さて、SFが押され気味なので第384回は、
タイトル:銀河遊撃隊
著者:ハリィ・ハリスン
文庫名:ハヤカワ文庫
であります。
『レンズマン』で知られるE・E・スミス作品のパロディ……らしい。
イマイチ不安があるけど、まずは読んでみて考えます。
超一流のエンジニア・ジェリーと天才科学者のチャックはひょんなことから、あらゆるものを瞬間移送できる新物質を作り出してしまった。
しかし、計算は完璧な筈なのにどうしても大きな誤差が出る……真空中でないと正確な結果が出ないのだ。
大がかりな実験を行うため、ガールフレンドのサリーと共にジャンボ・ジェットに乗り込む二人、しかし予想外のアクシデントで地球外へ放り出されてしまい……。
感想を一言で言うと――
楽しいB級映画
でした、以上。
いや、ほんとにそれ以外何と言っていいか……。(笑)
序盤はやたらアメリカ賛美を繰り返すのが鼻につきます。
それが薄れるのは中盤以降でしょうか、ここらでようやく、すべては作者の皮肉であることが解ってきます。
自らの力と正義を信じて突っ走る主人公達ですが、そのマヌケっぷりは壮絶、つか悪の軍団なら大量虐殺してもいいやみたいなノリで戦ってたら実は……とか。
明らかに元ネタを皮肉ったと思われる大風呂敷も凄い。
強い奴が出たと思ったらもっと強い奴が出る、賢い奴が出たと思ったらもっと賢い奴が出る、木星に飛ばされたと思ったら次は別の星!
最初はただのジャンボ・ジェットだった筈の飛行機も改造を施されてワープするようになるし、長さ1マイルの戦艦だとか、最終兵器まで出る始末。
もう、いつボスコーン様が出てきたって驚きゃしません。
「お前の言葉は決定的でもなければ、確定的でもない~」
んで、手にレンズはめたジェリーがサイキックで戦い、竜の姿のレンズ男も現れ、銀河パトロール引き連れてひたすらドンパチ!
すいません、暴走しました。
笑えるのは確かですが……ストーリー全体を通して見ると破綻している感は否めません。
御都合主義としか言いようのない展開、主人公達のわけの解んない思考回路、頭が痛くなるラスト、正直疲れました――ま、全部作者の皮肉なんでしょうけど。
本作最大の収穫はヒロイズムに酔ってる男共に茶々を入れるサリーでしょうか。
悪(てことになってる)相手に対してかなり安直な正義感で戦いを挑むメンバーがようやく見出した逆転の一手を潰したり、自己犠牲に目覚めて変な意味で盛り上がるところに、自分はそんなの嫌、と言ってみたりとやりたい放題。
位置的には、いわゆるヒーロー物お定まりの『さらわれるお姫様役』なのですが、ひたすら泣き虫なとこを除くとそんな自覚は皆無です……いいヒロインだ。
うーん、古いSFにツッコミ入れるのが好きな人にはオススメ……かなぁ。
コメディSFなら『銀河おさわがせパラダイス』の方が私は好きです。
――【つれづれナビ!】――
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タイトル:銀河遊撃隊
著者:ハリィ・ハリスン
文庫名:ハヤカワ文庫
であります。
『レンズマン』で知られるE・E・スミス作品のパロディ……らしい。
イマイチ不安があるけど、まずは読んでみて考えます。
超一流のエンジニア・ジェリーと天才科学者のチャックはひょんなことから、あらゆるものを瞬間移送できる新物質を作り出してしまった。
しかし、計算は完璧な筈なのにどうしても大きな誤差が出る……真空中でないと正確な結果が出ないのだ。
大がかりな実験を行うため、ガールフレンドのサリーと共にジャンボ・ジェットに乗り込む二人、しかし予想外のアクシデントで地球外へ放り出されてしまい……。
感想を一言で言うと――
楽しいB級映画
でした、以上。
いや、ほんとにそれ以外何と言っていいか……。(笑)
序盤はやたらアメリカ賛美を繰り返すのが鼻につきます。
それが薄れるのは中盤以降でしょうか、ここらでようやく、すべては作者の皮肉であることが解ってきます。
自らの力と正義を信じて突っ走る主人公達ですが、そのマヌケっぷりは壮絶、つか悪の軍団なら大量虐殺してもいいやみたいなノリで戦ってたら実は……とか。
明らかに元ネタを皮肉ったと思われる大風呂敷も凄い。
強い奴が出たと思ったらもっと強い奴が出る、賢い奴が出たと思ったらもっと賢い奴が出る、木星に飛ばされたと思ったら次は別の星!
最初はただのジャンボ・ジェットだった筈の飛行機も改造を施されてワープするようになるし、長さ1マイルの戦艦だとか、最終兵器まで出る始末。
もう、いつボスコーン様が出てきたって驚きゃしません。
「お前の言葉は決定的でもなければ、確定的でもない~」
んで、手にレンズはめたジェリーがサイキックで戦い、竜の姿のレンズ男も現れ、銀河パトロール引き連れてひたすらドンパチ!
すいません、暴走しました。
笑えるのは確かですが……ストーリー全体を通して見ると破綻している感は否めません。
御都合主義としか言いようのない展開、主人公達のわけの解んない思考回路、頭が痛くなるラスト、正直疲れました――ま、全部作者の皮肉なんでしょうけど。
本作最大の収穫はヒロイズムに酔ってる男共に茶々を入れるサリーでしょうか。
悪(てことになってる)相手に対してかなり安直な正義感で戦いを挑むメンバーがようやく見出した逆転の一手を潰したり、自己犠牲に目覚めて変な意味で盛り上がるところに、自分はそんなの嫌、と言ってみたりとやりたい放題。
位置的には、いわゆるヒーロー物お定まりの『さらわれるお姫様役』なのですが、ひたすら泣き虫なとこを除くとそんな自覚は皆無です……いいヒロインだ。
うーん、古いSFにツッコミ入れるのが好きな人にはオススメ……かなぁ。
コメディSFなら『銀河おさわがせパラダイス』の方が私は好きです。
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「銀河おさわがせパラダイス」の方が真面目な感じです。
フール君はかなりズレた人ですが、思考形態は非常に
論理的でしたしね。
同じ括りと言うか、同じ作家扱いになってました…
未読なんですが…。
イメージは間違ってなかったってコトですかね?