『政界汚職 警視庁公安部・青山望』 濱嘉之

2012年05月31日 19時43分33秒 | 読書
ゲリラ豪雨的なものが多いですね。



「次点から繰上当選した参議院議員の周辺で、次々と関係者が死んでいく。ある男は右腕が川に浮かび、ある男は不自然な交通事故に―。警視庁公安部警部・青山望の前に現れたのは、選挙ブローカー、刀匠、中国人鍼灸師、暴力団…。彼らが大きな権力の一点に結び付く。徹底的にリアルさにこだわった文庫書き下ろしシリーズ第二弾。」(BOOKデータベースより)


印象としては第1作目より地味な感じ。
リアルさにこだわったからこその地味さかな。

冒頭で、ある男性が暴力団につかまり、十字架のような形で両腕を縛られた揚句、右腕を切断されるという場面からはじまります。
これ自体はすごい興味がそそられる冒頭で、なかなかのつかみだと思います。
それ以外にも様々な事件が起きますが、被疑者の量が多くてそれぞれの話が短い。まあ、それぞれがつながってくるからまだ救われるというもの。
前回作みたいなダイナミックな感じだと、読んでて面白いですが、結局誰を追い詰めているのかよくわからないまま最後まで行ってしまった感がある。

もう一歩!

★★★☆☆

next...「三匹のおっさん」有川浩
還暦ぐらいでジジイの箱に蹴り込まれてたまるか、とかつての悪ガキ三人組が自警団を結成。剣道の達人・キヨ、柔道の達人・シゲ、機械いじりの達人の頭脳派・ノリ。ご近所に潜む悪を三匹が斬る!その活躍はやがてキヨの孫・祐希やノリの愛娘・早苗にも影響を与え…。痛快活劇シリーズ始動。 (BOOKデータベースより)

『春を嫌いになった理由』 誉田哲也

2012年05月24日 17時52分51秒 | 誉田哲也
春は過ぎゆく感じです



「フリーターの秋川瑞希は、テレビプロデューサーの叔母から、霊能力者・エステラの通訳兼世話役を押しつけられる。嫌々ながら向かったロケ現場。エステラの透視通り、廃ビルから男性のミイラ化した死体が発見された!ヤラセ?それとも…。さらに、生放送中のスタジオに殺人犯がやって来るとの透視が!?読み始めたら止まらない、迫真のホラー・ミステリー。 」(BOOKデータベースより)

話は主に瑞希の視点から語られていきますが、一部、中国からの密入国の話や普通の家庭でテレビを見ている夫婦の話をはさみながら進んでいきます。
瑞希はフリーターで塾講師を週2コマやっているが、英語が堪能なほかポルトガル語とイタリア語も少し話せるクワッドリンガル?です。
そんな瑞希の叔母であり、テレビ局のプロデューサーである名倉織江に通訳を頼まれることとなる。
通訳をするのはアメリカ在住のブラジル人霊能力者マリア・エステラ。エステラは普段は英語をしゃべるが、頭のスイッチが切り代わるとポルトガル語をしゃべりだす。
製作費も限られており、英語とポルトガル語がしゃべれる通訳を雇うと費用がかさむことから、瑞希がうってつけだった。
そんな瑞希は筋金入りのスピリチュアル嫌い。瑞希はいったん断るが、とある事情により断れない状況。瑞希は渋々通訳を引き受けることなる。
初めてのテレビ撮影に戸惑いながらも懸命に通訳をこなす瑞希であったが、エステラの透視により廃ビルからミイラ化した死体を発見することになる。

中国の福建省泉州市恵安県で生まれた、林守敬(リンソウチン)と林玉娟(リンウージェン)の兄妹は街の英雄となった古正剛(ゴウツンガン)に倣い、日本に密入国することとなる。
さまざまな困難を乗り越え、奇跡的に日本にたどり着いた二人で会ったが、密入国の身であることからまともな職には就けず、昼間はレストランや工事現場で働き夜はチャイニーズパブのような店で働くこととなる。
毎日長時間働きながら中国に送金を続ける日々であったが、あるとき玉娟が入国管理局に拘束されてしまう。
一人になった守敬は、引き続き働くことができたが、とあるきっかけにより他人になり済まし、不正に消費者金融から金を引き出すことに成功するのだが、彼は謎の男に追い詰められることとなる。


といった話。
ホラーと名がついてはいますが、そんなに怖い話ではありません。怪現象が起きてるわけでもないし、謎の死を遂げているわけでもない。
むしろ、特に瑞希の話ではコミカルな話が多く、面白おかしく読み進めることができます。
守敬兄妹のはなしはあまり明るい話は少なく、密入国の辛さを感じ取ることができます。
この話は別々に進んでいきますが、まあ一つの物語なので最後はつながってきます。
それぞれの話はとってもおもしろいんだけど、話がつながっていくあたりからなんかよーく分からなくなってきます。
いや、わかるんだけどわからないw
あの人がああで、この人がこうで、その人はそう。ってな感じでごっちゃになってきます。
そして瑞希の秘密も明らかに。

ま、いろいろ書きましたが、面白い話でお勧めです。

★★★★☆

next...「政界汚職 警視庁公安部・青山望」 濱嘉之
次点から繰上当選した参議院議員の周辺で、次々と関係者が死んでいく。ある男は右腕が川に浮かび、ある男は不自然な交通事故に―。警視庁公安部警部・青山望の前に現れたのは、選挙ブローカー、刀匠、中国人鍼灸師、暴力団…。彼らが大きな権力の一点に結び付く。徹底的にリアルさにこだわった文庫書き下ろしシリーズ第二弾。(BOOKデータベースより)

『モンスター』 百田尚樹

2012年05月21日 18時51分35秒 | 百田尚樹
ただ今、病気のデパート中。



「田舎町で瀟洒なレストランを経営する絶世の美女・未帆。彼女の顔はかつて畸形的なまでに醜かった。周囲からバケモノ扱いされる悲惨な日々。思い悩んだ末にある事件を起こし、町を追われた未帆は、整形手術に目覚め、莫大な金額をかけ完璧な美人に変身を遂げる。そのとき亡霊のように甦ってきたのは、ひとりの男への、狂おしいまでの情念だった―。」(BOOKデータベースより)

主人公は鈴原未帆こと田淵和子。
彼女は生まれながらの生粋のブス。目は離れて形はいびつ、鼻は横に広がって上向き、口は全体的に前に出ている。
そんな和子はあるときから美容整形に目覚める。目を二重にし、鼻を高くして横の広がりを縦に、口は骨を削ってひっこめるなどありとあらゆる整形術を行い、今や絶世の美女と称されることとなる。

ここでは、形式上不細工だったころを和子、美人のころを未帆と呼び分けるとする。
話は未帆が和子時代のことを回想しながら未帆の現在の物語とシンクロしながら進んでいきます。
和子はだれからも見向きもされず、孤独な日々を過ごしていく半面、未帆はありとあらゆる人から注目を浴びる。

ただ、未帆は和子であるから、心の中では和子そのもの。
そんな未帆は地元に戻ってレストランを経営することになった。レストランを経営する目的はとある人が来店するのを待つため。
その人が来店するまで待ち続ける未帆であるが、あるときついに目的の人が現れるのであった。

あんまりうまく書けないけど、そういった話。
問題作です。

ただ、美容整形に真っ向から立ち向かったあたりは百田さんならでは。
興味深く読めました。
いろいろ気になる点はあったけどね。

★★★★☆

next...「春を嫌いになった理由」 誉田哲也
フリーターの秋川瑞希は、テレビプロデューサーの叔母から、霊能力者・エステラの通訳兼世話役を押しつけられる。嫌々ながら向かったロケ現場。エステラの透視通り、廃ビルから男性のミイラ化した死体が発見された!ヤラセ?それとも…。さらに、生放送中のスタジオに殺人犯がやって来るとの透視が!?読み始めたら止まらない、迫真のホラー・ミステリー。 (BOOKデータベースより)

『ヒトリシズカ』 誉田哲也

2012年05月17日 16時21分43秒 | 誉田哲也
最近警察小説ばっかです。



「本書は、あなたに新しい興奮をもたらす。それは、第一章「闇一重」で幕を開ける。男が拳銃で撃たれて死亡する。犯人逮捕が間近となった矢先、司法解剖をした法医学者から連絡が入る。心臓に達していた銃弾は、一度止まってからまた動いたというのだ―。第二章 「蛍蜘蛛」で驚愕、第四章「罪時雨」で唖然、最終章「独静加」で…何を見る?―。」(BOOKデータベースより)


ひとつひとつの話は一応独立してるけど、全体として一つの物語。
最初の事件はとある暴力団員射殺事件。
二つ目の事件は暴走族上がりの自動車整備士の刺殺事件。
三つ目は家出人の捜索。
四つ目はストーカー的な人から母子を保護する話。
五つ目は暴力団員宅による銃撃戦。
最後にすべての事件がつながる。

的な話。

巷の評価では★みっつ程度。
自分が読んでいった感じだと、5つ目まではそれぞれが面白くてなんで3つだけ??って感じでした。
けどねー最後が不満w
最後だから書けないけどさ。
もっとこう、ハラハラするようなもの期待するじゃない!?w
まあ、いいんですけど。そこまでが面白かったんで、ちょっとね。

★★★☆☆

next...「モンスター」百田尚樹
田舎町で瀟洒なレストランを経営する絶世の美女・未帆。彼女の顔はかつて畸形的なまでに醜かった。周囲からバケモノ扱いされる悲惨な日々。思い悩んだ末にある事件を起こし、町を追われた未帆は、整形手術に目覚め、莫大な金額をかけ完璧な美人に変身を遂げる。そのとき亡霊のように甦ってきたのは、ひとりの男への、狂おしいまでの情念だった―。 (BOOKデータベースより)

『完全黙秘ー警視庁公安部・青山望』 濱嘉之

2012年05月14日 19時13分08秒 | 読書
青山望は男です。



「財務大臣が刺殺された。犯人は完全黙秘。身元不明のまま起訴される。特命の極秘捜査にあたる警視庁公安部警部・青山望が突き当たったのは、政治家と暴力団、芸能界が絡み合う壮大な「戦後の闇」だった。捜査手法、情報戦の実態など公安出身者にしか書けない圧倒的なリアリティで描く、インテリジェンス警察小説の新シリーズ。」(BOOKデータベースより)


なんともスケールの大きなお話。

始まりは、福岡で起きた梅沢財務大臣刺殺事件(梅沢事件)。犯人は完全黙秘で身元も名前もわからないまま逮捕、起訴された。
青山は同様に完全黙秘のまま有罪判決が出され、刑期満了まで名前すらわからなかった事件との関連を考え、ひそかに捜査を始めていったのだが、そこには暴力団や政治家、宗教団体など、あらゆるところにまで波及していく。

濱嘉之さんにしか書けないような作品です。彼は警視庁公安部の中でもさらに全体を見渡せる公安総務課出身。内情もよく御存じなのでしょう。
書いてしまいますが、容疑者数は数十人、もしくは百人を超えるかもしれない大事件を見事に連結させる執筆力。
正直個々人の名前なんてわからなくなってきます(笑)でも、変な名前を付けるわけじゃないのでいやな感じもなくすらすら読めていきます。
いや、すらすらといったら語弊があるかもしれない。普通の本の二倍は読むのに時間がかかってます。油断すると話が抜けていきます。

誰かにお願いしたいのが、この作品の犯人たち、協力者たち、捜査員の相関図を作成してほしい。
たぶん、A3用紙には収まりきらない人数が出てくると思います。
それをもって再度読み返すと、さらに面白い事実が出てくるのかもしれませんね。

歌舞伎町のボン引きにはご注意をw

★★★★☆

next...「ヒトリシズカ」
本書は、あなたに新しい興奮をもたらす。それは、第一章「闇一重」で幕を開ける。男が拳銃で撃たれて死亡する。犯人逮捕が間近となった矢先、司法解剖をした法医学者から連絡が入る。心臓に達していた銃弾は、一度止まってからまた動いたというのだ―。第二章 「蛍蜘蛛」で驚愕、第四章「罪時雨」で唖然、最終章「独静加」で…何を見る?―。 (BOOKデータベースより)

『署長刑事 時効廃止』 姉小路祐

2012年05月09日 18時40分45秒 | 読書
クールビズが始まりましたがまだ冬の格好です



「「昔ついた嘘のバチがあたった」という言葉を残し、建設作業員が転落死した。天神祭のハイライト“船渡御”に沸く晩、今度は大阪城外堀で警備会社専務の死体が見つかる。十七年前のストーカー殺人との関連に気づいたベテラン刑事谷と古今堂は、時効廃止で動き出した新たな犯罪を追う。 」(BOOKデータベースより)


まず、主人公の古今堂(こきんどう)っていう名前がいやだねw
よみにくいことこの上ない。行事名も船渡御(ふなとぎょ)で読みにくいし。
あと、なんか大阪弁ってこんなんやっけ?南のほうの方言かな。

タイトルのとおり、主人公である古今堂署長(キャリアで29歳)が前面に捜査するお話です。
一見自殺で間違いないような事案を署長のみ自殺とは断定できないと発言し、独自に捜査を進めていきます。

時効廃止ってどういう意味合いでつかってるんだろうって思いましたが最後のほうでわかりますね。ちょっと時効制度を知ってないとなじみが薄いかも。
まあ、いいでしょう。過去の事件への考察もまあまあいいでしょう。

それでも納得できない点は結構あったかな。実際それほど簡単に行くんかなーとか、動機としてどうなのかなとか。

まあ、警察小説好きには楽しめる内容でしょう。

★★★☆☆

next...「完全黙秘―警視庁公安部・青山望」濱嘉之
財務大臣が刺殺された。犯人は完全黙秘。身元不明のまま起訴される。特命の極秘捜査にあたる警視庁公安部警部・青山望が突き当たったのは、政治家と暴力団、芸能界が絡み合う壮大な「戦後の闇」だった。捜査手法、情報戦の実態など公安出身者にしか書けない圧倒的なリアリティで描く、インテリジェンス警察小説の新シリーズ。 (BOOKデータベースより)

『スパート!』 川西蘭

2012年05月01日 21時38分15秒 | 読書
連休後半は雨ですね



「十六歳の女子高生・早坂凛は、怪我でバレーボール部を退部、不登校になってしまう。ある日、川沿いの自転車道で元競輪選手・瀧口に出会い、スポーツバイクの解放感を知る。もっと速く、どこまでも走りたい。休学以来初めて凛が見つけた、生きる目標だった。競輪選手を目指す青年、競輪場に半世紀以上も通う老爺、安アパートの老貴婦人など、それぞれに心の傷を負った仲間たちと、世界最速の証「虹色ジャージ」を目指す闘いが始まる。凛は遙かな地平線の虹をつかむことができるのか?自転車競技を通じて、一度は挫折した人々の成長と再生を描く、スポーツ小説の傑作。 」(BOOKデータベースより)

典型的なスポーツ小説ですね。
しいていえば、自転車競技という点では珍しい作品でしょう。川西さんは自転車競技の本をよく出していらっしゃるけど、自転車をやってらっしゃったんですかね?気になる人は調べてください。ちなみに浄土真宗本願寺派の僧侶らしいです。

さて、内容といいますと、まあ上のとおりですよ。
それ以上でもそれ以下でもないうまい紹介文章です。

あんまりなじみのない自転車競技を楽しく爽快に描き上げてくれています。
冒頭の文章とか凄い気になる感じで終わってて、どうなるんだろうって気になりますよね。

読んでて気持ちよい小説でした。

★★★☆☆

next...「署長刑事 時効廃止」 姉小路 祐
「昔ついた嘘のバチがあたった」という言葉を残し、建設作業員が転落死した。天神祭のハイライト“船渡御”に沸く晩、今度は大阪城外堀で警備会社専務の死体が見つかる。十七年前のストーカー殺人との関連に気づいたベテラン刑事谷と古今堂は、時効廃止で動き出した新たな犯罪を追う。(BOOKデータベースより)