『聞く力 心をひらく35のヒント』 阿川佐和子

2014年02月16日 11時56分39秒 | 読書
最後です。

「頑固オヤジから普通の小学生まで、つい本音を語ってしまうのはなぜか。インタビューが苦手だったアガワが、1000人ちかい出会い、30回以上のお見合いで掴んだコミュニケーション術を初めて披露する―。 」(BOOKデータベースより)

ニュースキャスターなどで活躍する阿川さんの、聞く力のアドバイスの作品。
いろんな番組や雑誌のインタビューをこなす阿川さんが長年の経験で感じ、実践してきた方法なので説得力がありますね。
内容を紹介してしまうと作品そのものを紹介してしまいそうなのでできませんけど、どう聞けば相手が心地よく話すことができるのか。
唯一最善の方法はないはずですが、それでもいろんな場面で応用できる技が満載です。
会話がうまくいかないと悩んでいる方など、一読する価値があると思いますね。

『震える牛』 相場英雄

2014年02月16日 11時43分37秒 | 読書
5本目です。



「警視庁捜査一課継続捜査班に勤務する田川信一は、発生から二年が経ち未解決となっている「中野駅前 居酒屋強盗殺人事件」の捜査を命じられる。当時の捜査本部は、殺害された二人に面識がなかったことなどから、犯人を「金目当ての不良外国人」に絞り込んでいた。しかし「メモ魔」の異名を持つ田川は関係者の証言を再度積み重ねることで、新たな容疑者をあぶり出す。事件には、大手ショッピングセンターの地方進出に伴う地元商店街の苦境、加工食品の安全が大きく関連していた。現代日本の矛盾を暴露した危険きわまりないミステリー。 」(BOOKデータベースより)

「震える牛」と聞いて、多くの方はBSE問題を思い出すことだと思います。
BSEってなんだっけって方はwikipediaで。

さて、警視庁捜査一課継続捜査班の田川は、以前は一課でバリバリ働いていた捜査員であったが、病気により一課の中でも比較的余裕のある継続捜査班に回されていた。
そんな田川のもとに回ってくる事件はいずれも迷宮入りしている筋ワル。
今回回ってきた事件は、居酒屋で発生した強盗殺人事件だった。
捜査方針の見当違いにより関係者からの聞き取りがほとんど行われておらず、田川は一から関係者や近隣の目撃者の話を聞き出すうちに様々な疑問点が浮かび上がる。
それは、ある牧場で起きたBSEから波及したものであることにだんだんと田川は迫るのであった。

昨今繰り広げられていった大型ショッピングセンターや安売りに切り込む社会的小説とでも呼びましょうか。
一つの問題提起として、よい作品じゃないかなと思います。
ちょっと推理が吹っ飛んでる感がしますが、それをさておき読める作品でした。

『純平、考え直せ』 奥田英朗

2014年02月16日 11時31分30秒 | 読書
4本目です。



「坂本純平は気のいい下っ端やくざ。喧嘩っ早いが、女に甘くて男前。歌舞伎町ではちょっとした人気者だ。そんな彼が、対立する組の幹部の命を獲ってこいと命じられた。気負い立つ純平だが、それを女に洩らしたことから、ネット上には忠告や冷やかし、声援が飛び交って…。決行まで三日。様々な出会いと別れの末に、純平が選ぶ運命は?一気読み必至の青春小説! 」(BOOKデータベースより)

坂本純平は早田組に属する下っ端やくざ。
優秀な兄貴分に恵まれ、なかなか幸せ(?)な極道生活を送っていました。
そんな純平に、敵対する組の幹部を銃撃するよう指示される。
まじめな純平は組の名誉のため、鉄砲玉になることを決意する。
殺人は10年以上の禁固刑が必至であり、若い純平の20代を刑務所で過ごすことになることから、3日間娑婆で豪遊を許される。
純平はこの3日間を好きな女とあったり、うまい飯を食ったりしてすごすが、ネットの掲示板ではみんなから止められ、飲み屋であった女子からも止められ、謎の老人に慕われ、同い年の他の組の若手と意気投合したり、いろんなことに遭遇する。
そんな純平は本当に鉄砲玉になって幹部を狙撃するのか。

みんなの「純平、考え直せ」の大合唱に純平は耐えられるのか

そんなコメディータッチの青春小説です

奥田英朗さんなので、かるーく読める作品となっています。

『燃える闘魂』 稲盛和夫

2014年02月16日 11時17分28秒 | 読書
これからはビジネス書やら新書をちょいちょいはさんでいきます。



「最強経営者の魂に触れよ!「日航」再建の次は、日本再生!逆境をはね返す成功の哲学を伝える。4年ぶり、渾身の書き下ろし!なぜ稲盛経営は最強なのか?なぜいま、注目を浴びているのか?その答えが本書にある!」(BOOKデータベースより)

ぼくの尊敬する経営者、稲盛和夫さんの著書です。
燃える闘魂だからといってアントニオ猪木ではないです。w

京セラやKDDIの創業者で、経営破たんした日本航空を再興させた経営者の稲盛さん。
その経営手法は、リストラや下請けを犠牲にしたコストカットではなく、
従業員をやる気にさせ、社会の利益を最大化することで利益を最大化すること。

日本航空の企業理念は

 日本航空グループは、全社員の物心両面の幸福を追求し、
 一、お客さまに最高のサービスを提供します。
 一、企業価値を高め、社会の進歩発展に貢献します。

とありますが、注目すべきは「お客様に最高のサービス」でも「社会の進歩発展」でもなく、
「全社員の物心両面の幸福を追求」を冒頭に掲げている点だと思います。
21世紀で見直さなければいけない点はこの点だと僕は思います。
従業員を大事にすること。
強い会社はここが違うんじゃないかな。

『明日のマーチ』 石田衣良

2014年02月16日 10時58分27秒 | 石田衣良
2冊目です。



「解雇。それは張り紙一枚の出来事だった。ある日突然、僕らは年収200万円の生活からも見捨てられた。どうしよう。どこに行って、何をする?―歩く。それが、僕らの決断だ。クビを切られたカメラ会社がある山形から、東京へ。600キロ。4人で始まった行進は、ネットを通じて拡散し、メディアを賑わし、遂には政府が動き出す。僕らの青春を等身大に描いた、傑作ロードノベル。 」(BOOKデータベースより)

山形県の工場で働いていた若者4人組。
ある日、一枚の張り紙により契約を解除された。
新しい仕事もなく、することもない若者たちは修吾が東京まで歩いて帰るということに便乗し、4人で歩いて東京まで行くことに。
その距離約600キロ。ただただ歩き続けるだけ、夜は野宿するだった4人だったが、有名ブロガーの伸也のブログを通じてだんだんと4人組が有名になっていく。
道中でバーベキューを振舞われたり、声をかけられたり。
しかし、有名になりゆく過程で、だんだんと問題が発生し始める。
問題を克服していく中で成長していく4人を描いた感動作です。

石田衣良さんらしく風景を切り取る言葉が絶妙で景色が目に浮かぶさまはさすがです。
そして派遣切りに対する批判だったり。

すっきり読める作品です。

『虹の岬の喫茶店』 森沢明夫

2014年02月16日 10時40分34秒 | 読書
完全に月一の更新になってしまって申し訳ないです。今日は6冊いきます!

「小さな岬の先端にある喫茶店。そこでは美味しいコーヒーとともに、お客さんの人生に寄り添う音楽を選曲してくれる。その店に引き寄せられるように集まる、心に傷を抱えた人人―彼らの人生は、その店との出逢いと女主人の言葉で、大きく変化し始める。疲れた心にやさしさが染み入り、温かな感動で満たされる。癒しの傑作感涙小説。」(BOOKデータベースより)

妻を亡くし、一人娘との暮らしを不器用ながらも始めた中年男性。
就職が決まらずにやる気がなくなって自暴自棄になってしまっている男子学生。
自営の仕事が立ち行かなくなり、強盗をすることになった気弱な男性。
70歳になる女性を好きになるが、仕事で遠くに転勤することになった壮年男性。
手作りのライブハウスで昔のバンド仲間を呼び寄せ、ライブをしようとしている男性。
そして主人公で岬の喫茶店のマスターの老人女性。

この6作がつながりながらも別々の物語をつないでいます。
ひとつひとつがほっこりするような、感動するような話です。
それぞれがそれぞれにつながっているので容易に説明できませんけど、心が温まる作品群です。
あんまり短編は読みませんけど、すっきりすぐ読めるのでたまにはいいですね。