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動画・音声・インタラクティブ性などで織り成す新スタイルのマンガ制作日記

iPad版:キューピッド

2011-11-27 17:27:01 | iPad版制作日記

制作中のiPad版電子コミック【Wings ウイングス】では、そのページを読み終わって次頁へ進むとき、もしくは前頁に戻るときには、画面の端をタップするか画面内をフリックしてページをめくります。

それはいいんですが、「そのページを読み終わって..」が問題です。

一般的な静止画ベースのマンガは、読者がそのページを読み終わって「さあっ、次のページへ進もう!」というわけで何ら問題ありません。でも【Wings ウイングス】は、その読み終わったかどうかのタイミングが判りにくいんですよね。

つまりコマの中でアニメが動いているので、まだこれから何か新たな表示があるのか、それともアニメすべての表示が終わって単に同じような動作がループ再生されているだけなのか、そのあたりの判別が難しいわけです。

とくに同じアニメをループ再生しているとひと目で分かるのが嫌なので、私は複数の動作のアニメを用意してランダムに表示する技を使ったりします。なので一段と「もうページめくっていいの?」「まだなんか出てくんの?判りにくいんだよな」状態になってしまいます。

そこで考えたのが上の画像のキューピッド。

ページのすべてを表示し終えたタイミングを見計らって画面の端っこにキューピッドが現れます。そしてかわいくパタパタッと羽ばたきながらページめくりを促します。上の画像の青い円で囲ったくらいのサイズか、もう少し小さくなる予定。

初めは三角アイコンをチカチカっとさせてページめくりを促そうかと思ってました。しかしなんとも芸が無く、かっこ悪い。

「じゃあこのキューピッドのパタパタはかっこいいのか?」

『う~む...かっこいいとはいえないが、カワイイ...かも、...でもダサいかもしれない』

さっきまでは微塵の迷いもなく『グッドアイデア!』と思ってたんですが...ブログを書いてるうちに、なぜか急にダサ苦しいアイデアに思えてきてしまいました。

とりあえずもう少し検討することにします。

今日この文章を書く前に先日のブログ(11/17)を読み返してみました。

Xcodeでのコーディングに少々慣れてきた...なんて書いてしまいましたが、やっぱりぜんぜん慣れてません。

実際、レナが左右をきょろきょろ見たり、天井を見回したり、床を見たりするアニメでは、NSTimerを使って一定の秒数間隔でレナがランダムにきょろきょろしますが、これもまともに動くまでにずいぶん苦労しています。

なにしろ、Flashのように表現やコーディングの蓄積がないので、そのつど悪戦苦闘しているわけで、とても慣れてきたなんて言える状況ではありませんでした。

そういえばこの間AdobeのFlashが完全にモバイルから撤退したんですよね。

AppleのFlash排除やHTML5の時代という流れがありますけど、Flashというすぐれたツールがこのような目にあうというのは、ちょっと解せない気分です。

昔Macromedia社がDirectorからFlashに軸足を移すと発表したとき、世のDirector使い達は少なからずショックを受けたものでした。

私もDirectorを使ってけっこう仕事をしていたので、『え~っ、Flashってなんか使いにくいんだよね...』と思ったことを良く憶えています。

だれかが、『(なんやかやいっても)結局ツールですよ、ツール!』と言いました。

たしかにツールに右往左往してはいけないんですが、でもクリエイターにとってツールに依存している部分があるのも確か。

改めて自分の表現の核心をつねに意識しなくては、と感じました。





iPad版:本編4ページ目とカーネーション

2011-11-17 19:01:07 | iPad版制作日記

夕食後に一眠り。夜中にむっくりと起き上がり電子コミックの制作にとりかかる、という規則正しい生活です。

でも昼間に疲れた日は、夜中に起きることができず気がついたら朝ということも。昨夜はそのパターンでした。

久しぶりに良く寝たので、元気一杯というほどじゃないけど、眼の調子は良いし身体の奥の疲れが少し取れたようなすっきりした気分です。

そんなわけで今日は、制作中のiPad版電子コミック【Wings ウイングス】の本編4ページ目について。

この間7ページ目を制作してたのに、今頃4ページ目? ちょっと後先になってしまいましたが、このページは画像制作に手間がかかりそうだったので保留というか後回しにしてました。

そして案の定予想通りかなりてこずってしまいました。

独房で目覚めたレナがきょろきょろ見回しながら、「えっ...ここは?」「あたしの部屋じゃない」というシーン。

まず背景の独房画像の上で、レナのスプライト(背景上で動かすキャラの画像)がきょろきょろするアニメ表示。

次に、「えっ...ここは?」のフキダシ表示と共に音声の再生。

次に、きょろきょろするアニメに合わせて、背景画像とレナのスプライトの間にコマ割りで、室内の構造や格子窓やトイレなどの設備を表示。

次に、「あたしの部屋じゃない」のフキダシ表示と共に音声の再生。

という流れになります。

問題は、背景画像とレナのスプライトの間に室内の画像を表示すると、レナのスプライト画像のエッジがきたなくなってしまうことです。

つまりアンチエイリアス(エッジのギザギザが目立たないように中間色を置いて背景と融合させる処理)の中間色がきたなく目立ってしまうわけです。

もともとレナ画像のエッジのアンチエイリアスは、背景(独房画像)に合わせて生成されているので、その間に別の画像(室内の設備画像)が割って入ると、同じような壁色のところは目立たないけど、黒っぽい扉のところなどはアンチエイリアスがきたなく浮き上がってしまいます。

で、どのように回避したかというと、画像を拡大して1ドットずつプチプチと修正しました....ρ(。 。、 )。

ドット絵師になって、すべての雑念を払い無心にプチプチとやる。嫌いじゃないんですがえらく時間がかかるんですよね。しかもきょろきょろやるシーンは、上向いたり下向いたり6パターンもあるので大変でした。

Xcodeでのコーディングに少々なれてきた現在、画像作成にあまりにも時間がかかっている、という問題点がクローズアップされてきました(自分の中で)。

これを何とかしないと電子コミックの完成はいったいいつのことやら...

そういえば2~3日前、昼飯を食べながらNHKの朝ドラ【カーネーション】を観てました。

主人公の糸子は、ドレスを短期間で縫わなきゃならないという状況。そのときグッドアイデアが閃いた糸子は、客の体に直接生地をあてがって寸法を取り始めます。立体裁断っていうらしいですが。この手間を省く手法で、糸子はドレスの短期納品に成功するんですね。

これを観ていた私は、『これだ!』と思いついたわけじゃないですが、『こういう...何か...いい方法を...思いつかねば』と思いました。

でもその後、何も閃きません。




iPad版:ネーム11ページ目とペンタブレット

2011-11-09 19:50:11 | iPad版制作日記

さてiPad版電子コミック【Wings ウイングス】の進捗状況ですが、「あまり進んでない」けど「着々と制作を続けている」といったところでしょうか。

上の画像はネームの11ページ目です。

このネームは、紙に鉛筆でしゃかしゃか描いてフラットベッドスキャナでスキャンして、Fireworksでレベル補正をかけて見やすい濃さにしています。

『そういえば以前購入したペンタブレットはどうなったっけ?ネームはペンタブで描きゃいいじゃん、スキャンしなくていいし。』とデスク周辺を見回すと...あるじゃないですかペンが、一応ペン立てに立ってはいるけど、その存在は私の眼に入っても認識されずに透明状態。悲しい(´;ω;`)。

『タブレットのほうは?』...見当たらない、と思ったらモニターの裏に隠れるように立て掛けてあるじゃないですか。しかも埃が少したまっている。

Intuos4とComicStudioを一緒に購入してから2年半くらい経ちました。

『なんてこった、結局使いこなせなかったのか!?Σ(゜Д゜;)ガァーン』

そうなんです。どうも...そのようです。

2年半前のあの高揚した気分はなんだったのか!?

たしかにあのときは盛り上がったし、自分のデジタルコンテンツ制作の幅が広がると感じたものでした。

2009/05/01のブログ【Intuos4】を読むと、『よし、今回はいけるかも!』『第一関門突破!』なんて興奮してますよね。

でも今は使ってません。いえいえ、Intuos4やComicStudioが悪いわけではなく、理由は他にあります。

私の電子コミックの制作工程に、ペンタブがうまく入り込む余地が無いんですよね。

一時は、3DCGのレンダリング画像をベクターデータ化して、グラデーションを無くした画像にペンタブでさらに描き加えることで、新たな画像スタイルができないかちょっと考えたときもありました。でも今のところ実現していません。

それからネームのときに使うというのは、どうも眼の負担が大きくて、つい紙に鉛筆で描いてしまいます。なにしろ3DCGアプリやレタッチソフト、その他サウンドエディタやオーサリングツールなど、パソコンのモニターを見続けなので、ネームくらい紙に描きたくなるわけです。

この制作工程にペンタブが必要になったときこそがIntuos4の出番。

でも当分その出番はなさそうです。

ところで上のネームの内容なんですが、無実の罪(?)で独房生活のレナなのに、やけに楽しげに食事をしているではありませんか。

どうやらレナにとって、苦しみや悲しみと食欲は別物のようです。人は精神的ショックを受けると食事が喉を通らないタイプと、そうじゃないタイプに分かれると思います。レナは後者。

いくら精神的ショックを受けていても、「さて、そろそろお腹がすいたな。ごはんにしようっと。」って感じです。

いいですよね、幸せで。

私の場合は、ペンタブの挫折で何も喉を通りません。

ってことはないか(^Д^*)。