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動画・音声・インタラクティブ性などで織り成す新スタイルのマンガ制作日記

【時空マジシャン】途中経過

2008-12-25 15:21:27 | Weblog

上の画は【時空マジシャン】18ページの2コマ目を制作中のキャプチャー画像です。というわけでまだ半分も終わってません...

昨年に続き、今年もウェブコミックの制作時間が十分には取れませんでした。しかしそれにしても超スロー!遅すぎる!なぜこれほど時間がかかるのでしょうか?

Chapter.1の制作時に比べ、ウェブコミックのスタイルは自分なりに整ってきているし、Flashの使い方も随分と手慣れてきているはず。にもかかわらずなぜこれほど時間がかかるのか?

理由はわかってます。制作技術の向上に伴い、難しいことをやりたくなるからです。

Chapter.1のころは、こんな感じで表現できたらかっこ良く素敵なシーンになるだろうなと思っても、自分の技術では難しそうな場合は簡単にあきらめていました。なにしろ当初は手探り状態だったので、非常に簡単に出来そうな表現さえ実際はなかなか難しかったのです。

ところがある程度手慣れてくると、360度のパノラマに挑戦したり、マジシャン・ブルーにカードの真空シャッフル(と名付けてみました)をやらせてみたり。

また表面的にはあまり見えないのですが、裏のActionScriptに凝ってみたり(これはいけませんでした。いくら難しいことをやっても見えなければ自己満足に終わるので)。

Chapter.1のときのようにほとんど難しいことをせずに、サクッと作ればもう少し早く出来るんでしょうけど、それではウェブコミックの意味が無いし...

静止画と文字だけではなく、それに音声・アニメ・プログラムなどのマルチメディア要素を加えて、ストーリーの場面場面でひらめいたアイディアをそれらの要素を使いこなして表現したいというのがそもそもの発端ですから。

なのでちょっと時間がかかるからといって、難しいからといってそれを避けていたら意味がありません。

うん、やっぱり初心に返らなくてはいけないですよね。

実はこうやって書きながらも、来年はブルーのウェラブル・コンピュータにアクセスできるようにして共有フォルダみたいなものにちょっとしたコンテンツを置いてみたいな、などと考えています。

それからサウンドでもやってみたいことがあって...

身体はちょっとガタがきてるけど、まだ制作意欲は旺盛です。






雪の女王

2008-12-16 17:02:26 | Weblog

3年ぐらい前にNHKでアニメ「雪の女王」を放送していました。それを観ながら原作であるアンデルセン童話の雪の女王も読んでみようと思ったのですが、いつのまにか月日は流れようやく先月読むことができたのでその感想を書きます。

読んだのは新書館のアンデルセン童話集1「雪の女王」(荒俣宏 訳)です。

アニメや映画などを観た後に、オリジナルの原作を読んでみたくなることはよくあることですよね。NHKアニメの雪の女王は、北欧の厳しくも美しい自然やその中で暮らす人々の情景がよく表現されており、画的にも劇画タッチの静止画で登場人物の感情を切り取るような工夫などがなされていて興味深いものがありました。

それから音楽が千住明、真理子兄妹のオープニング曲と小田和正のエンディング曲ともにまさに雪の女王にピッタリで素晴らしかったです。

ところがこのアニメは全36話の長編で、オリジナルの原作にはないエピソードが大量に挿入されていたのでアンデルセンがこの物語に込めて表したかったものが見えなくなっているように思いました。

そうです。アンデルセンといえば寓意に満ちた物語。雪の女王はなぜカイをさらったのだろう?カイって意思が無いわけじゃないんだけど、なぜか運命にもてあそばれているのは何かを象徴する存在なのだろうか?雪の女王はカイをさらっておきながら、魔王と戦ったりしているけどそもそもいったい何者?

というような疑問が次々に湧き上がってきたので、アンデルセンがストーリーの裏に込めた意図を知りたくなったわけです。でもそのまま何年もほっといたんですが...

雪の女王は「七つの話からできている物語」という副題がつけられています。アニメの36話構成ほどではないですが、複数のエピソードを積み重ねるつくりになっているんですね。

その第2話「男の子と女の子のこと」の中で、おばあさんがゲルダとカイに雪の女王の話しをします。窓の外を舞い散る雪がまるで蜂の群れのように見えるのですが、その群れの中には女王蜂と同じように雪の女王がいるのだと。

昔、人々が自然とより密着して暮らしていた時代は、自然そのものを擬人化して表現することが多かったわけです。北欧や北極圏の極寒の地では、雪や吹雪、氷のような寒さを司る雪の女王という存在や迷信を受け入れることは自然なことなんでしょうね、きっと。

自然は人に大いなる恵みをもたらしてくれますが、時として突如牙をむいて人に襲い掛かったりするわけですから、カイがなぜさらわれたのかという理由は必要なかったですね。

アンデルセンの原作では、ゲルダという女の子は正直で勇気がありそして心の中にやさしい汚れのない気持ちをもった少女として描かれています。だからこそゲルダに出会った人々は彼女に手を貸してあげたくなる。その結果北の果てまでたどり着くことができたんだと。

一方、NHKアニメのゲルダは強い気持ちをもった女の子、信じ続ける強い思いが運命をたぐりよせたという描き方です。

アニメを観ているときは、かわいい顔小さな身体のわりにちょっと精神的に大人びすぎていてアンバランスかなと思いましたが、現代アニメのキャラとしてそのぐらいの強さが必要だったのでしょうね。

さて、問題のカイ。

意思のしっかりとしたゲルダに比べ、カイは悪の象徴であるガラスの破片が目と心臓に刺さって性格が悪くなり、雪の女王にさらわれ、最後はゲルダに助けだされます。何も悪いことはしてないのになぜカイはこんな目に合うのでしょう?

若いとき、若気の至りなどと言いますが、何かに夢中になってしまいがらりと性格が変わってしまうとき、もしくは変わったように見えるときがあります。

はるかに年上の女性が素敵にみえてまわりがまるで見えなくなったり(ぜんぜん良いことですが)。

またあるときは、この一線を越えたら元の道に戻れなくなるというぎりぎりのところまでいったり(超えてしまう人もいますが)。

のちに思い返してみると赤面してしまったり、若かったよななどと思ったりします。

カイに降りかかった出来事は、まさに人が生きていくうえで遭遇する様々な出来事そのものでした。あるときは自然の猛威にさらされ(雪の女王にさらわれ)、またあるときは間が刺し(悪のガラスの破片が目と心臓に刺さった)。

悪い仲間にそそのかされて道を踏み外しかけていた男が、最後は田舎から上京してきた幼馴染に助け出されたといったところでしょうか。

今、本(アンデルセン童話1)をぱらっと開いてみたのですが、ちょうど66ページ。見開きの左側にはゼルダがトナカイにくちづけしている挿絵が載っています。

そして右ページをちょっと読んでみると、「カイって子は、たしかに雪の女王のところにいる。しかもそこで、見るもの聞くものに、すっかり喜んでいる。その子は、そこがこの世でいちばんよいところだと思っている...」

う~ん、まさに若気の至りでまわりが見えなくなっている若者そのものじゃないですか。

アンデルセン童話、やはり寓意に満ち満ちていました。







【時空マジシャン】Chapter.2 ネーム18ページ目

2008-12-11 23:24:58 | Weblog
         →【時空マジシャン】Chapter.2のネーム

ここ一週間ほどウェブコミック【時空マジシャン】の制作から離れていて、だいぶストレスが溜まってます。最近はウェブコミック制作が私にとってけっこう良いストレス解消法になっている部分がありまして。

上のネーム画像はChapter.2の18ページ目です。鉛筆でこのラフスケッチを描いただけでも非常に気分爽快。ストレスがすーっと抜けていくようでなんか精神のバランスがとれてくるような気がします。

ネームのラフ画を描きながら画像の動きやトータルのファイルサイズなどをざっと考えるんですが、う~む...3コマ目がかなりきびしそう。

上空では巨大鳥に乗ったブルーを追いかけるすずめと4羽の鷲のアニメ。陸上ではすずめの手下である馬や狼が、すずめを追いかけて走るアニメ。その間には山と森林があり、上空と陸上の動きに合わせて後方に過ぎ去っていくアニメ。

これはファイルサイズがかなり膨れ上がってしまうかもしれません。山はちょっとしか動かないけど、森の木々はかなりの速さで過ぎ去るようにしないと変ですから...いや待ってくださいよ、山だけじわじわと移動して手前の森がすーっと後ろに過ぎ去っていく?それも何か変なような気もしますよね。

だいたいネームの3コマ目は無理やりこの小さなスペースに収めたけど、実際3DCGで上空、山、森、そして陸上を走る動物たちをいい感じに収めることができるのだろうか...このコマのサイズで。

やってみないとわかりません。うまくいかなかったらネームからやり直し?

あーっ、何かストレスが溜まってきた!

ん?...あ、ネームの間違い発見!3コマ目のすずめですが、逆さまにぶら下がってなければいけないのに板に座っているように描いてしまいました。

すずめを4羽の鷲が持ち上げて飛んでいます。その中の1羽、老鷲のワシジイが何かさかんと言ってますが、上のネーム画像では文字がつぶれてしまって読みにくいので以下に書いておきます。

ワシジイ: 「ワシは知っとるワシ」「昔の言い伝えじゃがワシ」

すずめ: 「ワシジイ」「知ってるって何をだ?」

ワシジイ: 「五百年以上昔、巨大な光るワシがおったそうなワシ」「そのワシは人を乗せて飛ぶことができたそうじゃワシ」「そしてそのワシの背に乗ることができた人物はたった一人じゃったワシ」

ワシジイはいったい何を言いたいのじゃワシ?