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動画・音声・インタラクティブ性などで織り成す新スタイルのマンガ制作日記

ibooks形式受け付けず!?(iBooks Author制作日記55)

2014-03-31 19:23:02 | iPad版制作日記

昨年の3月に、それまで開店休業状態といわれていた日本のiBookstoreがついに日本語の電子書籍販売を開始しました。

その後も「iBookstoreで出版するための手順」というような内容の記事がときどき目に入ってきていたので、『iBookstoreでの電子コミックの販売は問題なし!』と勝手に安心してました。

ところが今回、モーションコミック【ナナのかぼちゃパン】がようやく完成して、『いよいよAppleの審査を受けるときが来たか!』というわけで、改めて手順を確認したところ、見つからないんですよ...ibooksフォーマットでの受付に関する情報が。

いやまったく見つからなかったわけではなく、「ibooksフォーマットでは日本語コンテンツは受け付けられないようだ」というような記事はちらほら見つかりました。

どういうことかというと、「iBooks Author」で制作したコンテンツは、「.ibooks」という拡張子のブック形式で書き出されます。(他にPDF形式などで書き出し可能)

その.ibooks形式で入稿しようとすると、(英語で)「iBooks Authorフォーマットによる日本語ブックは目下受け付けておりません。EPUB3フォーマットで再提出お願いします。」というメッセージが届くとのこと。

だって「iBooksがついに日本語電子書籍に対応!」で「そのiBooks用コンテンツ制作ツールがiBooks Author」なんでしょ?それなのに、その「iBooks Author」で書き出したibooks形式の日本語コンテンツは受け付けませんて変じゃないすか!?

つまり、日本のiBookstoreが日本語電子書籍を販売開始して以来、個人出版の体験記などをたくさん見かけましたが、それらのコンテンツはEPUBフォーマットだったんですね。自分の頭の中では、「iBooks Author」で書かれたものもいつのまにか一緒くたになっていたようです。

今回調べてみて分かったんですけど、アメリカでは既にibooks形式の電子書籍がたくさん販売されています。とにかく日本のiBookstoreは、万事遅いんですよね。

さて、どうしたものか...。

EPUB3フォーマットならOKといわれても、『そうですか、わかりました』というわけにはいきませんよ。

自分のブログは、電子コミックを取り上げていますが、EPUBという文字が登場する頻度はかなり少ないんじゃないでしょうか。普通なら最多出現頻度であってもおかしくないところですが。

その理由は、自分の描くモーションコミックが静止画やアニメベースのマルチメディア・コンテンツであって、EPUBがこだわる(出版関係者がこだわる)フォントやきっちりしたレイアウトなどには、あまり興味がなかったからです。

ただしEPUB3になって、リッチコンテンツに対応してからはがぜん注目するようになりました。

で、どうするかというと...。

今後、アンドロイド版やFireOS版に対応するつもりなので、いずれにしろEPUB3版は必要なんでしょうが...。いや、必要なのかな?アンドロイドやFireOSにiBooksのようなリッチコンテンツ対応のリーダーアプリがないとだめだし。

ゼロから作るわけではなくて、HTMLウィジェットのHTML5コンテンツがあるので、それほど大変じゃないかもしれませんが、やってみたらやっぱり簡単じゃなかったということになると思います。

こうやって書きながら、考えをまとめてるんですけど、まだ結論がでません。

前回のブログで、「いよいよiBooks Authorのツールバーの[公開]をポチッと...」なんて書きましたけど、あまかったです。

上の画だけは、晴れ晴れなんですが。




とりあえず完成(iBooks Author制作日記54)

2014-03-16 19:30:35 | iPad版制作日記

ようやくたどり着きました。とりあえず完成です。

全ページに係わる修正というか、仕上げの作業に時間がかかってました。

例えば、ページをタップするとアニメを開始するわけですが、その後アニメが再生し終わったことを読者に知らせる合図として、ページ全体の明度を少し下げることにしました。

これはなかなか良い感じです。今まで、次ページに進むように促すためにアイコンをチカチカさせたりしてましたが、どうもいまいち格好良くなかったんですよね。

それがスッと明度を下げることで、違和感なくその時を知らせることができるのはグッドです。でも全ページ直すのはけっこう手間でした。

それから、ページの頭に戻ってアニメをリプレイするボタンも付けました。

これは、アニメが終了してウィジェットを閉じて次ページに進んだときに、「まてよ、もう一度前ページを見よう!」と思って前ページに戻ったとします。そしてページをタップしてアニメを見ようとしたときに、再生されないときがあるんですね。

つまり、アニメが最終フレームで止まったままの状態です。オブジェクトがメモリー上に留まっているんでしょうね、きっと。

iBooksリーダーアプリがどのタイミングでそれを破棄するのかよく判らないので、リプレイボタンを付けました。でも、いずれにしてもリプレイボタンは必要でしたね。

さて、なんとか完成にこぎ着けたとはいえ、時間がかかり過ぎたし、消耗してしまいました。

たぶん最初に【時空マジシャン】や【Wings】という長編~中編作品でトライし上手く行かなかったわけですが、その時かなりのエネルギーを使い果たしたかもしれません。

そして「iBooks Author」で【ナナのかぼちゃパン】に取り掛かった時点では、もうすでにかなり消耗していたような気がします。

その後なにか問題点に遭遇する度に、制作ペースがどんどん落ちていきました。自分では何があっても淡々と制作を進めていくつもりでいましたけど、徐々にボディブローのようにパワーが奪われていたかもしれません。

それと自分がやりたいモーションコミックというものの位置関係がビミョーで、ときどき行き先を見失いかけたりしました。

マンガリーダー対応の一般的な静止画ベースのマンガと、ゲームや色々なツール等のアプリの狭間で、モーションコミックというマルチメディアベースの新しいマンガの立ち位置を模索しながらの制作でした。

自分としては目標に向かって自分なりに計画的に進んでいるつもりでも、問題が複雑でどうしても手探り状態にならざるを得ない状況が繰り返されると、徐々に消耗してきます。

でも今回、自分のベースとなるモーションコミックの形が出来つつあるので、これに改良を加えるということで次に進めそうです。

【ナナのかぼちゃパン】は短編なのに、「あとがき」まで書いてしまいました。

「はじめに」や「あとがき」や「取材記」など、本編に付随するコンテンツが好きなんですよね。

今回は「かぼちゃパンのレシピ」が付録でしたけど、この次の作品にも何か付けたいところです。

さて次回は、いよいよ「iBooks Author」のツールバーの「公開」をポチッとする予定。