Webcomic.tv

動画・音声・インタラクティブ性などで織り成す新スタイルのマンガ制作日記

続・新iPadを購入!

2012-03-31 19:21:47 | iPad版制作日記

「新しいiPadを使ってしまうと、非RetinaのiPadには戻れない」というようなことを何かで読みました。

たしかに新iPadのRetina画面は、いくら目を凝らして見てもピクセル感は感じられず、新聞のようにはっきりくっきりしてて気持ち良いです。そしてその後にiPad2の画面を見ると、たしかにかすかなジャギーが感じられてしまいます。

いままでぜんぜん気にならなかったんですけどね。っていうより『iPadの画面てきれいで見やすいよね。』なんて言ってたのに。

写真などの画像は、ピンチアウトで拡大する回数が増えるんでしょうね。まず画面全体を見た後、細部までじっくりきれいな画像を楽しむという見方になっていくんだと思います。

Webコンテンツの世界では、JPEG圧縮で多少画像が荒れていても誰も文句は言いませんでした。でもこれからはそうも言ってられないかも。画質の悪さを許してもらえない時代が来つつあるような気がします。

回線速度はどんどん速くなるし、パソコンやスマホのスペックの向上もとどまるところを知らない。そしてディスプレイのRetina化ということになれば、コンテンツだけ低解像度でOKというわけにはいきません。

というような状況を確認したところで、自分のiPad版電子コミック制作について改めて考えてみました。

『マンガはそんなに高解像度でなくてもいいんじゃない!?』みたいなことを前回のブログで書きました。

でもだんだん考えが変化してきました。Retina時代の考え方に頭がシフトしてきたのかもしれません。

たとえば鳥瞰図のような場面で、登場人物達が地上に小さく見えるシーン。

当然、読者はピンチアウトで豆粒のように見える登場人物達を拡大して見ようとする。そのときキャラ達が適当に描かれていて、表情なども死んでいたらどうでしょう?がっかりしますよね。

反対に細部まできっちり描かれていたら、読者は二度楽しめるというか、電子コミックならではの新たな楽しみ方や可能性が広がります。

初代iPadに初めて触れたときには、新たな電子コミック制作の夢が膨らんだものでした。でもその後、実際に制作を開始して現実の厳しさをいろいろと味わってきたので、ここでもあまり夢を膨らませるのは控えますが。

Retinaディスプレイに対応するには、まず最新のXcode and iOS SDKで開発環境を再構築します。

そして2048×1536ピクセルのサイズで1ページずつ作っていくことになります。

それに非Retinaのファイルも用意しておかないといけないので、ファイルサイズが膨大になりますよね。

というわけで現時点では、ショートショート・ストーリーの積み重ねが現実的だと考えています。

数ページごとに落ちを入れるような。ギャグマンガならいいんですけどね...

iPadの本体(デバイス)やOS、開発ツールなどのアップグレードサイクルが早すぎて、ぜんぜん追いついていけません。

フットワークの軽いコンテンツに変えなければ。






新iPadを購入!

2012-03-23 19:25:38 | iPad版制作日記

新しいiPadを購入。

出費は痛いですが、現在自分にとって最も興味があり、また力を入れてる電子コミックという分野で欠かせないデバイスなので頑張ってゲットしました。

外見はiPad2とほとんど変わらないし(0.6mm厚く、51g重くなった)、あっと驚くような新機能が付いたわけではないので、特に新鮮味は感じません。

とはいえiPad版電子コミックを制作中なので、コンテンツの見方・見せ方に影響するような新機能が盛り込まれていないほうが、正直ありがたいんですけどね。

問題は、超高解像度のRetinaディスプレイ。

初代のiPadとiPad2は1024×768ピクセルの画素数でしたが、今度の新しいiPadは2048×1536ピクセルです。つまり4倍の面積が同じ大きさのタブレットに圧縮して詰め込まれていることになります。

写真集とか細部まではっきりくっきり見たいコンテンツの場合は嬉しいんですけど、自分が制作中の電子コミックのようなコンテンツではそこまでの高解像度は必要だろうか!?...というか、各ページ2048×1536ピクセルで作ることになると...レンダリングが...う~む、大変そうだ。

それにそれだけ高密度の画像をアニメさせるのに、新iPadにはA5XプロセッサーというパワフルなCPUが搭載されているとのことだが、パフォーマンスは本当に大丈夫なんだろうか!?

たとえばこの間作った、ポジ画像とネガ画像を全画面ですばやくアニメさせチカチカさせるのは!? 不安だなぁ...

だからといってこのまま1024×768ピクセルの解像度で制作を続けた場合、つまりRetina非対応ということになりますが、アップルの審査は問題ないのだろうか!?

さらにそんな高解像度で電子コミックみたいなコンテンツ作ったらファイルサイズがバカでかくなっちゃうけど、ユーザーがダウンロードする気なくなるのでは?

...などといろいろ考えてしまいました。

DTPの世界では、高精細な印刷物にするために写真などは高解像度でスキャンしたデータを用意します。一方、Webコンテンツの場合は、ネットの回線速度の問題から画質には目をつぶってもすばやい描画を優先させました。

そしてタブレットを電子書籍の閲覧用デバイスという側面から見た場合、印刷物のような高解像度のデータが要求されるという流れはもしかして必然かもしれません。

でも紙の印刷物は、文字と静止画像で表現されていますが、電子コミック/電子書籍は文字と静止画の他に、動画・サウンド・プログラミングによる双方向の仕掛けなどデジタルならではのマルチメディアでの表現が可能です。

なので単に高解像度のヘビーなファイルを『おっ、きれいだねぇ!』とほいほい受け入れれば良いというわけにはいきません。

とはいえRetinaディスプレイの方向性は決まったわけなので、クリエイターとしてはシャープで美しいこの画面を活かしたコンテンツをどのように作っていくか...

ところで、いままで作ったページをRetina対応に作り直す余力が自分に残っているのか?

そういえば作り直すにしても、ただ単に今の環境で高解像度版にすればいいわけではないようです。

先日Appleがリリースしたアプリ開発者用ツールでないと、Retina対応にはならないそうです。

開発環境も再構築か(´゜ω゜`)。






iPad版:慣れないなぁ、XcodeでObjective-C

2012-03-13 19:05:28 | iPad版制作日記

和風展で和の雰囲気にひたった後は、またiPad版電子コミック【Wings ウイングス】の制作再開です。

和風展に投稿した作品は一枚絵で、マンガとはジャンルが違います。でも作品を完成させるということは、精神衛生的にいいですね。

Webcomic【時空マジシャン】はChapter.2で止まってるし、【Wings ウイングス】も牛歩の速度で完成はいつのことやらという状況。

なので和風展の投稿作品をきっかけに、これからさくさくとリズム良く制作が捗るといいんですが。

それから精神衛生上良くないといえば、いままで制作してきた各ページで中途半端なまま後回しにしてきた箇所が、積もり積もってじわじわと心の負担になってきているんですよね。

それを解消せねばということで、上の画像です。

主人公のレナが、「ここは...ケームショ!?Σw(゜д゜w)」とショックを受けているシーン。

ここは当初は、ムンクの「叫び」のように画面を歪ませる効果を施すつもりでした。

で、そのまま保留になっていたんですけど、もっとダイレクトにガーン!とショックを受けた感じにしたほうが良いと思い、上の画像のように画面を反転させてチカチカとさせることにしました。ポジとネガを交互に数回すばやく表示するわけです。

iPadはレスポンスが良いので、自分が意図した感じにはなりました。

でも何か効果の実験室みたいな感じで、音声などを付加した後、全体を読みながら客観的に見てみないとまだ判りません。

それにしても、XcodeでObjective-C...なかなか慣れませんねぇ。

Flashのようなアニメーション制作ツールではもちろんありませんが、1ページ1ページ制作を重ねていくうちに、馴染んでくると思っていました。

ところが一向に馴染む気配がありません。

Flashも特にマンガ用というわけではないので、自分が作りたいWebcomicのために使い方をあれこれ工夫したわけです。でも使えば使うほど手に馴染む道具のように使い勝手が良くなっていったものでした。

一方、XcodeでObjective-Cの場合は、たとえばキャラに瞬きさせるにしてもコーディングしているので、マンガを作っている気がしないんですよね。

まぁ本来は、マンガ用ツールをObjective-Cで作ってから、そのツールでマンガを描くというのが正しい順序なんでしょうけど。

マンガが完成するのが先か、Objective-Cに慣れるのが先か。

それともその時は永遠に訪れないのか...!?





続・和風展

2012-03-06 19:35:20 | Weblog

2/29のブログ【和風展】の続きです。前回描いたラフスケッチをCG画像におこして完成させました。

上の画像は左右をトリミングしてブログ用のサイズにしてあるので、和風展に投稿した作品は横にもうちょっとワイドになっています。

作品のタイトルは、【安くて長きはさんまなり】。

このタイトルの意味は、和風展の作者のコメントにも書いたんですが、秋刀魚が庶民の食べ物となるきっかけとなったキャッチコピーをそのままタイトルにしたものです。

今でこそ焼き魚の代表選手みたいな秋刀魚ですけど、その昔江戸中期ころまでは行灯(あんどん)などの灯油のための脂用として用いられた魚であり、食べる人は少なかったようです。

ところが魚屋が「安くて長きはさんまなり」と書いて貼り出したところ、大いに流行り庶民が好んで食べるようになったとのこと。

さてその秋刀魚、美味しそうに焼けたでしょうか?美味しそうに描けたでしょうか?

CGは食べ物を美味しそうに描くのが苦手とこの間書きました。金属とかケミカルな表現はCGの大得意な分野ですが、食べ物はどうも美味しそうに見えません。

以前、ラーメンやおにぎり等のCG作品を観たことがあります。いずれも力作でしたけど、食欲は湧きませんでした。

で今回の焼き魚、自分としてはまあまあです。でも秋刀魚からじゅーじゅーと脂が滴ってる感じがしませんね。七輪の炭火だけはやたらと燃え盛ってて、秋刀魚がなぜかちょっと冷えた感じ。

でもOKです。ぎりぎり合格。

秋刀魚の脂に燃え移っている火と煙はポストワークです。レンダリング後にフォトショップで描きました。

昨年から、自分の中では和風がマイブームなんです。

今回和風展に参加して、自分の和風ブームが一段と加熱し、楽しく描くことが出来ました。

和風展には、いろいろな魅力的な作品が投稿されているので、皆さんも和の世界を楽しんでみてください。


和風展会場はこちら