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動画・音声・インタラクティブ性などで織り成す新スタイルのマンガ制作日記

はじめてのiPadシミュレータ

2010-08-27 11:37:40 | iPad版制作日記

このブログはwebcomic【時空マジシャン】の制作日記です。いつもはFlashでウェブコミックを作っているんですが、平行してiPad対応版も作り始めました。といってもまだ準備段階でようやく制作環境が整ってきたというところ。

前回のブログ【iPad版の制作環境つづき】では、iPadアプリの開発ツールであるiPhone SDKをダウンロード、インストールしたところまで書きました。

2~3日前にiPadシミュレータを使って簡単なiPadアプリを作ってみたので、今日はそのときのことを書きます。

iPadシミュレータはiPhone SDKに含まれているツールの一つで、iPadの実機を使わなくてもアプリの動作確認ができるソフトです。もちろん最終的には実機でのテストが必要ですが。

そのiPadシミュレータで動作確認しながら作ったはじめてのiPadアプリが、上の画像です。

TAP!と書いてあるボタンをトンと叩くと水着のお姉さんの画像が現れ、もう一度叩くと消えるという簡単なもの。ウェブコミックにとって画像の表示とタップ等のタッチインターフェースによる双方向のやり取りは欠かせない要素なので、しっかりと押さえておかねばなりません。

このアプリを作りながらiPadアプリ開発の基本が少しわかりました。

 1.Interface Builderで画像やボタンを配置して画面デザインを作る
 2.Xcodeでコーディングする
 3.2で定義したメソッドとアウトレットを1で配置したGUIコンポーネントと接続する
 4.ビルドする
 5.iPadシミュレータで動作テストをする

上記のように主な手順をシンプルに書きましたが、画面に配置したボタンとXcodeで書いたメソッドを接続する作業(上記3)はまだ馴染めません。コントロールキーを押しながらボタンをずりずりっとドラッグして、File's Owner(ViewControlerクラス)のアイコンの上まで持っていき結びつけるというやり方なんですけど。慣れの問題ですかね。

さてここまでの感想としては、Flashがクリエイター寄りのツールだとすれば、こちらはやはりプログラマー寄りでしょうか。Flashはその出自がFutureSplash Animatorというアニメーション制作ツールなので当然といえば当然ですが。

Flashにはタイムラインという時間の流れがあって、そこに画像を配置していくことでウェブコミックではストーリーの流れを作っていました。それが大前提だったわけです。

このXcodeとInterface Builderという開発ツールでは、その大前提を取っ払って代わりにウェブコミックに合った使いやすいテンプレートを作れるかどうかが鍵ですね。

そういえば今この文を書いていて、若手のあるプログラマーのことを思い出しました。

彼は部署のリーダーからFlashを担当するように命じられ、Flashのパッケージだったか解説書だったかを抱えてぶつぶつ言いながら自分の席に戻ってきました。

「俺、こういうの苦手なんですよねー...普通の言語が良かったのに...ぶつぶつぶつ」

たしかにテキストエディタなどで頭からがりがりコーディングしていくタイプのプログラマーにとっては、Flashのようにタイムラインがついていて勝手に時間が流れていくタイプのツールはやりにくいんでしょうね。

FlashもActionScript3になってからはJAVAライクになってきましたが、マクロメディアのころはクリエイターの個性がスクリプトにもけっこう表れるような『おおっと、こんな書き方するのかΣw(゜д゜* )w』みたいな自由度があったような気がします。

その分、前任者のクリエイターのファイルを引き継いだ人が、新バージョンに書き換えるときの苦労もひとしおだったようですけど(^^;)。






【時空マジシャン】OPムービーcut10の1

2010-08-20 15:49:13 | Weblog

さあ、cut10です。画コンテのcut9にはふらふらと歩く占い師が、cut10には裸のお姉さん(タロットの星のイメージ)が描かれています。現在制作中のcut10とはちょっとずれますが気にしないでください(^^;)。

cut9に後から加えた月のエピソード(母と娘の確執)が、水面の揺らぎ表現ありActionScript3.0の導入ありなどで非常に大変な制作になってしまいました。

画コンテの段階では、占い師がタロットの啓示を伝える伝道師として開眼するあたりにフォーカスしていたので、その前段階のエピソードはカットするつもりでした。OPムービーなのであまり長編にはできないし。

でも制作開始するやいなや、占い師の人格形成に重要な影響を与えた親子関係のエピソードを先に描かねばならないということに気づき、そこから茨の道が始まったのでした。

その茨の道も何とか通り抜け、森の中をとぼとぼと歩く占い師。上の画像ですね。この森も今までのシーンと同じく占い師の脳内スケープ、つまり占い師として修行時代の心象風景です。

占い師の手前には川が流れています。『またも水の表現か、う~むむむ...』

でもこちらはサラッと描くことができました。簡易表現ですが。

簡易表現。私の好きなチープな表現です。チープといっても安っぽいというわけではなく(めちゃくちゃ安っぽくなってしまうときもあるけど)、手間をかけず簡単にでき、なおかつどこかキラッと光るかわいい感じな表現(にできればいいな)です。

 1.まず川の水面の画像をレンダリング(ここではVueを使用)

 2.その画像をFlashで読み込み、モーショントゥイーンで川上から川下に適当な速度で動かす

 3.同じ画像を上のレイヤーで逆方向(川下から川上)に動かす(こちらの画像は透明度を半分くらいにする)

実物のアニメはこちら(OPムービーの水面シーンから再生)⇒ 【時空マジシャン】Chapter.2 オープニング・ムービーcut9~10の1

流体力学を駆使したゴージャスな表現はもちろんすばらしいですが、このお手軽なチープ表現も自分としてはけっこう気に入ってます。

昔、川をじっと見つめていて(=^ェ^=)(釣りでもしていたんでしょうかねぇ)、初めは普通に川上から川下に流れていた水流がいつのまにか逆向きに流れているように見え始めました。目の錯覚ですね。

そんなこと思い出しながら試してみたら、なかなかいい動きをしてくれたので採用。

とぼとぼ歩く占い師の明日はどっちだ。


本編(OPムービーの頭から再生)⇒ 【時空マジシャン】Chapter.2 オープニング・ムービーcut1~10の1





【時空マジシャン】p19~20音声付加

2010-08-10 18:53:06 | Weblog
本編はこちら⇒ 【時空マジシャン】Chapter.2 本編19~20ページ

土日にウェブコミック【時空マジシャン】の音声を追加し、アップロードしました。今回音声を付加したのはp19、20の2ページ分です。

Chapter.2の19ページ~23ページまで音声無しのままだったので、『早く入れねば!』と気にしつつも時間が経ってしまいました。

『今日は一気に残りの音声収録とオーサリングやるぞー!』と取り掛かったのですが、早速19ページの鷲爺(ワシジイ)の声でつまずいて先に進まず(-д-;)。

猫のくろ太や鷲爺等の動物の声は普通の声ではおもしろくないので、だみ声にしたりしゃがれ声にしてます。そしてさらにサウンドエディターでピッチシフトやディストーションなどのフィルターをかけるので、その結果聴き取り難い音声になりがちです。

うまくいって短時間で録れるときもありますが、はまると延々と終わりません。

というわけで今回は2ページ分。っていうか後のページはほとんどすずめの声なので、オーサリングさえすればOKなので近いうちにアップする予定。

6月21日のブログでハードディスクがクラッシュしたもよう、と書きました。そのクラッシュしたPCはそのままにしておいて、今サブマシンで制作作業をしています。

このサブマシンもマルチメディア・コンテンツを作るスペックはあるのでその点では問題ないのですが、ウェブコミック制作用PCとして熟成するにはまだ時間がかかりそうです。

ADOBE CS4やPoser、Vue、Metasequoia、Carrara、Sound it!、BRYCEなど使いなれたソフトをインストールしながら自分にとって一番使いやすいウェブコミック制作環境を作り上げていきます。

それまで安定した環境をこわしたくないので、アップグレードしなかったソフトもこのときとばかりにバージョンアップします。といっても必ずしも最新パージョンではないんですが。

たとえばVue。今回インストールしたのはVue7です。世の中はVue8の時代なのにね(^^*)。

最新版が発売される直前に旧バージョンが叩き売りみたいに安くなったりしますが、このVue7もそのときに購入してそのままになってました。

夕方になるとスーパーで刺身の盛り合わせが半額になるように、アプリケーションもその時期がねらいめ
v(^◇^)v。

最近は何か画期的な機能でもないかぎり最新バージョンでなくてもいいですよね。せっかく馴染んできていい気分で使っているのに無理やり変えたくないし。

そんなわけでツール達が一斉にニューバージョンになったので、不安定な状況がしばらく続きそうです。







iPad版の制作環境つづき

2010-08-05 11:14:50 | iPad版制作日記

気温ばかり暑い日が続いているにもかかわらず、webcomic制作のほうは相変わらず坦々とちょっとづつ進行している日々です。

毎年この時期になると『今年こそは熱く燃える夏にするぜー!』と思うんですが、夏が終わったとき『この夏は熱く燃えて燃え尽きた...満足!』というようなことはめったにないんですよね。

別に海や山でキャンプファイヤーしなくてもいいし、サマーカーニバルで熱狂乱舞しなくてもいいんです。ただウェブコミック制作でキャラクターの生き生きとした表情やシーンをうまく描くことができ、『さあ次のシーンに取り掛かるぞ!』とわくわくした気持ちでPCに向かうことさえできればそれで満足なのです。

考えてみると今描いているOPムービーは、占い師が壁を乗り越えようと暗闇をさまよっているシーンなので、これを描きながら熱く燃えようってのがおかしいか...そうか、そうだよね。

さて、一人で納得したところで今日は【iPad版制作環境】のつづき。

iPadとMacintoshというハードウェアの準備は整ったので、次はソフトウェアの開発環境、つまりiPhone SDKをインストールしなければ始まりません。

iPhone関連の解説書によると、AppleのDeveloper登録時のログインで使用するApple IDは新たに取り直したほうがよいとのこと。つまり普段iTunes等で使っているApple IDでDeveloper登録するのは避けたほうが無難らしい。

住所など個人情報が日本語でデータベースに登録されていると、文字化けなど後々やっかいなことになるようなので、新たに半角英数字で入力したApple IDを再取得することを薦めるという意味です。

なるほどというわけで、私もDeveloper登録用に新しいApple IDを取得することにしました。

AppleのiPhone Developer ProgramのページからApple Developerの登録をするときに、新たなApple IDを取得しました。

このApple Developerの登録時にいろいろと聴いてくるんですよね。「どんなタイプのアプリケーションを開発する計画か?」とか「APPLEプラットフォームでの開発経験は何年くらいか?」とか...

ちょっと考えたり辞書引いたりしているうちに10分過ぎてしまうと、タイムアウトでセッションが切れてしまい、最初から入力し直さなければなりません。

トイレ行ったりして結局2回ほど最初からやり直し、けっこう時間がかかってしまいました(^^;)。

新しいApple IDでログインし、iOS SDK 4.0.1をダウンロード。

私が持っている解説書は、iPhone SDK 2.2.1や3.2を前提に書かれているので、『ちょっと新しすぎるよなぁ...』などとつぶやきながらとにかくインストール開始。

インストールの種類はデフォルトのままの標準インストールで普通にインストール成功、と思いきや何かダイアログが表示されました。

「iTunesを終了させてください!」と言っているもよう。

iTunesなど起動してはいませんが、アクティビティモニターを確認してみたらiTunesのプログラムが細々と動いているではありませんか!

そのプログラムを強制終了したところ、無事インストール成功。

これでMacintosh上でシミュレーターで動作を確認しながらのiPadアプリを開発する準備まではできました。でもまだiPadの実機で動かしたり、App Storeにアプリを登録したりはできません。そのためには有償のiPhone Developer Programアカウントの取得が必要です。

早くiPadならではの持ち味を活かした、ウェブコミック【時空マジシャン】の制作に取り組みたいものです。

あまり準備段階でエネルギーを消耗したくないところですが、落ち着いてコンテンツ制作に没頭するためにも準備はきっちりやらねばなりません。