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動画・音声・インタラクティブ性などで織り成す新スタイルのマンガ制作日記

iBooks Authorを試す

2012-04-26 18:56:44 | iPad版制作日記

前回の続きです。私の中で期待がどんどん膨らんでいるiBooks Authorを試してみました。

速攻でApp Storeに行き、無料でダウンロード。

いいですねぇ、無料。お試し版とかじゃなく正式版なのに無料。でもAppleは超儲かってるしね。

さっそくiBooks Authorを起動。

シンプルなユーザーインターフェースが、個人レベルでの電子出版時代を予感させてくれます。でもその代わり玉石混交のコンテンツの中から必要なものを選択する眼が求められる時代になるんでしょうね。

あっ、その前にテンプレートを選ぶんでした。起動すると、まずテンプレートを選ぶ画面が表示されました。

6種類のテンプレートの中から、自分の作りたいコンテンツに合ったデザインを選ぶわけですね。

どのテンプレートが電子コミックに適しているのか分からないので、とりあえず「基本」というのを選択しました。

以前iBooks Authorの紹介記事で、「驚くほど簡単に電子ブック作成可能!」というように書かれていたので、ひとまず自由にいじってみて自分のイメージするレイアウトや表示ができるかトライ。

電子コミックには不必要と思えるテキストなどのオブジェクトを削除したり、プレースホルダ(テンプレートにあらかじめ配置されている写真)の画像を、iPadアプリとして制作中の電子コミック【Wings ウイングス】の画像に差し替えてみたりしてみました。

一見簡単そうなんですが、けっこう適切な位置にベストサイズで表示しようとすると、なかなか思ったとおりにはいかなくて無理やり配置したのが上の画像です。

力技で配置してしまったけどこれで問題ないのだろうか?という疑問が残るので、やっぱりある程度仕組みを勉強しないとダメですね。

それでも何とかiPad横向き表示は大丈夫そう。フリックすると次ページに横スライドしてくれるし、前ページにも戻れるのでとりあえず良しとして、問題はiPad縦向き表示。

縦にすると画像がサムネイル表示になったり、消えてしまったりします。このあたりは、ちょっと調べて調節すれば問題ないと思いますが、縦方向にページがスクロールするのは固定の仕様?

縦方向にスクロールさせながら読み進めていくのは、マンガ向きではありませんよね。

『でもこの前ダウンロードしたビートルズのイエローサブマリンは、縦向きにしても横にページをめくれたよな...』というわけで、イエローサブマリンのようなスタイルのテンプレートがあるのか、それとも自分でカスタマイズするのか、という辺りを現在調べているところです。

さて、そんなわけで一見簡単そうなiBooks Authorをいじってみた感想ですが、『よしっ、これだ!期待どおり!』というわけには残念ながらいきませんでした。

たぶん、用意されたテンプレートに文字を流し込んで、画像を差し替えるだけでピッタリのコンテンツであれば、『素晴らしい!これだよ、これ!』ということになったと思います。

電子コミックの場合も、白紙に近いテンプレートにページをポンッポンッポンッと置いていけばたぶんOKと思っていましたが、なかなかそうはいきませんでした。特に縦方向のスクロールがちょっと...ね。

とはいえ、期待はまだ持続中。

それからJavaScriptで書いたウィジェット(小さなアプリケーション)の取り込みをまだ試してません。

引き続き、そのあたりをいじってみます。






電子コミックの現状と自分の方向性

2012-04-18 18:39:36 | iPad版制作日記

Xcode4.3.2 for Lionを起動したら、ユーザーインターフェースがすっかり様変わりしていて戸惑ってしまいました。なにしろ今まで使っていた旧バージョンは、3.2.3なので(^_^;)。

これまでに書いたiPad版電子コミック【Wings ウイングス】のコードもけっこう読み替えないとだめだろうなぁ...かなり変わってるだろうから。

このままRetina対応版の制作に取り掛かるつもりでしたが、丁度良い機会なので、現在の電子コミック/電子書籍をめぐる状況と、自分の今後の方向性について少し整理してみることにしました。

まずはこれまでの歩みを少々。

デジタル時代・インターネット時代になって、マンガも新しいスタイルに変化していくだろうと決め付けていた私は、Webcomicと称して自分なりのマンガ表現を試行錯誤していました。そのときはWebブラウザで表示するという前提で、制作ツールはFlashを使用。

その後iPadに出合って、『こ、これはマンガに最適だ!』『新しいマンガのために創られたデバイスに違いない!』と一目ぼれした私は、iPad版電子コミックの制作を決意。

さっそく本などでiPad版電子コミックを作る方法を調べました。その結果が以下にまとめた3つのやり方です。(他にも方法はあるかもしれませんが)

 1. iPadアプリとしてオリジナル・コミックアプリを作り込む。

 2. ePub形式という電子出版のためのオープンフォーマットに従ってコミックコンテンツを作る。

 3. 各社が開発したiPad用専用リーダーアプリのためのコミックコンテンツを作る。

私は、迷うことなく1番目の「iPadアプリとしてオリジナル・コミックアプリを作り込む」という方法を選びました。

理由は、それまでWebcomicとしてFlashで作っていたマルチメディアコミック/インタラクティブコミックは、iPadアプリとしてしか実現不可だったからです。

その後の悪戦苦闘は、本ブログのカテゴリー【iPad版制作日記】に書いてきた通りです。

さて、電子コミック/電子書籍をめぐる状況はというと、昨年の10月(2011/10/11)にePub3.0が勧告され、今年のはじめ(2012/01/20)にAppleがiBooks Authorという電子書籍作成ツールを発表しました。

私は、ここのところずっとiPadアプリに集中していたので、ePubとかその周辺の動きに関しては横目でチラチラと見る程度でした。それでもじわじわと環境が整ってきているとは感じてました。

特にiBooks Authorは、『う~む、いじってみたい...』とかなりそそられるツールです。

とはいえ、静止画ベースのマンガならすぐにでも試してみたいところですが、私のようなマルチメディアコミックの場合は、結局やりたことができないでしょう。

と思っていたところ、ePub3.0ではJavaScriptが使用可能になったとのこと。

『えっ!?...じゃあ、マルチメディアコミックもできるかも...』と私の中で期待が膨らんだところです。

このiBooks Authorが噂どおりの優れもので、ある程度簡単に電子コミックが作れるものであり、またJavaScriptで凝ったこともできるということであれば、なんか明るい道が開けそうな気がします。

まだ自分が試してないのにこんなこと書いているのは、『だったらいいな』という期待値を込めちゃってます。

ただ実際に試してみたら『まだまだだな。現状では使えないや。』ということはよくある話で。

でもその方向性でもう少し探ってみようかと思ってます。







新iPadのコンテンツ制作環境

2012-04-08 19:26:35 | iPad版制作日記

新iPadのRetinaディスプレイに対応した電子コミックを制作するための、環境構築をしています。

iPadのRetinaディスプレイ対応版を作るには、Xcodeのver4.3.1/iOS SDK5.1以降が必要みたいなので、iOS Dev Centerでダウンロードしようと思ったところ、Snow Leopard版はver4.2までしか見つかりませんでした。

そうなんです。私のiMacはまだSnow Leopardなんですよね。

というわけでまずiMacのOSをLionにするところから始めなくては。

App StoreでOS X Lionを購入、インストール。

インストール時間はそれなりにかかりますが、本などを読んでいるうちにサックリと完了。

さて次は、Xcode4.3.2 for Lionを同じくApp Storeからインストール。

こちらも特に問題なくインストール完了。

最新のXcode4.3.2をインストールしても、旧バージョンのXcodeは残しておいてくれるとの情報は得ていましたが、確認するまでは安心できません。

まずは、アプリケーションフォルダのXcodeを起動 → 最新のver4.3.2が起動しました。よしっ!

次に、Developer/Applicationsフォルダの旧Xcodeを起動したところ、「Xcodeを開くには、Javaランタイムが必要です。今すぐJavaランタイムをインストールしますか?」というメッセージが表示された。

インストールボタンをクリックし、インストール完了を確認後、再び旧Xcodeを起動 → ちゃんと旧バージョンのXcodeが起ち上がりました。

これで、とりあえずいままでのソースコードをコピーしながら制作する環境ができたのでほっと一息。

それにしても、Retinaディスプレイと非Retinaの両方に対応したiPadコンテンツを作ると、画像の面積比で以前の5倍のファイルサイズか...なんだかなぁ。