JR姫新線・津山駅から北部中鉄バスで1時間足らず、奥津温泉BSからすぐ近くの吉井側の畔にある1929年(昭和4年)に「河鹿園」として創業した老舗旅館です。
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ここは文化人でもあった先代社長が、昭和27年に新館を建設。その際、親交のあった棟方志功に茶室の設計に関わってもらったとのこと。昭和の面影を色濃く残すレトロモダンの建屋とインテリアが見ものです。
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前述の棟方志功のほか、与謝野鉄幹・晶子夫妻ら、多くの文人墨客に愛された旅館ではあったが、経営不振により2012年に惜しまれつつ休館。しかし地元業者がその思いを受け継ぎ、2018年4月に「池田屋河鹿園」として再開されました。
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ここの温泉は、大・小および露天の各浴場が時間帯によっての入替制で、夕方の大浴場は男タイムです。この大浴場も決して豪華ではないが、昭和初期の意匠は実に流麗。
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壁や床に細かいタイルが曲面的にびっしり貼られていて質感を演出し、重厚なドア金具も時代を感じさせます。こんな手間のかかる造作は現在では不可能でしょう。
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驚くことに、掛け流しの浴槽の縁から溢れたお湯が浴室の床を均等に流れるようになっていて、足元がヒンヤリすることがないよう配慮されている。芸の細かさに脱帽です。
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この旅館の温泉はもちろん掛け流しではあるが、若干の加温があるようです。しかし、これだけの大きい浴槽を快適なレベルに保つためには仕方ないですね。
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庭園の中に設えられた露天湯でも石畳に少しずつお湯が流れるようになっていて、足が冷たくないように配慮されています。新湯は浴槽の底から竹筒を通じて噴出しています。これは真賀温泉と同じ手法です。
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小さいほうの内湯は新しく設置されたとのことで昭和の質感は望めません。しかし浴槽に満たされた淡麗なお湯はしっとり身体にまとわりついてきます。究極のヌル湯がここにあります。
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料理は一般的な旅館の料理です。なお、この旅館を訪れたのは2008年のこと、なのでこの写真は「河鹿園」時代のものです。今はかなり変わっていると思います。
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実に上品な昭和の匂いが漂っているこの旅館、無駄を排し、いいものだけを飾るセンスは一流といえます。
・場所:北部中鉄バス・奥津温泉BS
・泉質:弱アルカリ性単純泉 38~40度
・訪問日:2008年1月9日
・場所:北部中鉄バス・奥津温泉BS
・泉質:弱アルカリ性単純泉 38~40度
・訪問日:2008年1月9日
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