さて、1000回までカウントダウンの第996回は、
タイトル:乃木坂春香の秘密(3~14巻:以下続刊)
著者:五十嵐雄策
出版社:アスキー・メディアワークス 電撃文庫(初版:'05~)
であります。
えぇ、イラストの破壊力に屈することなく、地味に読んでいました(笑)
だって図書館にちゃんとあるんだもの、1巻からきちんと(笑)
さすが政令指定都市の市立図書館、ラノベでさえもきちんと新刊がでれば揃えるんだから大したものだ。
ちなみに、司書の人に「これでよろしいですか?」と書庫から出してもらうときの恥ずかしさにももう慣れました(爆)
さて、そんなわけですでに1巻と2巻はレビューしているものの、3巻からまた1冊ずつと言うのも何なので、現時点で借りれる14巻まで一気にストーリー紹介といきます。
(なお、15巻は2012年1月に出ています)
『容姿端麗、頭脳明晰で、ピアノなど習い事はすべてプロ級という完全無欠のお嬢様である乃木坂春香。
彼女の秘密にしていた趣味――アキバ系を知った綾瀬裕人は、その秘密を共有することで親しくなったおかげで、平々凡々とした日常が、良くも悪くも変わっていった。
春香の誕生日にはハッピースプリング島での誕生会があったり、秋の学園祭では椎菜と実行委員になって、そのせいで春香と気まずくなったり。
冬には裕人の家でクリスマスパーティをしたり、ふたりで春香の両親の思い出の場所で初日の出を見たり。
はたまた新年明けて椎菜たちクラスメイトの友人たちと温泉旅行に行ったり、そこで春香が好きなアニメのイベントに参加したり。
バレンタインには春香をアイドルデビューさせようとするプロダクションとのいざこざがあったりと、春香と出会ってからは何かと今までの生活とは違う日々を送っていた。
そんな様々なイベントを乗り越えていく中で、ふたりは徐々に仲を深めていくのだが、北海道への修学旅行で裕人に転機が訪れる。
それは裕人に好意を寄せていた椎菜の告白で、裕人が春香への気持ちを自覚したのだ。
気持ちの変化があった裕人は、3年生になった新学期――イベントで同人ゲームを出したいと言う春香の言葉に、当然のように協力する。
当初はふたりで小さなイベントでの配布を考えていたが、紆余曲折を経て、椎菜たちクラスメイトの友人たちを加え、配布予定のイベントも夏コミに変更、椎菜たちの他、春香の妹の美夏や乃木坂家メイド隊の面々の協力もあってゲームは完売したり、春香が以前通っていた学校の幼馴染みたちと和解したりと3年生になっても春香絡みの日常は過ぎていく。
そんな中、裕人は密かに夏コミを機会に一大決心をして春香に告白することを考えていた。
夏コミが終わり、打ち上げを辞して春香に告白をする裕人――それに対する春香の答えはイエス。
晴れて両思いとなった裕人と春香だったが、ふたりは関係は順風満帆とは言えず、両思いになった数日後、春香の家を訪れた裕人はそこで春香の結婚話を知らされる。』
はい、14巻時点で52話です。
よくもまぁ牛歩どころかカタツムリレベルの歩みを見せるラブコメを書いたものだと、惘れるのを通り越して感心すらします。
もちろん、裕人と春香の話だけでなく、バイトで執事をやったり、美夏が副部長を務める現代舞台芸術文化研究部の活動に付き合わされたり、デートに連れ回されたり、はたまた単なるバイトだったはずの執事勤めが縁になって招待された執事やメイドたちの交流会に参加したりと、脇道に逸れたエピソードがあったりするので、単純に春香とのラブコメだけを扱っているわけではないのですが……。
それでも、裕人、春香ともに、鈍感すぎだろ。
裕人は裕人で何遍告白めいた――と言うより、一般的に見れば告白としか考えられない台詞を言いまくってるし、春香も春香ではっきりと裕人に好意を寄せているシーンは多々ある。
それでも両思いに至るまでに14巻52話を費やすとはじれったいにもほどがある。
完全無欠ながら中身は天然系ドジっ子の春香に萌えられるのなら、それはそれで楽しめるのでしょうが……。
ともあれ、今年の1月時点で15巻出ている長丁場のシリーズなので、このじれったさに耐えられなければ手を出さないほうがいいでしょう。
また、裕人の一人称で語られる文章の比喩表現……これが特徴でもあるわけですが、1冊、2冊程度であれば特徴として見られるのですが、14巻も続くとはっきり言ってうざったい。
たとえば顕著なのが裕人の記憶力のなさを表現する場面。世界最小の蝉を持ち出したりと何かと脳みその容量が少ない動物ネタでしつこく書いていたりするのは鬱陶しくてしょうがない。
文章や文体が気になる人はこういった面でも拒否反応を示すかもしれません。
とは言え、ストーリーの体裁は短編連作で作風も軽く、ベタなネタとお約束で読みやすい作品であることは以前のレビューでも書いたとおり。
キャラも春香の天然系、美夏の甘えんぼな妹系、寡黙・フレンドリー・ロリと言ったメイドさんたちなど、ベタながらも誰かひとりはお気に入りができそうな設定・配置でキャラものとしても見所はあるかと思います。
上記2点を気にされない方は、手に取ってみてもいいかもしれません。
あ、あとイラストの破壊力に負けないと言うところも(笑)
と言うわけで、総評としてはラノベ点を考慮しても、いいところ、悪いところともにあり、やはり及第というところに落ち着いてしまいます。
単純にラブコメが好きという方には比較的オススメできるとは思いますが。
ちなみに、この作品、アニメ化されていて2期までやっているのですが14巻あとがきにて3期が作成・放映されることになったようです。
奇を衒って破綻するより、ベタでお約束な作品だけに安心できるのか、はたまたキャラに萌える方々がたくさんいるのか、3期が放映されるほど人気があるとは思いませんでした。
まぁ、それでもアニメ見ましたけどね、私(爆)
アニメの感想は当ブログの範疇ではないので控えますが、ひとつだけ、春香の声優さん(能登麻美子さん)だけは絵柄やキャラから見てミスマッチだと思いますがね。(大人っぽい声質なので)
――【つれづれナビ!】――
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タイトル:乃木坂春香の秘密(3~14巻:以下続刊)
著者:五十嵐雄策
出版社:アスキー・メディアワークス 電撃文庫(初版:'05~)
であります。
えぇ、イラストの破壊力に屈することなく、地味に読んでいました(笑)
だって図書館にちゃんとあるんだもの、1巻からきちんと(笑)
さすが政令指定都市の市立図書館、ラノベでさえもきちんと新刊がでれば揃えるんだから大したものだ。
ちなみに、司書の人に「これでよろしいですか?」と書庫から出してもらうときの恥ずかしさにももう慣れました(爆)
さて、そんなわけですでに1巻と2巻はレビューしているものの、3巻からまた1冊ずつと言うのも何なので、現時点で借りれる14巻まで一気にストーリー紹介といきます。
(なお、15巻は2012年1月に出ています)
『容姿端麗、頭脳明晰で、ピアノなど習い事はすべてプロ級という完全無欠のお嬢様である乃木坂春香。
彼女の秘密にしていた趣味――アキバ系を知った綾瀬裕人は、その秘密を共有することで親しくなったおかげで、平々凡々とした日常が、良くも悪くも変わっていった。
春香の誕生日にはハッピースプリング島での誕生会があったり、秋の学園祭では椎菜と実行委員になって、そのせいで春香と気まずくなったり。
冬には裕人の家でクリスマスパーティをしたり、ふたりで春香の両親の思い出の場所で初日の出を見たり。
はたまた新年明けて椎菜たちクラスメイトの友人たちと温泉旅行に行ったり、そこで春香が好きなアニメのイベントに参加したり。
バレンタインには春香をアイドルデビューさせようとするプロダクションとのいざこざがあったりと、春香と出会ってからは何かと今までの生活とは違う日々を送っていた。
そんな様々なイベントを乗り越えていく中で、ふたりは徐々に仲を深めていくのだが、北海道への修学旅行で裕人に転機が訪れる。
それは裕人に好意を寄せていた椎菜の告白で、裕人が春香への気持ちを自覚したのだ。
気持ちの変化があった裕人は、3年生になった新学期――イベントで同人ゲームを出したいと言う春香の言葉に、当然のように協力する。
当初はふたりで小さなイベントでの配布を考えていたが、紆余曲折を経て、椎菜たちクラスメイトの友人たちを加え、配布予定のイベントも夏コミに変更、椎菜たちの他、春香の妹の美夏や乃木坂家メイド隊の面々の協力もあってゲームは完売したり、春香が以前通っていた学校の幼馴染みたちと和解したりと3年生になっても春香絡みの日常は過ぎていく。
そんな中、裕人は密かに夏コミを機会に一大決心をして春香に告白することを考えていた。
夏コミが終わり、打ち上げを辞して春香に告白をする裕人――それに対する春香の答えはイエス。
晴れて両思いとなった裕人と春香だったが、ふたりは関係は順風満帆とは言えず、両思いになった数日後、春香の家を訪れた裕人はそこで春香の結婚話を知らされる。』
はい、14巻時点で52話です。
よくもまぁ牛歩どころかカタツムリレベルの歩みを見せるラブコメを書いたものだと、惘れるのを通り越して感心すらします。
もちろん、裕人と春香の話だけでなく、バイトで執事をやったり、美夏が副部長を務める現代舞台芸術文化研究部の活動に付き合わされたり、デートに連れ回されたり、はたまた単なるバイトだったはずの執事勤めが縁になって招待された執事やメイドたちの交流会に参加したりと、脇道に逸れたエピソードがあったりするので、単純に春香とのラブコメだけを扱っているわけではないのですが……。
それでも、裕人、春香ともに、鈍感すぎだろ。
裕人は裕人で何遍告白めいた――と言うより、一般的に見れば告白としか考えられない台詞を言いまくってるし、春香も春香ではっきりと裕人に好意を寄せているシーンは多々ある。
それでも両思いに至るまでに14巻52話を費やすとはじれったいにもほどがある。
完全無欠ながら中身は天然系ドジっ子の春香に萌えられるのなら、それはそれで楽しめるのでしょうが……。
ともあれ、今年の1月時点で15巻出ている長丁場のシリーズなので、このじれったさに耐えられなければ手を出さないほうがいいでしょう。
また、裕人の一人称で語られる文章の比喩表現……これが特徴でもあるわけですが、1冊、2冊程度であれば特徴として見られるのですが、14巻も続くとはっきり言ってうざったい。
たとえば顕著なのが裕人の記憶力のなさを表現する場面。世界最小の蝉を持ち出したりと何かと脳みその容量が少ない動物ネタでしつこく書いていたりするのは鬱陶しくてしょうがない。
文章や文体が気になる人はこういった面でも拒否反応を示すかもしれません。
とは言え、ストーリーの体裁は短編連作で作風も軽く、ベタなネタとお約束で読みやすい作品であることは以前のレビューでも書いたとおり。
キャラも春香の天然系、美夏の甘えんぼな妹系、寡黙・フレンドリー・ロリと言ったメイドさんたちなど、ベタながらも誰かひとりはお気に入りができそうな設定・配置でキャラものとしても見所はあるかと思います。
上記2点を気にされない方は、手に取ってみてもいいかもしれません。
あ、あとイラストの破壊力に負けないと言うところも(笑)
と言うわけで、総評としてはラノベ点を考慮しても、いいところ、悪いところともにあり、やはり及第というところに落ち着いてしまいます。
単純にラブコメが好きという方には比較的オススメできるとは思いますが。
ちなみに、この作品、アニメ化されていて2期までやっているのですが14巻あとがきにて3期が作成・放映されることになったようです。
奇を衒って破綻するより、ベタでお約束な作品だけに安心できるのか、はたまたキャラに萌える方々がたくさんいるのか、3期が放映されるほど人気があるとは思いませんでした。
まぁ、それでもアニメ見ましたけどね、私(爆)
アニメの感想は当ブログの範疇ではないので控えますが、ひとつだけ、春香の声優さん(能登麻美子さん)だけは絵柄やキャラから見てミスマッチだと思いますがね。(大人っぽい声質なので)
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