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動画・音声・インタラクティブ性などで織り成す新スタイルのマンガ制作日記

iPad版:先に進まなくては!

2011-01-31 20:02:19 | iPad版制作日記

電子コミック【時空マジシャン】のiPad版制作は、Packager for iPhoneで出来るところまで進めているところです。『よっしゃ、Packager for iPhoneでいくぜ!』ではなく『出来るところまで...』という頼り無さげなのは、実際そういう心境なので(o・ω・o)。

1月5日のブログで、「Packager for iPhoneを選ぶ理由」と「iPhone SDKを選ぶ理由」を自分なりにまとめ頭の中を整理しようとしましたが、悩ましい状況は変わらずに結局「Packager for iPhoneで出来るところまで...」というわけです。

上の画像は、Chapter.2のオープニングムービーの占い師が水面に映る自分の顔を見つめているシーン。このシーンは水面がゆらゆらと揺らぐ表現をActionScript3.0のプログラムで揺らめかしているので、けっこうCPUに負荷がかかるところです。

iPadでもちゃんと揺らめいてくれるのかさっそく実機テストしました。Packager for iPhoneで.swfファイルを.ipaファイルに変換後、iTunesに登録 → iPadにコピー。

iPadにインストールされたテストアプリのアイコンを『ちゃんと揺らめいてくれよ(;゜Д゜)σドキドキ』と念じつつ
タップ。

結果はユラユラではなく、ユ......ラ......ユ......ラ............ユララ......でした。う~む、これはこのままでは使えませんね。Flashでオーサリング時の工夫で乗り切れるものか、それとも...。

これから本格的にiPad版の制作に取り掛かると、このような問題は頻出することは明らか。

でもとにかく先に進まなくては(g>o<)g。

ところで上記のテストアプリのファイルサイズですが3.3MByteほどあります。このカットだけでこのサイズだと、Chapter.1のオープニングムービーとページマンガを合計するとかなりのファイルサイズになりそうです。

『う~む、大丈夫であろうか』

ちなみに上記テストアプリは.ipaファイルに変換前、つまり元の.swfファイルは72KByteほどです。『か、軽い...』

もともとウェブコミック【時空マジシャン】は、ウェブブラウザで観ることを前提に最適化しました。ブロードバンド時代とはいえ読み手の環境は、回線速度・PC環境ともにまちまちなので、平均的な環境でストレス無く観れることを目標にしています。

つまりページマンガのほうは1ページあたり200~300KByte、OPムービーの場合1ファイルあたり200KByte前後の.swfファイルを連結しています。このぐらいの大きさで何とか画質とファイルサイズ的には自分としては納得しているわけです。

これからiPadアプリに関しても、自分なりの最適サイズを探さねばなりません。『う~む、そうか...72KB → 3.3MBですか』

iPadアプリとして画質的・ファイルサイズ的に最適化する場合、Flash → Packager for iPhone → iPadという流れでは難しいものがありますね。

でもとにかく先に進まなくてはp(>o<)q。

そうそう上の画像の上下の余白なんとかしなければなりません。かっこ悪いし。

それにしてもiPadアプリのファイルサイズが例えば100MB~200MBになったとしたら、ちょっと気軽にダウンロードできるサイズじゃないですねえ...

でもとにかく先に進ま(>o<)...ちょっと厳しくなってきました。





【時空マジシャン】OPムービーcut11の2

2011-01-27 19:31:00 | Weblog

この間近くの楽器店に立ち寄りました。最近は物欲があまり強くないんですけど、楽器店だけは入ると楽しげなモノがたくさんあってつい買っちゃうんですよね。

だからあまり行かないようにしています。でも今回はマイクの変換アダプタが欲しかったので、楽しげなデジタル楽器類はあまり見ないようにして目的のアダプタ売り場に直行しました。

ところが欲しいタイプのアダプタが無くて、店員さん曰く「アダプタを二つかませて変換するよりケーブルごと換えたほうが良いですよ」とのこと。じゃあそうしようかと思ったんですが、けっこう高価だったのでひとまず我慢、買いませんでした。

家に帰って机の後ろに置いてある機器類にふと目をやると、そこには以前衝動買いしたまま使いこなしてないモデリング・プリアンプなるものが...そしてそのプリアンプには例の変換ケーブルが刺さっているではありませんか。

『ガーン! 危なかった、また同じものを買ってしまうところだったΣ!( ̄□ ̄;)』

『最近多いかも...物欲の減退と共に訪れる二重買い...こ、これはボケの始まりかも!?』

『そうに違いない! もっとあれを食べねば!』

あれとは魚や豆など。魚、特に青魚にはDHAやEPAなどが多く含まれ血流をさらさらにして脳の働きを良くします。また大豆に含まれるレシチンも脳や神経の細胞を若々しく保ってくれます。

というわけで最近食生活に気をつけている私、Shigです( ̄ー ̄)。

上記のように苦労して(?)録音した音声を今回使いました。

『Tiens, Madame!(ティアン、マダム)』という音声です。上の画像で市場のあんちゃんが林檎を占い師に差し出しながら言います。

「どうぞ!」これあげるよ、っていう感じですね。

近くにフランス人がいればお願いしたいところですが、私の周りにはいませんのでとりあえず自分で録音しました。そのうちパリジャンを見つけて再録音する予定(パリジャンじゃなくてもいいですが)。

今、もう一度再生して自分の声を聴いてみたんですが、なんか急に恥ずかしくなってきました("▽")。は、早くパリジャンを探さねば。

ところでオープニングムービー全体を連結してアップロード後動作チェックしたところ、外部の.swfファイルがスムーズに表示されない状況です。

ここまで制作してきてたまにそのような不具合があったのですが、今回はムービーの後半のほとんどが.swfファイルをロード後一瞬チカチカッとするような感じできれいにつながらないようです。

ただいま原因を調査中。


本編(OPムービーの頭から再生)⇒ 【時空マジシャン】Chapter.2 オープニング・ムービーcut1~11の2

本編(OPムービーの水面シーンから再生)⇒ 【時空マジシャン】Chapter.2 オープニング・ムービーcut9の6~11の2





【時空マジシャン】OPムービーcut11の1

2011-01-18 17:47:12 | Weblog

【時空マジシャン】Chapter.2のオープニングムービーのCut11の1をアップロードしました。→水面揺らぎシーンから再生

前回のブログで、林檎をわしづかみにした手のアップ画像をお見せしました。今日アップしたムービーでは、星の女神の笑顔から林檎の画像へと夢から覚めるように変わっていきます。

そしてハッと我に返る占い師。それが上の画像です。

このOPムービーの冒頭は、タロットカード華やかしき頃の18世紀マルセイユのとある市場から始まっています。その市場の片隅にたたずむ占い師。彼女は自分の占い師としての暗中模索時代を振り返るように追憶の世界に没入するのでした。

そして今回、目の前に林檎を突き出されてハッと我に返るわけです。でその林檎の手の主は誰? それは市場で働くあんちゃんでした。台車を引いて歩いている若いあんちゃんがいたでしょ? えっ、知らない? もう一度冒頭部を良く見てくださいよ(´・ω・`)σ゛→冒頭部から再生

本当は台車のあんちゃんが、占い師に向かって林檎を突き出しているシーンまで描きたかったのですが、今回はそこまでたどり着けませんでした。

それにしても上の画像の占い師、やけに幼い顔になってしまいました。モデリングデータはそのままなんですけどね。

この若き占い師の年齢は20代前半くらいの設定です。でもモデリングするときはもう少し若いイメージで作っています。

なんでかっていうと若い顔にメイクを施して、もう少し年上の顔にもっていこうというわけです。メイクばっちりの女性が、メイクを落とすと急に幼い顔になったりしますよね。そんな感じでキャラクターを作っているので。

ここでいうメイクとは、モデリングデータに貼り付けるテクスチャーマッピングの画像にフォトショップでアイシャドウを描いたり、ポストワークで唇の発色を良くしたりという感じです。

ところがやや若く作ってメイクで年齢を上げるというつもりでしたが、最近どうもメイクをしてもあまり良い感じにならないんですよね。「春を彩るメイクアップ♪」というようなウェブページを参考にポストワークで描いてみても、どうもクドくなるばかりで魅力的になりません。

上の画像の占い師がちょっと幼くなってしまったのは、そんなわけでメイクアップをあまりしなくなったせいでしょうか。

いやいやそればかりじゃないような気がします。ハッと驚いている顔なので、目をまんまるく見開いて口もぽっかりと開いている表情が子供っぽいんですね。

さらにフードを頭からすっぽりと被っています。赤頭巾ちゃんじゃないですが、フードなどをすっぽり被ると髪がかくれるせいか可愛くなるような気がします。それらの条件が重なって幼な顔になってしまったんですね、きっと。

今回この占い師の画像を作りながらちょっとした発見がありました。

それは3DCGでもかなり表情が豊かであるということ。

普通一コマ一コマペン画で描くマンガは、その時の表情を新たに描くため非常に豊かな表情を持っています。一方3DCGで描く画像の場合は、毎回新たにレンダリングはしますが、モデリングデータを頻繁にいじるわけではないので出来上がった画像が同じ固定された表情になりがちです。

と思っていたのですが、固定されるどころか毎回違った表情を見せてくれます。そのシーンごとに背景などを作ってキャラクターを配置してレンダリングするのですが、けっこう予想外の表情になったりしてかえって困ったりします。

ポストワークで時間が止まったようなキャラに血を通わせるという作業は相変わらず必要ですが、3DCGを使って描くマンガの奥深さを感じさせてくれました。






【時空マジシャン】なぜか林檎

2011-01-11 19:11:07 | Weblog

さて今日は【時空マジシャン】Chapter.2のオープニングムービーの続きを少し作りました。

上の画が制作中のスクリーンショットです。林檎をグワシと掴んだ手...なんで林檎?

前回は、占い師が星の女神と遭遇したところまででした。女神が占い師に気付き、微笑みながら頷いたところまででしたよね。

その女神の顔のアップからいきなり林檎? それに林檎を掴んでいるこの手は誰なんでしょうか? Flashで今そのシーンを作っているところなので、アップロードするまでしばし待たれよ...です。

このChapter.2のOPムービーでは、占い師というキャラクターの背景や人となりを一気に描いてしまうつもりでした。そしてその素性のはっきりとした占い師が、主人公のマジシャン・ブルーを追っかける、つまりタロットカードから抜け出た(?)マジシャンの意味を探っていくという展開にしたかったわけです。

謎の占い師が謎のマジシャンを追っているのでは何がなんだか解りませんからね(∩_∩)。

というわけで若き占い師が、占い師として開眼する道程をタロットカードの中から数枚選んで、そのイメージを借りながら「占い師誕生秘話」のような画コンテをおこしました。

その画コンテに沿って画像を作り、Flashでオーサリングを開始。すぐに『失敗したかも...(‐ω‐;)むう』と間違いに気付きました。

なにを間違えたかというと、開眼するあたりを重点的に描こうとしたことです。画コンテでは、占い師がタロットカードの「星の女神」に出会い、さらに「吊られた男」の眼力で占い師の魂が分離するかのように視野が開けていき...というようなシーンに力を入れるつもりでした。

ところが占い師の人となりを表現したいのならば、開眼する前の苦悩している時期をより重点的に描くべき。特に母と娘の確執、つまり芸術家肌ながら現実的で頭のきれる母と、巫女体質というか天の声を聴く能力がある娘の解り合えない平行線のシーンを描いてこそ、遺伝子レベルで占い師の人となりが表現できると気付きました。(本編では母親の背景までは描いてませんが)

そんなわけで画コンテになかったエピソードを挿入し始め、さらになんとFlashの表現力アップのためActionScript3.0に移行しました。制作途中にもかかわらず...

そのあたりからでしょうか、占い師の苦悩とともに制作者の私も厳しい状況に追い込まれていきました。

そうそう、パソコンが一昨年前に引き続き再びクラッシュしたのもこの頃じゃなかったかな...

でも現在こうやって、Chapter.2のOPムービー完成まで後一歩というところまでこぎつけました。めでたしめでたし(* ̄(エ) ̄)/゜祝*...てまだ安心できる状況ではありませんでした。懸念材料もあるし。

懸念材料は2~3ありまして、今このブログを書きながらとりあえず私の頭を占めている懸念は、OPムービーとページ単位のコマ割りマンガの分離感をいかに払拭するかということです。

占い師という現代人の視点でOPムービーを描き、同時にマジシャン・ブルーという未だに得体の知れない主人公が、天正時代の日本で現地の事件に巻き込まれていくというページマンガ、この二つの視点を持って立体的に描くというアイディア。

そのアイディアとそれを形にする自分の能力のギャップに苦しんでいます。

「シンプルにいくべき」という心掛けを欠いていたことを後悔しても始まりません。

生みの苦しみを味わいながら、描ききるだけですε=( ̄‥ ̄)ムフッ。




iPad版:続・Packager for iPhoneを試す

2011-01-05 19:53:13 | iPad版制作日記

あけましておめでとうございます。2011年最初のブログは「続・Packager for iPhoneを試す」です。

前回のブログ「Packager for iPhoneを試す」のとき、動作チェックしたらボタンや音楽がうまく動作しなかったと書きました。で原因はPackager for iPhoneでiPadアプリに変換した元ファイルの.swfファイルがMacromedia Studio8時代に作ったものだった、つまりActionScript2.0以前のスクリプトで書かれたものだったので『そりゃあ、動かないよね』ということでした。

早速ActionScript3.0で書き直して動作チェックしてみました。上の写真はiTunesからiPadにコピーしてアプリを動かしているところです。

前回は、【時空マジシャン】Chapter.2の6ページ目の.swfファイルを使いましたが、今回は21ページ目のそれで動作確認をしました。こちらのページの方がシンプルな作りなので、短時間でActionScript3.0への書き換えが出来たので。

で結果は、問題なく動きました(ノ^-^)ノ♪。

ボタンの動作もサウンドの再生も問題なし! WebブラウザーのFlash Playerで再生するのと変わらない動作をしました。多少アニメの動きが緩慢ですが許せる範囲。

ではまるっきり気になる点はないのかというと、一つあります。画質です。

発色も良く一見きれいなんですが、Flash Playerでの再生と比較すると画質が粗い感じがします。JPEG圧縮のようなぼけぼけした粗さや強く圧縮したときのボックスノイズのようなきたなさではなく、ピクセルのジャギーが目立つような感じ。コントラストが強いようなくっきり感は嫌いではないんですが、オブジェクトの輪郭に施したアンチエイリアスが半分くらいとんじゃって、ジャギー感が強いです。

Flashの圧縮って、画質のきれいさとファイルサイズの小ささでいつも感動ものですよね。その.swfをさらに変換してるわけなので、この結果は十分高画質と満足すべきなんでしょうけど...元画質をいろいろ換えて思考錯誤が必要です。

さてどうするか...Packager for iPhoneでiPadアプリを作るか、それともiPhone SDKで当初の計画どおり進めるか。

年末年始、雑煮を食べてお酒を飲んだり、麻雀をしたりしながら考えました(= ̄▽ ̄=)。

その結果、現在のところPackager for iPhoneに傾いています。コマンドラインからエンターキーをバシッとたたいて待つことしばし...うまくいけばかなり短期間で開発可能です。もちろん直す箇所もたくさんあるだろうし、新たな問題点も出てくるでしょう。

ちなみにどちらを選ぶかここ数日考えたときに列挙した「Packager for iPhone」と「iPhone SDK」の選ぶべき理由を以下に書いてみました。



Packager for iPhoneを選ぶ理由

 ・ワンソースマルチデバイス(いままで作ったswfファイルを利用できる)

 ・短期間でできそう(そううまく行かないとは思うが)

 ・Flashはウェブコミックのようなコンテンツ制作に向いているツールである

 ※否定的な要素

  ・iPadのユーザーインターフェースの魅力を十分に引き出せないかもしれない

  ・Appleが規制緩和したとはいえ、ウェルカムというわけではない


iPhone SDKを選ぶ理由

 ・iPad/iPhoneアプリ開発のためのツールである(デバイスの魅力を最も引き出せる)

 ・自分にとって新たなこのツールを使うことでFlashとは違った魅力の電子コミックが出来る可能性がある

 ・Objective-Cを習得できる

 ※否定的な要素

  ・ウェブコミックのようなコンテンツ制作に向いているとはいえない

  ・開発期間がかなりかかりそう

  ・難しくて挫折する可能性あり



上記のように列挙しながら頭を整理しつつ考えたわけですが、何といってもワンソースマルチデバイスが理想的であることに間違いはないですし、うまくいけばある程度短期間で完成ということで、Packager for iPhoneで出来ればいいなという気持ちになっています。

このように「Packager for iPhoneを選ぶ理由」「iPhone SDKを選ぶ理由」などと書くと『どっちでもOKだぜ! さあ、どっちだ?』みたいですけど、そんな余裕がある話じゃなくて、『これでいけるのか? 本当に大丈夫か?』といった感じデス(;・д・)!!。

とにかくこの方向でもう少し調べてみます。