つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

借りいぼ

2006-09-03 17:26:17 | マンガ(少女漫画)
さて、借りるとさぶいぼなのさの第642回は、

タイトル:星の瞳のシルエット(単行本全10巻、文庫全6巻)
著者:柊あおい
出版社:集英社 りぼんマスコットコミックス、集英社文庫(単行本初版:S61、文庫初版:H11)

であります。

中学生の沢渡香澄は、幼いころに出会った男の子からもらった「星のかけら」を大切にしている内向的で、ややぼけたところのある女の子で、そんな昔の思い出を大切にしながら、親友の森下真理子、泉沙樹らとともに中学生生活を送っていた。
あるとき、真理子が好きだと言う弓道部の久住智史を、部活中に見た香澄は惹かれてしまう。

しかし、親友の真理子を思うあまり、そのことを隠し続けようとするが、幼いころに「星のかけら」をくれたと言う少年のメッセージが、いつも聞いているラジオから流れ……。

いちおう、途中まで読んだことが……たぶん、○○年以上も前にあり、懐かしさのあまり、貸してもらったのだが……。

やっぱ、古っ!(笑)

ストーリーは、香澄と久住の紆余曲折を経て辿り着くハッピーエンドが基本で、もうひとつは香澄と真理子の友情を描く部分が大部分を占めている。
この他、いちおうメインで語られるのは、沙樹と幼馴染みの少年白石司の話で、三者三様の恋愛の姿が描かれている。

しかし……、ホントにマジで時代を感じるよなぁ。
文庫版1巻の途中で、ヒロイン3人組がお茶会をしている場面があるが、真理子が出してきたのはレコード……。
香澄がいつも聞いているラジオはカセットデッキ一体型……。

……いや、見るとこ間違ってるのはわかってんだけどね(笑)

さておき、評価をしなければならないので、その評価だが、まぁ、りぼんと言う雑誌らしいストーリー展開とハッピーエンドではあるだろう。
メインで語られる香澄、久住のふたりはおそらく、読者層の関係もあるだろうが、連載当時、人気がかなりあったのはわかるような気がする。
ふたりを中心にした周囲の恋愛部分も、ヒロイン側のみでなく、司も絡み、多重関係を作っている。
そうした多数の恋愛感情の絡み合いから、エピソードごとの山と谷……ひとつのエピソードが終わったあとの下降線を再び戻すあたりは、作り方がわかっているひとの作品だと思わせる。

ただ、後半からラストに至るまでの展開がねぇ……。
ラストの大団円のために真理子、沙樹ともにとりあえず決着しとけ、と言う感触が拭えない。
途中、そのためのエピソードがないわけではないが、そうした真理子、沙樹のストーリーを見るかぎり、香澄並にとは言わないまでも、もういくつかのエピソードを追加してやったほうが全体として、3人分のストーリーに均衡が取れて、ボリュームも増してよくなるのではないかと思われる。

まぁ、いまさらだからどうしようもないが、懐かしさも相俟ってけっこう楽しく読ませてもらったなぁ(笑)
おそらく、突っ込みどころや笑えるところは多々あるのはあるんだが、その辺を言い出すとキリがないのでやめておこう。
あえて言うなら、「そんなヤツぁいねぇ!」に決まりだろうが(爆)

それにしても、ヒロイン3人組が高校生になってから登場する吉祥寺啓子、通称おケイと言う香澄の友人になる女の子がいるんだが、この子のピエロさが哀愁を誘って、キャラ的にはいちばん好きだったりして(笑)



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