つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

生徒数いくつ?

2006-07-02 17:25:38 | マンガ(少女漫画)
さて、いちおうホラーなんだけどの第579回は、

タイトル:すっくと狐(文庫版全7巻)
著者:吉川うたた
出版社:朝日ソノラマコミック文庫

であります。

主人公の実花が通う高校で1年生がプールで水死すると言う事件が起きた。
事件の話をしながら親友の弓弦と帰宅する途中、校舎の拡張のために取り壊すと言う噂のある古い社に来たときに、社の神だと言う色黒の男、となうと出会う。
まだ人死にが出ると言う唱の言うとおり、またもや水死者が出て、実花は唱の言うとおりに力を貸し、水死者の原因である水の妖怪を倒す。

……と言うのが第1話で、ここから様々な妖怪を相手に実花と唱の戦いが始まる。

なーんて書いてると、なんか少年マンガみたいやなぁ。
最初のころはほんとうに様々な妖怪に好かれる(?)実花の周囲で起きる怪事件に、唱が解決すると言うスタイルが基本なのだが、「ひのえんま」(丙午)生まれとされる実花の持つ狐……天狐の力を増すと言うことなどから、次第に実花と唱の恋愛ものの色が濃くなっていく。
まぁ、文庫版だと2巻あたり(単行本では4巻くらいかな)で実花と唱はくっつくので、中盤から完結に至るまでは玄狐の嫁、と言う立場で実花はよく妖怪に付け狙われるんだけど。

あとは、唱とおなじく社に住む他の天狐たち、数珠掛じゅずかけ稲荷のかのう夜ノ森よのもり稲荷のあとう、与の姉の小刑部姫を含め、唱ひとりではどうにもならないような相手と共同戦線を張る話や、それぞれの外伝、実花の親友の弓弦の話など、ストーリーのスタイルとしてはオムニバス、もしくは数話くらいの短い連載もので構成されている。

文庫はソノラマだけど、もともとはぶんか社のホラーMコミックスから出ていたホラー系のマンガで、人死にや妖怪を倒すあたりのシーンなど、けっこう不気味でえぐく描いてはいるけれど、だからと言って怖いかと言うとさほどでもない。
少年マンガっぽいところもあるし、恋愛ものの部分はさして特徴的というわけではなくありふれた展開ではあるので、ホラー系のマンガにしては読みやすいのではないかと思う。

それにしても、実花や弓弦の通う学校は唱たちの神社、いわゆる鎮守の地の丑寅(鬼門)にあって、妖怪が山のように出て、どしどし生徒や先生が死んでたりするんだけど、よくこの学校の生徒、まじめに通ってるよなぁ。
私なら2、3回、妖怪絡みで人死にが出ると通わんぞ(笑)



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