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動画・音声・インタラクティブ性などで織り成す新スタイルのマンガ制作日記

iPad版:有料iOS Developer Program更新

2011-10-30 19:45:48 | iPad版制作日記

一年経ってしまいました。

昨年、有料のiOS Developer Programの会員登録した時、一年後には少なくとも【時空マジシャン】のChapter.1のiPad版は完成しているだろうと漠然と考えていたんですが...なにしろ【時空マジシャン】のChapter.1のFlash版は、その時点ですでに制作済みだったので。

でもその後、制作ツールで悩んだり、長編の【時空マジシャン】から読切の【Wings ウイングス】に変更したり紆余曲折しているうちに、iOS Developer Program更新時期がやってきてしまいました。

しかしガッカリしているわけではありません。『さあっ、没頭するぞー!o( ̄皿 ̄ )o』とこの間のブログに書いたように、Xcodeでの制作が徐々に調子良くなってきているので、良い気分の今日この頃。

XcodeでObjective-Cという開発環境で電子コミックに取り組んでから、『ちょっと無理なんじゃない?』と感じたことも何度かあります。だから良い気分で1ページ1ページ作り込めている現在の状況は、本当に嬉しいことですね。

さあそんなわけで、先日iOS Developer Programの更新をしました。

このiPad版制作日記の最初の方で、iPad/iPhoneアプリ開発環境の構築に関してはかなり詳しく書いてきました。

いったん環境を整えてしまえばあとは電子コミック制作に集中できるなら良いんですが、ときどきProvisioning Profile(開発者の情報やデバイスの情報等をまとめたファイル)の有効期限が切れたり、今回のiOS Developer Programの更新などがあったりします。これってけっこうストレスなんですよね。

どういうストレスかっていうと、更新作業中に変なエラーがでるんじゃないだろうか?、[We are unable to prosess your request...]というような表示が出て先に進めないんじゃないだろうか、という心配が何となくつきまとっている感じがします。

昨年のiOS Developer Program登録時も、年会費を支払後にActivationしようとしたらエラーが出てしまって、[Please contact us...]というわけでEメールを送ったり、運転免許証をコピーしてFax送信したりしてようやく、[Thank you for joining the iOS Developer Program.](T-T*)フフフ...ということがありました。

なので今回もじわりとストレスを感じながらの更新作業でしたが、Apple Storeで年会費を支払後、約3時間半後にApple DeveloperからThank youメールが届き、すんなり更新完了でした。

参考までに更新手順を以下にまとめました。


 1. iOS Dev Centerにアクセスしログイン。

 2. [Your iOS Developer Program is about to expire...]と表示されたので[renew your membership(s)>]
   をクリック。

 3. [□iOS Developer Program \8400/year]の左側のチェックボックスにチェックを入れ、[Continue]
   をクリック。

 4. 確認情報が表示されるので確認後、[Continue]をクリック。

 5. [Proceed to your country's Apple Online Store to purchase.]と表示されるので、[Add to cart]
   をクリック。

 6. 日本のApple Online Storeが別ページで開かれるので、[ご注文手続きへ]をクリック。

 7. ログイン。

 8. 配送商品、配送先住所等が表示されるので確認後、[続ける]をクリック。

 9. お支払情報が表示されるので確認後、[続ける]をクリック。

 10. 販売条件の規約が表示されるので、チェックボックスにチェックを入れ、[続ける]をクリック。

 11. [ご注文の確定]をクリック。

 12. 注文番号が表示される。

 13. Apple Storeから注文成立のお知らせメールが、Apple DeveloperからThank youメールが届く。


という手順で今回は無事、iOS Developer Programが更新されました。

先程ストレスを感じると書きましたが、上記のように登録や更新の手順をしっかりと書き記し、エラーなどの記録や顛末を備忘録に残しておくことで、対処法が少しずつ判ってくるし慣れてもくるので、億劫がらずに記録することが大切です。

こういった作業でつまずくことは、非常に非常に消耗するんですよね。『マンガが描きたいのに、何でこんなことで苦しまなきゃいけないんだよ!(-゛-メ)ワナワナ』と怒りさえ覚えてきます。

ブログにこうやって手順や体験を書き残すことで、同じような箇所でつまずいてる人達の助けになるかもしれないし、私も随分他のWebページのお世話になりました。

おかげさまでだいぶストレスが緩和されてきました。

でもまだちょっとストレス感じます。






iPad版:ネームの清書と電子コミックの状況

2011-10-25 18:45:06 | iPad版制作日記

電子コミック【Wings ウイングス】のアイデアを練ったときに描いたラフなネームを、きれいに清書してます。

ネームもコンテンツの一部として掲載するので、あまりに描きなぐったラフスケッチでは見苦しいし、お見せできる程度にきれいにしようというわけです。これがけっこう時間かかるんですよね。

上の画は主人公のレナが目覚めた独房で、自分が着せられている囚人服のような服装と部屋の内装にびっくりして、「なにこれ、まるで...!?」というシーンのネーム。

ネームの清書に飽きたら、グラフィックソフトで本編用の画像を制作したり、Xcodeを起動して電子コミックのページを作り込むという感じで進めています。

でもネームの清書は早めに仕上げないといけません。音声の録音のために声優さんに見てもらわなければならないので。

音声収録のことを書くなんて、制作の目処が立ってきたということ?(* ̄∇ ̄*)b。いやいやまだまだ完成までの道程は遠いです。でもこの間、InstrumentsのLeaksを使ってみたことで、メモリ管理に関して少し安心できたのでだいぶ気持ち的に進捗した気分。

これでマンガの中身に集中できる状況がだんだん整ってきました。さあっ、没頭するぞーo( ̄皿 ̄ )o!

ところで、AmazonがKindle Fireで価格破壊的な設定をしてきたことで、タブレット端末の一層の普及が進むことと思われます。それに伴い電子書籍も一段と普及することでしょう。

アメリカでは電子書籍への移行にまっしぐらという方向性ですが、紙への愛着が強い日本ではそう簡単にはいきません。とはいえこの流れは止まらないでしょうから、紙との折り合いをつけながら徐々に移行していくことは間違いないと思っています。

一方、電子コミックの状況はどうでしょうか。自分の電子コミック制作に一生懸命で、あまり調べてないのでなんですが、目に付いた記事や耳に入った情報によると、EPUB3がやっぱり標準なんでしょうかね。

私の場合は、初めからFlashのようなことができることという前提で取り組んだので、いきなりXcodeで作り込むという選択をしました(その前にPackager for iPhoneでなんとかFlashの資源を再利用しようと試行錯誤しましたが)。

だからそのときはEPUBについてあまり調べませんでした。でも今後EPUB3を目指してビューワを初めオーサリングツールなどの環境が整っていくのであれば、私がやっているようなマルチメディア系・インタラクティブ系の作品が作りやすいツールになってくれればうれしいんですが。

私は自分の持ち味を最も活かせる表現方法を模索した結果、現在のところ、このようなスタイルになってきています。EPUB3に準拠したマンガ関連のツールが、今後出てくるであろういろいろなタイプの電子コミックに対応できるような柔軟性のある仕様になってほしいところです。

まあなんやかや言っても、企画策定の推進者が想定したものとはかけ離れた使い方・使われ方が定着していったりするものですが。

最終的には、描き手が使いやすく、読み手が読みやすいところに落ち着くんですよね。




iPad版:Leaksを使ってみた

2011-10-16 19:12:23 | iPad版制作日記

先日のブログで、iOS SDKに含まれるInstrumentsというアプリケーションのことをちょこっと書きました。さっそくいじってみたのでその感想です。

その前に現状の説明を少々。

現在iPad版電子コミック【Wings ウイングス】を制作してます。

昨年、まず制作環境としてiPadやiMac、そして開発ツールであるiOS SDK等を用意。

その後、有料のiOS Developer Programへの登録や、実機(iPad)テストのためのAppleの認証などの面倒な手続きを経て、ようやく電子コミックの制作に着手。(このあたりでエネルギーをかなり使い果たしました)

当初は、Flashで制作中のWebコミック作品【時空マジシャン】のiPad版を作るつもりだったので、Packager for iPhone(FlashのswfファイルからiPhoneやiPad用のアプリを書き出すためのツール)を使って省エネでいこうと計画。

ところが、Packager for iPhoneで変換作業を試すうちに、iPadタブレットに最適化された電子コミックを作りたいという気持ちが高まる。

Packager for iPhoneによる変換計画は中止して、XcodeでObjective-CというApple推薦の開発環境で制作開始。作品も長編の【時空マジシャン】ではなく、読切の【Wings ウイングス】に変更。

XcodeでObjective-Cという初めての環境に四苦八苦しながらも、ページ送りや横画面対応、スライダーなどの基本構造を作り上げ、アニメーション等の表現も何とかクリア。

そして今回、以前から気になっているメモリ管理の問題にいよいよ着手。メモリが使われなくなったオブジェクトに圧迫されて、電子コミックアプリが強制終了してしまうという状況はなんとしても避けたいので、億劫だけどやらねばならぬ。

というわけで、Instrumentsというメモリの使用状況を診断したりするツールを使い始めたという次第です。

Instrumentsが開発キット(iOS SDK)の中にあるということは以前から知ってはいましたが、電子コミック制作の目処が立ってない段階では、起動する気にもならなかったのでほっておきました。ようやくその時期が来たというわけです。

今回は、Instrumentsが提供する計器類の一つであるLeaksを使ってみました。

Leaksは、コーディングのミスによりメモリに居座り続けるオブジェクトがメモリを圧迫する状態、つまりメモリリークが発生していないかをチェックするためのツールです。

以下に現在制作中の電子コミック【Wings ウイングス】のアプリをLeaksで診断したときの手順を書きました。


 1. Xcodeで電子コミックプロジェクトを起動。iPadシミュレータも起動。

 2. Xcodeのメニューから、[実行] → [パフォーマンスツールを使って実行] → [Leaks] を選択。Instrumentsが起動。

 3. 左上のInstruments(計器リスト)からLeaksを選択。

 4. シミュレータで電子コミックのページをめくったり戻ったりしながら、計測情報が表示されていくのを確認。

 5. Instrumentsのストップボタンをクリックして、計測終了。

 6. Instrumentsの [View] → [Extended Detail] を選択。右側にExtended Detail画面が表示される。

 5. Extended Detailの内容を確認。


上記手順で診断した結果、オブジェクトがメモリを確保し続けてSizeの値がどんどん上昇していくという状況ではなく、今のところ問題はなさそうです。

といっても今回診断した電子コミックアプリは、中途半端なページは取り除いてちゃんと完成したページだけをつなげたもの(6ページ)なので、問題はまだまだこれからです。

でもとりあえず心強いツールが手に入ったし、1ページ1ページしっかりと計測しながら制作すれば、何とかいけそうな気分。

さて上の画像なんですが、ゾンビです。

しっかりとメモリ管理をしないと、メモリ空間に死に損なったゾンビが居座って、やがてむっくりと起き上がって襲い掛かってきます。

たのむぞLeaks!





iPad版:7ページ目の制作とKindle Fireのこと

2011-10-09 19:30:37 | iPad版制作日記

AmazonのAndroidタブレット「Kindle Fire」が11月15日に発売だそうです。

いろいろなメーカーがAndroidタブレットを次々と出していますが、このKindle FireはiPad以外で久々に食指が刺激されてます。

まず価格が激安の199ドルΣ(゜◆゜)エッ! そしてなんといってもFlash対応(= ̄▽ ̄=)ニヤリ!!

Kindle FireがたとえAmazonショッピングサイトの専用携帯端末のようなものであったとしても、魅力的です。

スティーブ・ジョブズは、AmazonのKindleを電子書籍分野の開拓者として高く評価したうえで、「ご苦労様!後はiPadにおまかせください」という感じでiPadを発表しました。

でその後はiPadの一人勝ちのような状況でしたが、Amazonは単に開拓して終わるつもりはもちろんなく、出してきましたねKindle Fireを。

いまのところiPad版電子コミック【Wings ウイングス】の制作で手一杯なので、Kindle Fireのコンテンツ制作に関しては興味があっても調べる余裕も無いですが、アンテナは張っておきます。

さてそのiPad版電子コミック【Wings ウイングス】の制作のほうは、7ページ目を制作中。

上の画像が制作中のスクリーンショットの一部です。

独房に閉じ込められたレナに給仕ロボットが食事を運んでいるところ。

当初はロボットは自分でモデリングするつもりでしたが、まさにピッタリのロボットをDAZで発見!使わせてもらうことにしましたY(o^Д^o)Y。

画面の表示の仕方として、まず3コマ目の背景(独房の室内)を暗く明度を下げて画面一杯に表示。

次に、1コマ目 → 2コマ目と表示。

3コマ目を表示するタイミングで、室内の明度を上げ、レナとロボットの画像が表示されるという流れです。

紙にペンで描くマンガの場合は、コマとコマの余白すべてをペン画やベタやスクリーントーンで埋めてしまうと、うるさくなったり見にくくなってしまいます。

でもこの【Wings ウイングス】の場合は、余白があると変なので、背景をうまく処理して画面全体に敷き詰める予定。

ここのところ制作の合間に、アプリ開発キット(iOS SDK)に含まれるInstrumentsというツールの使い方を調べ始めました。

メモリ管理の問題がじわじわときているので。




iPad版:横画面モード

2011-10-03 17:35:33 | iPad版制作日記

iPadを横向きにすると、それに合わせて画面もクルッとおしゃれに回転して向きをそろえてくれます。

いままで縦画面モード(ポートレイトモード)前提で制作を進めてきて、横画面モード(ランドスケープモード)に関して触れなかったのは、決めかねていたからです。

つまり読者が縦画面モードで電子コミックを読んでいて、クルッとiPadを横向きにすると画面のレイアウトや見せ方が変わり、「おっ、すごい!縦画面と横画面で見え方が違う。2倍楽しめるわけか。やるじゃん!」というふうにしたかったんですよね。でも現在の制作進捗状況を考えると、そこまで手を広げるのはとても無理...だけどやりたい!ということで決めかねてました。

で結論は上の画像のようになりました。画面の左側にコンテンツ(目次)を表示して、右側には縦画面モードと同じ見せ方で表示する。

今回は最もシンプルな形にして、とにかく完成を最優先するということに落ち着きました。

ちょっと制作してはつまずき、何とかごまかして次に取り掛かるや否やまたつまずく。というような感じで、『本当に完成までたどり着けるのか?』という状況なのでこれ以上よくばっても現実的ではないと判断しました。

iPadは本当にユーザーインターフェースを研究して作り込まれていて、初めて手に取ったとき『これぞ新しい電子コミックのために作られたタブレットだ!』と感じたものです。

だからそのデバイスの上で走らせるコンテンツも、そのユーザーインターフェースを十分に活かした内容にしたいところですが、いかんせんこちらの制作能力がぜんぜん追いついていません。

このiPad版電子コミック【Wings ウイングス】が無事完成まで漕ぎ着け、次の作品に着手することが出来たときは、1作目では手が出なかった機能や表現を盛り込めればと思います。

横画面モード時に左側に目次を配置するレイアウトは、初めてiPadコンテンツを作る場合にはとっつきやすいやり方ですよね。初めての横画面攻略という意味で。

でもクルッとiPadを横向きにすると目次が見れてコンテンツ全体を見渡せるので、読者にとっても安心感があるのではないでしょうか。

とくに私の作る【Wings ウイングス】の場合は、ページをめくってから順次コマが表示されてコマの中でもアニメーションするので、見慣れるまでは落ち着かないと思います。なので横画面時も凝ってしまうと読者がとまどってしまうかもしれません...と自分を納得させたりしてみるρ(-ε-)。

ちなみに横画面モード時の画面2分割は、UISplitViewControllerクラスのインスタンスを生成し、左側に目次用UITableViewControllerクラスのインスタンスを配置し、右側にメインのページ用UIViewControllerクラスのインスタンスを配置しました。

また目次の右端のページナンバーは、UITableViewCellクラスの詳細情報プロパティを利用して追加しました。

セルのスタイルをUITableViewCellStyleValue1にすると、詳細情報(この場合はページナンバー)がセルの右端に表示されます。