Webcomic.tv

動画・音声・インタラクティブ性などで織り成す新スタイルのマンガ制作日記

iPad版:本編13ページ目とクリスマス

2011-12-24 17:42:47 | iPad版制作日記

今日はクリスマスイブですね。

アテネの中心地にリカヴィトスという山があります。クリスマスの夜に、ギリシャ人が蝋燭をともしてリカヴィトス山にぞろぞろと登って行くのを見た記憶があります。

つまり私もその時アテネでクリスマスを過ごしていたわけですが、リカヴィトス山の頂上に教会があるので、そのギリシャ人の一行はミサに向かっていたんでしょうね、きっと。

今でもその光景を想い出すと、聖なる夜の雰囲気が脳裏によみがえってきます。

ところがいつごろからか、その夜のリカヴィトス山とミサに向かう一行を想い出そうとすると、デスノートの最終回のシーンとイメージが置き換わってしまうんですよね。夜神月つまりキラの死後も、キラを慕う一行が山に登って祈りを捧げるシーンと...

それにしても実体験のイメージさえもマンガのシーンに置き換わってしまうとは、マンガ好きにも程があるよ、まったく!

そんなわけで、今年は千葉でクリスマスです。

本編13ページ目を制作中。といっても12ページまでしっかり出来上がっているというわけではなく、あちらこちら上手くいかなかったり保留にしてある状態です。でも進めないとどんどん遅れてしまうので。

ただいま画像をレンダリングして、ポストワークが済んだところ。レンダリング直後の画像は、Poserでポーズを変えたり、ライトの位置を動かしたり、場合によってはモデリングデータをいじったりして、再レンダリングする場合と、ポストワークで修正してしまう場合があります。

ポストワーク無しでレンダリング画像をそのまま使うことは、ほとんどありません。目元や口元、肌の彩度などを調節しているうちに徐々に生気が宿ってくるような気がします。

上の画像のとおり、このページはキャラのアップです。

ちょっとレナのほっぺた周辺がべこべこしている。この辺りのラインは、キャラの表情の魅力に直結する部分なので気になるなあ...きっとポリゴンの流れが悪いんだろうけど。

さて、レナは自分がなぜ刑務所の独房なんかに入れられなければならないか、思い当たったようです。

「ハッ、そういえば...」

「もしかして、あの時のこと?あれが見つかったのかも...」

そして次のページから回想シーンに入ります。

このブログが書き終わったら、Xcodeを起動してこの13ページ目の画像を読み込み、画像に動きをつけます。台詞にあわせて口ぱくをさせたり、レナの呼吸に合わせて身体を微かに動かしたり。

そのためには背景画像とキャラ画像を別々に用意するわけですが、カメラのフォーカスはレナにぴったり合わせるので、背景画像はブラーでぼかします。

つまり背景の壁はぼけていてかまわないので、JPEGでうんと圧縮してファイルサイズを稼ぎます。一方レナの画像は高画質で保存して、背景との差を際立たせるわけです。

そのように、ファイルを最適化しつつ制作するということは、最終的にアプリのファイルサイズがかなり大きくなったとしても自分で納得できますね。







iPad版:本編12ページ目と読本挿絵

2011-12-13 22:42:12 | iPad版制作日記

何かとせわしない師走ですが、年内にやるべきことを後回しにして、とりあえずiPad版電子コミック【Wings ウイングス】の本編12ページ目を制作中。

「何かの間違いで囚人みたいに独房に入れられてるけど、すぐに釈放されるさ」とたかをくくっていたレナです。ところが一週間くらい経っても、うんともすんとも無し。「どうなっちゃってんの、いったい!」というシーン。

ベッドに仰向けに寝て、膝を立てて足を組んだポーズです。そのままレンダリングすると立体感が乏しいので、パースをやや強めにかけました。

その結果、組んだ膝が3D立体視風にこちらにちょっとせり出しぎみで良い感じ。

レナの身長は165cmという設定です。ところが寝そべると、やけに長身に見えてしまうんですよね。

上の画像では足を組んでいるのでそれほどでもないけど、足を伸ばすとなぜか180cmくらいに見えてしまうときがあります。逆に立ち姿では、足が短く見えて思うようにいかなかったりします。

手描きの画の場合は、そのあたりのバランスを描きながら適当に調節できますが、3DCGでは丁度良い具合に修正するのにけっこう手間がかかります。

でもキャラの特徴に直結するポイントなので、見過ごすわけにはいかないんですよね。

ところで話は変わりますが、私の仕事机の横には数冊の読みかけの本があります。その中で最近よく手に取る一冊が、【奇想の江戸挿絵】という本。

江戸後期の黄表紙や読本(よみほん)に描かれた挿絵の中から選りすぐりの100点を集め、解説をつけたものです。

この本をパラパラとめくると、北斎や豊国ら浮世絵師の(そして曲亭馬琴ら戯作者の)、自由奔放な発想や時空を超えた描画力と共に、その当時のクリエイター達の表現に対する熱い欲求がページから立ち上ってきます。

そしてコマ割りこそありませんが、現代マンガの手法が随所に見られ、線画マンガの核の部分はほぼこの時代に出来上がったといっても過言ではないように思います。

たとえば集中線のような表現を使って、登場人物をビカビカビカッと発光させて、読者に「おおっ!」と目を瞠らせたりする手法などは、今でもマンガ家が普通に使っている技ですよね。

今から二百年くらい前に、すでに北斎達が物語を表現する画として、このような動きのある静止画を描いていた。

そしてその後、大幅な画法の変更もなく数々の絵師・マンガ家によって連綿と描き続けられてきた線画によるマンガ表現。

この表現法が、物語を表す上でいかに読者にとって魅力的なものであるか、しかもこれ以上変化しようがないほど完成されたものであるか、ということを改めて思い知らされました。

さて、現在私が制作中のマルチメディア(静止画、文字、アニメ、音声、サウンド、インタラクティブな仕掛け)による電子コミックは、自分の持ち味を最も活かせる表現法として楽しく描いています。といっても制作途中の中途半端なものばかりですが。

紙に印刷するマンガ本の時代から → 電子コミックへという流れの中で、この二百年以上も続いた完成されたマンガの手法が変化するのでしょうか?

電子コミックになっても、北斎・馬琴の時代と変わらない静止画と文字による表現が受け継がれていくのでしょうか?

私としては、カンブリア紀の生物進化の大実験のように、いろいろな作家が「この表現法がおもしろい!」とか「いや、この描き方こそ電子コミックに最適!」というように試行錯誤の時期を経て、最も魅力的な電子コミックの形に落ち着いてほしいと思ってます。

その結果、「やっぱりマンガは昔ながらの静止画と文字が一番だよね!」ということになれば、それはそれですばらしいことではないでしょうか。

今日のブログは、途中からテンションがあがってきて、最後は思いのたけをぶつけたような気分。

江戸挿絵のせい?




iPad版:気分転換にボンゴ

2011-12-05 18:30:36 | iPad版制作日記

ボンゴを手に入れました。在庫処分品で定価の半額以下の価格で販売していたのでゲット。

さっそく叩いてみるとコンコンカーンという抜けの良い音。♪♪コンコカンカコンコカンカ~♪♪(o=゜▽゜)o(゜▽゜=o)♪♪~スッコロカンカコンコカンカ~とボブ・マーリーの曲に合わせて適当に叩いてみました。

『う~む、楽しい!』。でもヘタなので、基礎からやらねば。

打楽器といえば、他にカホンを持っています。以前、Webcomic【時空マジシャン】のサウンド用にカホンの素朴な音が欲しかったので、購入したもの。

でも最近はあまりカホンを叩かなくなったんですよね(-д-)。

部屋の中で叩くには、騒音的に厳しいので。なにしろカホンは、床に密着させてその上に座ってビシッバシッボコスコ叩くので、かなり響き渡ります。

小さい音で叩いても楽しくないし、いつの間にかフェードアウト。

ボンゴのほうは、軽い音なのでその点は大丈夫そう。デスクワークの気分転換としては、本当は軽いスポーツが一番なんでしょうが、ボンゴも間違いなく楽しい気分になるので良さそうです(o^―^o)。

今までブログでちょくちょく書いてきましたが、楽器やサウンド関連の機材やアプリなどには、けっこうつぎ込んできています。といっても高級品ではないので、たいしたことありませんが。だいたい初心者向けよりワンランクくらい上の価格帯のものが多いですね。

で、手に入れた楽器や機材などの多くは使いこなせていない、ということも以前書きました。

でも楽しいんですよね~♪。きっとこの趣味のようなものは、一生続くような気がします。

昔は音楽というと、ピアノやバイオリン等しっかり習って一生懸命練習しないといけないハードルの高いものでした。または、友達同士で「バンドやろうぜ!」みたいな感じでした。

なので普通の人が気軽に音楽を楽しもうとすると、音楽を聴くことくらい、あとはカラオケですかね。

ところがアナログからデジタルの時代になって、最近のようにハードもソフトも高機能・低価格になってくると、以前は考えもつかなかったようなことが一般の人も手軽にできるようになってきました。

同時に音楽の楽しみ方も様変わりしてきたように思います。予め用意された音のパーツを組み合わせて曲を作ったり、コード進行だけを入力してボタン一発でメロディ付きの曲が出来たり、ボーカロイドに歌わせたり。

楽器店にいくと、音楽のおもちゃ箱というか、サウンド・ワンダーランドというような楽しげな世界が待っています。(私にはそのように見えますr(^ω^*))

でも、そのような様変わりした新たな音楽の楽しみ方を享受している人がどのくらいいるでしょうか?意外と少ないような気がします。

わくわく期待してこの世界にやってきても、MIDIシーケンサーを立ち上げてそこで立ち往生してしまったり、いろいろボタンの付いたキーボードを買っても、「なんだ、結局ピアノが弾けなきゃだめじゃん...」みたいになったり。入り口で自分に合った幸運な出会いがなければ、うまくその世界に入れないのが実際のところじゃないでしょうか。

かくいう私も、作曲ソフトでコード進行を入力してボタンを押しても変な曲しか出来なかったり(=。=)ガックリ、使いこなせてない系の楽器や機材をたくさん抱え、ときどきほこりを掃ったり磨いたりしてます。

でも、このボンゴのように『あー、楽しい!』というようなことがときどきあるので、やめられないのです。それに昔だったらプロのミュージシャンや金持ちしか使えなかったような機材やソフトウェアを、いまや自分のような庶民も気軽に使えるという幸福感を味わえたりするので。

とりとめもなく書いてしまいましたが、言いたいことは、昔は考えもつかなかったようなサウンド・ワンダーランドがそこに広がっている。でも入り口はちょっと入りにくいかも、といったところです。

『あっ、ネームのこと書くの忘れてた!』

上の画像は、制作中のiPad版電子コミック【Wings ウイングス】のネームで、刑務所らしき独房に閉じ込められたレナが、「あたしが何したっていうのーっ、出せー、バカヤロー!」と怒り狂っているところ。

【Wings ウイングス】の中で、ボンゴのリズムを不自然じゃなく挿入できないかと...たとえば食事を運ぶ給仕ロボットが、ボンゴの楽しげなリズムと共に入ってくるとか。

♪♪コンコンカン~スカコンカン♪♪コンコンカン~スカコンカン♪♪~...