iBooks Authorが自分に適した制作ツールなのかどうか、実際に作品を作りながら試してみようというわけで、短編マルチタッチコミック【ナナのかぼちゃパン】の制作開始です。
【ナナのかぼちゃパン】はちょっとほのぼのとした内容なので、あまり3DCGっぽいリアルな画質は似合いません。というわけで上の画像のように絵本タッチにしました。
Poserでレンダリングした画像をベースに、Photoshop上でIntuosを使って手描き風味を加えつつポストワークして仕上げたものです。
ちょっと絵本タッチになりすぎたかも...もうちょっとマンガっぽくしたいところです。もっとIntuosで輪郭線をしっかり描けばいいんでしょうけど、でもそうしたくない気分もあって、そのあたりはもう少し試行錯誤をしてベストなバランスをみつけなくては。
マンガの画風やタッチって、作者によってぜんぜん変わらないタイプと、どんどん変わっていくタイプがありますよね。
読者としては、変わらないタイプの方がストーリーを追いやすいとか、安定感・安心感があるという利点がありますが、その反面毎回代わり映えしないのでちょっと厭きがくるという部分もあるかもしれません。
変わるタイプとしては、久しぶりに連載マンガを読んだら「同じキャラかー!?」っていうぐらい変わっちゃって驚かされるときもたまにあります。自分の好みの方向に変化してる場合は良いんですが、反対の場合はショックですよね。
巨匠・手塚治虫が「自分の絵は、ストーリーを表現するための記号のようなもの」というようなことを書いています。その「マンガ絵=記号論」を読んだ時、それぞれのキャラを記号としてとらえているのであれば、その都度あまり悩まずに早く描くことができるのだろうな、と思ったことを憶えています。
たしかに手塚治虫の画風は、初期から後期にいたるまで子供向け・大人向け等の多少の描き方の差異があっても、全体的には画風があまり変化しなかったイメージです。
ご自身の絵を記号と捉えていたとしても、何と魅力的な記号であったことか。
先日、【バクマン。】の最新刊(18巻)を読みました。
小畑健は、【バクマン。】というマンガの内容上、何人ものマンガ家の作品を描き分けなければならないわけで、いろいろ工夫を凝らしていますね。特に最近は表情がすごい!「ちょっとやりすぎじゃないの!?」っていうくらい表情のデフォルメがすごい!
マンガだから誇張!という意識が強いように感じます。それから小さなコマの中でもパースをかなり効かせてますよね。
そういえば【ヒカルの碁】を連載してるときに、【月下の棋士】の能條純一の影響を受けている時期があったように思います。能條タッチの影響が素直に画に表れているところにむしろ好感がもてましたけど。
でも最近、サイコーやシュージン達キャラの顎を異様に尖らせているのはなぜでしょう?あまり尖ってないほうが良いと思うんですが...
今日は【ナナのかぼちゃパン】の内容に合わせて画のタッチをちょっと変えたということから、思いつくままに書いてしまいました。
自分はとてもマンガ絵を記号としては捉えられないので、その都度悩みながら描くしかありません。
そのあたりは、描くという行為の根幹に係わっているような気がします。