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動画・音声・インタラクティブ性などで織り成す新スタイルのマンガ制作日記

iPad版:リトル・レナとミリー

2012-01-30 19:24:17 | iPad版制作日記

さっき気分転換に、♪コンスコカンカン~コンスコカンカン~♪とボンゴを一叩きしたところです。

去年の暮れにボンゴを手に入れたと12月5日のブログ「気分転換にボンゴ」に書きましたけど、その後も順調に飽きずに叩いてます。

やっぱり素人でもそれなりにコンコンカーンと軽い切れのある音がするところがいいですね。

残念ながら最近あまり叩かなくなったカホンは、素朴な音に魅力を感じていたので、森の中のシーンなどで木を叩くような乾いたリズムがほしいときに、またその魅力を発揮してもらおうと思ってます。

さて気分転換もすんだところで、iPad版電子コミック【Wings ウイングス】の進捗状況です。

レナの子供時代の回想シーンを描こうかというところでちょっと止まっていました。1月16日の「幼いレナ」でリトル・レナのラフスケッチをお見せして、さあそれを3DCG化しようと取り掛かったまでは良かったんですが、ぜんぜんレナっぽい画像ができなくて立ち往生。

それでもなんとか頑張って上の画像までたどり着くことができたところです。

私のイメージする子供の頃のレナ、つまりリトル・レナはこんな感じ。向こうにいるのがリトル・ミリーです。

ミリーの髪型はミュージカルのアニーのようにしたかったんですけどね、パーマかけて頭洗ったばかりのおばちゃんみたい。

そのミリーにいたずらしてダッシュで逃げるレナです。レナは小さい頃はこんな感じの女の子でした。いるでしょ?下着だが何だかわかんないような格好で走り回っている元気な女の子。

近所の男の子に混じってサッカーもします。運動神経抜群で男の子より上手いんです、澤穂希のように。ミリーは一緒にサッカーしないで、それを見ている感じ。

やがてリトル・レナは近所のウイングス競技(背中にFethered Wingsという翼を着けて飛翔技術を競うスポーツ)のクラブに入ります。もちろんミリーも一緒。

あんなに元気にはしゃいだりいたずらばかりしていたレナでしたが、ウイングス競技に熱中しだすと、一変して練習の虫のように来る日も来る日も飛行訓練に打ち込みます。そしていつしか天才ウイング少女として、空の申し子とか風の申し子といわれるようになるレナ。

でもそんなレナもやがて墜落する日が来るのでした...

上記の設定は背景のストーリーで、本編には描かれません。刑務所らしき独房に閉じ込められたレナが、子供のころのちょっとしたエピソードを想い出すときの背景です。

さあっ、これで回想シーンを描く準備は整いました。

後は描くだけ。





とめはねっ!

2012-01-24 18:56:15 | Weblog

このブログでも、以前はマンガや小説などの感想もときどき織り交ぜてたんですが、最近はとんと書かなくなりましたねぇ。

読んでるんですけどね、マンガも小説も。でも感想を書こうとすると、私の場合はまずその作品の画像を作らなければなりません。絵日記なので。

そのための時間がなかったり、億劫だったりでつい見送ってしまってました。

でも今回はあまり時間をかけずに画像がさくっと描けたので、ひさびさのマンガ感想ブログです。

【とめはねっ!鈴里高校書道部 (河合克敏)】。

書道に打ち込む学園青春ストーリーです。1巻~9巻既刊で、ビッグコミックスピリッツで連載中。

ひょんなことで読み始めたんですけど、おもしろかったです。なにしろ書道という硬い題材なので、正直読み始める前の先入観としては、途中でギブアップするかもと思ってました。

ところがぎっちょんちょん←((゜Д゜ll))なにこれ、地味な書の世界を物ともせず、魅力的なキャラと巧みな展開で、鎌倉を舞台にしたさわやかな青春の香り漂うストーリーに仕上がっています。

主人公の大江縁(おおえゆかり)は、気の弱い高校生。主人公が気が弱いというのはよくあるパターンですが、私はちょっと苦手なんですよね。でも読み進めていくうちに、縁のやさしく素直で思慮深い魅力がだんだんと見えてきて、感情移入できるようになりました。

書道の専門雑誌にちょこっと載っている書家列伝のようなマンガならいざ知らず(実際にそういうものがあるのか知りませんが)、よくもまあ書道マンガという題材を選んだもんだなぁと。だって必殺技も使えないし...

でも読み進めていくと、ちゃんと楽しげなシチュエーションや要素がマンガの中に盛り込まれています。たとえば縁が入部した書道部は、縁意外の部員はすべて女の子で紅一点ならぬ白一点の楽しげな状況(縁は別にその状況が嬉しいというわけではなさそうですが)。

そういえば同じくマンガの題材としては盛り上げにくい囲碁を取り上げた【ヒカルの碁】という作品がありました。囲碁ブームを巻き起こすほどヒットしましたが、これもおもしろかった。

ヒカ碁は平安時代の天才棋士・藤原佐為がヒカルに宿り、そのためヒカルは名人をも驚かすほどの力を手に入れる、というファンタジーの部分がおもしろさの重要な要素でした。

一方、とめはねっ!は、そういったファンタジー的な要素はまるでない普通の学園青春マンガです。

特筆すべきは、読んでいるうちに実際に書道の知識や上達のコツが身に付くこと。書の講義のシーンでは、かなり本格的に解説がなされます。「これは学習マンガか?」と思うようにページを割いて、たとえば"かなのいろは"などの基本が描かれています。

このような硬い内容のシーンでも、柔らかくおもしろく読ませるところがすごいですね。

主人公の縁とヒロインの望月結希は、いいコンビです。縁は結希のことが好きなんですが、結希は縁をライバル視していてことあるごとに縁をジロッとこわい目で睨みます。

しかも結希を好きなのは縁だけではなく、書の甲子園で文部科学大臣賞を受賞した実力者でイケメンの一条毅という強力なライバルがいます。

でも縁が一条に勝利するのは目に見えているのであった。

なぜなら結希の愛犬ピースが縁の味方だから。

このピースがとても魅力的に描かれています。とくに海岸で結希と一条が仲良く並んで砂浜に腰掛けようとすると、その間にピースがズズイと割って入るんですけどね。いい味出してますねぇ。

さあっ、結希のライバル心が実は愛情の裏返しだったと気づくのはいつであろうか!?







iPad版:幼いレナ

2012-01-16 19:17:20 | iPad版制作日記

iPad版電子コミック【Wings ウイングス】を制作してます。

回想シーンで、主人公レナの子供の頃のちょっとしたエピソードを描かなければなりません。

上の鉛筆画が、レナの子供のころのイメージです。父親から競技用の翼"Feathered Wings"を買ってもらい、はしゃぐレナ。

レナは父親と非常に気が合う子供で、お父さんっ子という設定。マンガの中で母親もちょっと出てきますが、影が薄いです。でもレナと仲が悪いわけではないですけどね。

父の職業はサラリーマン。営業のようなことをやっているようです。ごく当たり前の男で、どっちかというと古臭いタイプ。でも性格が良くてルックスもけっこういけてるので、社内の女子社員にもてるようである。

「何で独房に閉じ込められたり、父親や母親の話が出てくんの?ウイングスという競技の話じゃないの?」と思われるかもしれませんが、翼を着けて競い合う近未来のスポーツの部分はあるけど、それはあくまでも舞台であり描きたいことは別のことなんです。

さて、レナの幼少時代の姿を上の画のように描きましたが、これを3DCGで表現するのが一苦労なんですよ。

幼いレナ、つまりリトルレナが登場するシーンは2ページ分くらいなので、あまり時間をかけてもいられません。とりあえずPoserを起動してちょっといじってみました。

上の画像のレナのような天真爛漫な笑顔を描こうとすると、一からモデリングしないと無理そうです。いや、それでも難しいか...どっちにしろそんな時間はないので、何とか子供らしい可愛さを出すだけでもして乗り切ろうかと。

「何でそこまでして3DCGにこだわるの?」という感じです。

そのあたりは昔のブログで随分書いたんですけど、自分は現在3DCGにはまっていて飽きるまではこのままのスタイルでいくだろう、でも手描きの画の魅力は十分に分かっていてそのうち急に手描きに戻るかもしれない、というようなことを書きました。

改めて考えてみると、頭に浮かんだことがあります。

この【Wings ウイングス】のようなマルチメディアを駆使したマンガがこれから流行っていき、今後認知されていけばうれしいと考えています。

でも実際にこうして制作してみると、正直大変です。めちゃくちゃ時間もかかるし。

それはなぜ?一人で制作しているからです(声優さんを除き)。

現在のところ、いろいろ試行錯誤しながらの制作なので一人でやっていますが、制作手法が固まりさえすれば、ネーム担当(原作者)、キャラクターや背景画像制作者、オーサー又はプログラマー、サウンド担当といったクリエイター達とのコラボレーションが現実的な制作手段になると思います。

そしてインターネット時代ですからね、日本国内にとどまらず世界中のクリエイターとのコラボレーションが可能です。

そうなってくると短期間で作品を仕上げようとすると、画像も分担して制作する必要がでてきます。そうしたときに画像を3DCGで描くことにしてあると、モデリングデータを共有したり再利用したりしながら非常に効率良く分担可能というわけです。

ポストワークの問題が残りますが、それは画像担当のチーフが全体を見ながら一手に引き受ける。大変ですが。でもそれにより作品の統一感と絵柄の個性が出ます。

ときどき随分絵柄の違う売れっ子のマンガ家同士が、共同作業で一つのマンガを描くという企画を見受けますよね。でもあれは、あの人気作家の二人が一緒に描くとどんなものができるのだろう、という興味で引かれるのであって、基本的には劇画タッチの人とギャグ漫画の人が同じ作品の中で協業するとちょっと違和感がありますよね。

というように3DCGで描くわけを考えてみました。

でも上記のような理由は、自分の中では今のところ3割であって、7割はやっぱり3DCGにはまっているから。

まだまだ続く、私の中の3DCG時代。





iPad版:歯の表情

2012-01-08 18:37:47 | iPad版制作日記

さあ、今年もiPad版電子コミック【Wings ウイングズ】の制作を開始しました。

気力と執念だけでは解決しない領域に踏み込んできているような気がするので、何らかの手を打つべき時かもしれません。

今日の画像は、レナが食事を運んで部屋を出て行こうとする給仕ロボットに、「待って!」と呼び止めているシーンです。

なんかレナの顔がまことちゃんみたいになってしまった。中指と小指を曲げて、「待って!」を「グワシ!」にしたらぴったりでしょ?d(^^*)。

この画像を作成しながら、改めて3DCGで描く表情の難しさを実感してしまいました。

3DCGで手描きのマンガに負けない魅力的な表情を描くことは、私にとって長年の大きなテーマです。

線画で表情や特徴を誇張して描くことはマンガの重要な要素であり、マンガのマンガたる所以でもあります。

なぜ3DCGで描くとこの部分が難しいのか...それはたぶん線画は、線意外の部分つまり面の部分を何も描かないで真っ白にすることで、読者の想像にその部分をゆだねてしまい、描き手は線画の誇張に専念できるんですよね。

たとえば、キャラが「へ!?」と言いながら目を点で描くだけで、キャラが呆然とした豊かな(?)表情の線画が描けてしまいます。(最近はあまり見かけませんが)

そのくらい線画というのは表情や特徴の誇張が可能なんですね。

一方、3DCGの場合は、画面のすべての画素に1つの色が置かれ、それがグラデーションになって端から端まで画面を埋め尽くしています。線画のように真っ白な面の部分がありません。

上の画でいえば、口の中の舌から上顎の部分や歯のツヤまでしっかりと描かれているでしょ(^^;)。

線画の場合はマンガ家にもよりますが、口の形だけ描く人もいれば、けっこう口腔内もしっかり描きこむ人までいるけど、歯のツヤまでは描きませんよね?

つまり線画は極端な誇張で物理的にありえない形や表情であっても、真っ白な面の部分がそのありえない形状の嘘を吸収してくれるので成り立ちます。

ところが3DCGの場合は、グラデーションですべてつながっているので、ありえない形状の場合もそのありえなさをしっかり表現してしまうので成り立たないわけです。ゆえに線画のような誇張が難しいことになります。

目が点のような極端な表情を3DCGで描こうとはおもいませんが、生き生きとした輝くような表情、吐息が感じられるような表情を3DCGでも描きたいものです。

で、今回どこが難しかったのか?それは歯。口を開けたときの歯の面積です。

上の画のように口を開けたときの上の歯と下の歯の見え方というか、歯をどこまで出すかによって表情が随分違うことに気づきました。実はいままであまり気にしてなかったんですよね。

単に表情というだけでなく、歯の大きさから口の開け方・形状、歯が見える面積まで、レナというキャラを描く上でその重要性を改めて思い知らされました。

上の画よりもう一回りくらい歯が大きくても良かったかな?でもそれがけっこう難しいんですよ。ちょっとの差で急に野生的な雰囲気が出てしまったりするので。

さて、今年は3DCGに血を通わせるところから、さらに一歩進んでその温もりが感じられるところまでいきたいところです。

冒頭に、今年は何らかの手を打つべき時、つまり作品の完成を最優先するべきなどと書きながら、いきなり細部にこだわってしまいました。

『う~む、浅田真央のようにトリプルアクセルを回避してダブルアクセルでいくか...』ってどこがトリプルアクセルなんだよ!

今年も厳しい年になりそうです。