない」というようなことを何かで読みました。
たしかに新iPadのRetina画面は、いくら目を凝らして見てもピクセル感は感じられず、新聞のようにはっきりくっきりしてて気持ち良いです。そしてその後にiPad2の画面を見ると、たしかにかすかなジャギーが感じられてしまいます。
いままでぜんぜん気にならなかったんですけどね。っていうより『iPadの画面てきれいで見やすいよね。』なんて言ってたのに。
写真などの画像は、ピンチアウトで拡大する回数が増えるんでしょうね。まず画面全体を見た後、細部までじっくりきれいな画像を楽しむという見方になっていくんだと思います。
Webコンテンツの世界では、JPEG圧縮で多少画像が荒れていても誰も文句は言いませんでした。でもこれからはそうも言ってられないかも。画質の悪さを許してもらえない時代が来つつあるような気がします。
回線速度はどんどん速くなるし、パソコンやスマホのスペックの向上もとどまるところを知らない。そしてディスプレイのRetina化ということになれば、コンテンツだけ低解像度でOKというわけにはいきません。
というような状況を確認したところで、自分のiPad版電子コミック制作について改めて考えてみました。
『マンガはそんなに高解像度でなくてもいいんじゃない!?』みたいなことを前回のブログで書きました。
でもだんだん考えが変化してきました。Retina時代の考え方に頭がシフトしてきたのかもしれません。
たとえば鳥瞰図のような場面で、登場人物達が地上に小さく見えるシーン。
当然、読者はピンチアウトで豆粒のように見える登場人物達を拡大して見ようとする。そのときキャラ達が適当に描かれていて、表情なども死んでいたらどうでしょう?がっかりしますよね。
反対に細部まできっちり描かれていたら、読者は二度楽しめるというか、電子コミックならではの新たな楽しみ方や可能性が広がります。
初代iPadに初めて触れたときには、新たな電子コミック制作の夢が膨らんだものでした。でもその後、実際に制作を開始して現実の厳しさをいろいろと味わってきたので、ここでもあまり夢を膨らませるのは控えますが。
Retinaディスプレイに対応するには、まず最新のXcode and iOS SDKで開発環境を再構築します。
そして2048×1536ピクセルのサイズで1ページずつ作っていくことになります。
それに非Retinaのファイルも用意しておかないといけないので、ファイルサイズが膨大になりますよね。
というわけで現時点では、ショートショート・ストーリーの積み重ねが現実的だと考えています。
数ページごとに落ちを入れるような。ギャグマンガならいいんですけどね...
iPadの本体(デバイス)やOS、開発ツールなどのアップグレードサイクルが早すぎて、ぜんぜん追いついていけません。
フットワークの軽いコンテンツに変えなければ。