世田谷区議会議員・田中優子の活動日誌

「区議会議員って何をしているの?」がわかるブログです。議会報告、議員活動、趣味・日常・プライベートもアップ!

決算委員会「福祉保健」(「夢のみずうみ村」視察報告)

2006年10月10日 | 議会報告
決算特別委員会、今日は、「福祉保健領域」の質疑の日でした。

朝10時、トップバッターがウチの会派「せたがや政策会議」。最初は富永さなえ議員が質疑を行ない、その後、私にバトンタッチ。

私からは、①自殺対策について(遺族のケアを含む、国の動向を受けての区としての取り組み)、②これからの福祉「バリア有り」の発想に学ぶ、続編(夢のみずうみ村のデイサービス、新たな取り組みについて)の、2つの項目について質疑を行ないました。

さて、その、山口県の山口市と防府市で行なわれているデイサービス「夢のみずうみ村」の視察報告を兼ねて、今日の委員会で使ったパネルの写真を以下に掲載しながら、報告いたします。


   
「夢のみずうみ村・山口デイ」の入り口。
正面と両端に用意されているのは、デイサービスプログラムと個々人のスケジュール表。自分でやりたいことが選べるようになっています。メニューは100以上ありますが、通常50種類ぐらいが用意されています。

「何もしない」「ボーっとする」「気分次第」というものもあり、また「見学案内」というのは、毎日訪れる視察者の案内を、要介護者である利用者の方が案内する、というものです。

この他に「PTA」というのもあって、自分より介護度の重い人のお世話をする、というものです。とてもユニークな発想です。



   
こちらは、海側にある「防府デイ」。
プログラムやデイサービスのあり方は山口デイと同じ。テーブル、イス、家具などがたくさん置いてあって、家庭と同じようにバリア(障害物)をつくり、1歩踏み出せば、何らかの家具につかまって歩くことが出来るように、工夫されています。


   
こちらが、選べるデイサービスプログラム。毎回、今日は何をしたいか?自分で考えて自分で選びます。何一つ、強制されるものはありません。こんなデイサービスだったら行きたくなるなー、と私も思いました。


            
こちらは「施設内通貨・ユーメ」
この施設では、何一つとして無料で参加できるものはありません。何をするにも、必ず「ユーメ」を支払わなければなりません。

パンづくりには50ユーメ、コーヒーを飲むには1ユーメ、昼食(バイキング形式です)には10ユーメ、というように。ユーメの銀行もあり、皆さん、通帳を持っていて、ユーメ通貨(お札)もそれぞれのバックに入れて歩いています。

ではどうやって「ユーメ」を稼ぐか?
今日のプログラムを自分で選んでボードに貼り付けたら5ユーメ、施設内の廊下を歩ききったら○ユーメ、見学案内をしたら○ユーメ、巡礼をしたら○ユーメ、というように、ちゃんと稼ぐ機会が用意されています。



  
あえて、バリア・フリーではなく、バリア・アリー(有り)で、介護リハビリの工夫が施設全体でなされていますが、長い廊下のあちこちに、ちょっと休憩した時に手を使うリハビリ(ひも結び)が用意されています。

また、階段もとても急で、高齢者介護施設とは思えないほど。踊り場も設けていません。ここを頑張って上り下りすることがリハビリとなっているそうです。


   
この廊下は60メートルだったか、とても長いのですが、写真ではよくわからないかもしれませんが、微妙に、前後、左右と、勾配がつけられています。「もたれかかり移動、修行の道」とあるように、手すりはありません。自力でもたれかかりながら、長い廊下を歩きましょう!という戦略です。

     
         

          
海側にある「防府デイ」では、クルーザーが用意されていて、クルージングや釣りが楽しめるようになっています。日本中どこを探しても、釣りができるデイサービスなんてあるかなぁ??と思いました。(私が視察に行った日はこのように雨で、海の色も空の色もイマイチでしたが、快晴の日はすばらしい眺めだそうです)


 
極めつけのプログラムは「カジノ」!
毎日3時になると、施設内カジノが開催されます。花札、ルーレット、射的、ボーリング、トランプ、等々、色々なゲームが用意されていて、「ユーメ」を使って参加。勝てば「ユーメ」をゲットできます。皆さん、jこのカジノをとても楽しみにしている様子でした。


以上が、今日の決算委員会にて使った写真(パネル)です。

百聞は一見にしかず、と、好評でした。


この他にも、リハビリ用のプールもあって、すばらしい施設、そしてすばらしい内容のデイサービスでした。(写真右は、昼食のメニュー。ハンバーグ、マカロニサラダ、もやしの味噌汁、ご飯、漬物、ぶどう。バイキング形式なので、各自、みんな自分の茶碗を出して、並んで、好きなだけ盛って、テーブルまで移動して食べる、という、これもリハビリの一環だそうです)

 


なかなか、これだけの大規模施設を都内で、というのは難しいですが、例えば、廃校跡地や、世田谷区で言えば、梅が丘病院跡地や廃止される公務員宿舎の一部など、全く手がかりがないとはいえないと思います。(現に、厚生労働省の担当者が、都市型施設である、ぜひとも都市で進めたい、と言っているそうです)

世田谷区に、このような、みんなが行きたくなるデイサービスが出来たらどんなにいいでしょう?!

今すぐ実現することは不可能かもしれませんが、先見の明を持っての提案をしました。まずは、区の職員に視察に行って勉強してもらい、世田谷区でも研究を進めてほしいと思います。


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