読書記録 ダイジェスト版

2016年04月17日 09時58分45秒 | 読書
さぼりにサボってます。

全部書くのも大変なので、ダイジェスト版(といってもかなり省いてる気がします)

・空より高く(重松清)
廃校になる高校の最後の3年生が、何かを始めおうと青春する作品。

・赤と白(櫛木理宇)
高校生の胸に眠る闇に迫る作品。

・火花(又吉直樹)
ご存知。

・SRO episode0 房子という女(富樫倫太郎)
連続殺人鬼、近藤房子が半生を語る問題作。

・色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年(村上春樹)
5人の仲良しグループから突然仲間外れにされた多崎つくるの話。

・フォルトゥナの瞳
人の死が迫っているのが見える男の悲しい話。


もっと読んでいるはずですが、これくらいしか記録がありませんでした笑

『幸せの条件』 誉田哲也

2015年11月01日 10時09分59秒 | 誉田哲也
幸せの条件とは・・・といった自己啓発的な話ではないです。



「恋も仕事も中途半端、片山製作所勤務の「役立たずOL」梢恵に、ある日まさかの社命が下された―単身長野に赴き、新燃料・バイオエタノール用のコメを作れる農家を探してこい。行く先々で断られ、なりゆきで農業見習いを始めた24歳に勝算はあるか!?働くこと、生きることの意味を問う、『ジウ』シリーズ著者による新境地。 」(BOOKデータベースより)

主人公の梢恵。
二流大学を出てなんとか就職するも、なにをさせてもだめ。
伝票管理と在庫管理のみをして毎日過ごしている梢恵に社長から
「バイオエタノール用のコメを作れる農家を捜してこい」との下命を受け、
一身長野に行くことに。
方々に断られ、やっと拾われた農業生産法人「あぐもぐ」で、
梢恵は農作業を手伝うこととなる。

農作業を続けていたある日、日本に危機が訪れる。
梢恵は初めて自分のやりたいことに気付き、必要とされることを実感し、成長していくのでした。



という、流れ的には典型的なダメ人間成長パターン。
でもいい話。
終わり方がちょっとあっさりしてたかなーって感じですが、
読んでて心地よい作品でした。

『ニューヨークのとけない魔法』 岡田光世

2015年11月01日 10時00分22秒 | 読書
今年もあと2か月となりました。



「世界一お節介で、おしゃべりで、図々しくて、でも憎めないニューヨーカーたち。東京と同じ孤独な大都会なのに、ニューヨークは人と人の心が触れ合う瞬間に満ちている。みんな切なくて人恋しくて、でも暖かいユーモアを忘れない。息苦しい毎日に心が固くなっていたら、ニューヨークの魔法にかかってみませんか。 」(BOOKデータベースより)


世界一お節介で、おしゃべりで、図々しくて、でも憎めないニューヨーカーたちと暮らす筆者の生活を描いたエッセイです。
ひとつひとつのエッセイは2ページから長くて4ページぐらい。
百程度の短いエッセイエッセイ集です。

ほっこりするような話も多くて、ニューヨークに行きたくなります。
前々からニューヨークに行きたいと思ってたけど、その思いが強くなりました。

読みやすいものですので、NYの魔法にかかりたい人は是非。

『SROⅥ 四重人格』 富樫倫太郎

2015年10月11日 16時19分13秒 | 読書
待ってましたSROの最新作。



「東京と秋田で、トリカブトによる毒殺事件が発生。手口に一貫性がなく、同一犯か複数犯か絞れず捜査は難航していた。その最中、耳や手首が切り取られた惨殺死体、銃殺死体が東京近郊で相次いで見つかる。すべての現場に残る同一人物の指紋から、SRO室長の山根新九郎はある仮説を立て犯人に迫っていく。大人気警察小説、待望のシリーズ第六弾。 」(BOOKデータベースより)

SROは、
『SROⅠ 警視庁広域捜査専任特別調査室』
『SROⅡ 死の天使』
『SROⅢ キラークィーン』
『SROⅣ 黒い羊』
『SROⅤ ボディーファーム』
と足かけ5年にわたり紹介しています私の好きなシリーズの5作目です。

この作品は、通称SRO(警視庁広域捜査専任特別調査室)と呼ばれる、広域捜査の専門調査室で、
トップの室長は警視長、副室長が警視正、室員が警視正人、警視、警部とまあありえない組織です。
わかりにくいので普通の会社でたとえるなら、
警視長は副社長か専務
警視正は取締役
警視は部長
警部は課長
といったところでしょうか。
そんな組織じゃ絶対働きたくありません笑

連続殺人犯、いわるゆシリアルキラーを捜査しているのですが、
今回現れたシリアルキラーは、一見自然死に見せかけ、トリカブトの毒の付いた極細の針で一刺しで殺してしまう殺し屋。
やり手の殺し屋でさえも殺してしまうほどの強烈な殺人鬼です。
そんな殺人鬼を追いかけ、追い詰め、とらえてしまうSROの面々。
今回も面白い作品です。

ま、今回もいろいろと残酷な殺し方をしてしまいますが、
読んだ後にふつうに肉料理を食べに行くような図太い精神の持ち主じゃない場合は、
時間帯を考えて食前等に読まないことをお勧めしますが、面白いのでお読みください笑

『北斗 ある殺人者の回心』 石田衣良

2015年10月11日 15時45分41秒 | 石田衣良
雨の日は読書日和だったりします。



「両親から激しい虐待を受けて育った少年、北斗。誰にも愛されず、愛することも知らない彼は、高校生の時、父親の死をきっかけに里親の綾子に引き取られ、人生で初めて安らぎを得る。しかし、ほどなく綾子が癌に侵され、医療詐欺にあい失意のうちに亡くなってしまう。心の支えを失った北斗は、暴走を始め―。孤独の果てに殺人を犯した若者の魂の叫びを描く傑作長編。第8回中央公論文芸賞受賞作。 」(BOOKデータベースより)


ある悲しくてつらい人生を送る少年に、考えさせられる作品。
石田先生にしては長い作品です。

いくらかネタバレになりますので、気になる方は読み飛ばしてください。

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幼いころから親に虐待されて育った橋爪北斗。
「橋爪北斗は誰かに抱き締められた記憶がなかった。」(5ページから抜粋)
父親から日々暴力を振るわれ、同じように暴力を振るわれていた母親も自分を守るがために北斗を虐待する。
そんな北斗も、誰にも相談できず、どんなに暴力を振るわれても家に帰るしか生きていけない。
自殺しようとも考えたが、寒い冬の夜に触れた自動販売機の暖かさに救われ何とか生きていた。

そんな北斗にも転機が訪れる。
虐待をしていた父親が突然に病に倒れ、亡くなったのだった。
母親からの虐待もなくなったのだったが、
あるときから母親に暴力を求められるようになる。
母親は支配されることに喜びを感じるようになっていた。
北斗は、幾度か母親に暴力を振るってしまったのだが、
いつか父親のように暴力をふるい、自分が壊れてしまうことを恐れた北斗は、
児童相談所に相談し、里親の綾子に引き取られることとなった。

大人を信じることのできなかった北斗だが、あることを機に綾子に信頼を寄せるようになる。
初めて大人の愛情に触れた北斗は、綾子を実の母親のように慕う。

しかし、幸せは長く続かなかった。
綾子がガンに侵されたのだった。
綾子のガンは手術が難しく、抗がん剤で治療を行っていたのだが、
どんどん体力が削られていく。
あるとき紹介された波洞水という水を綾子に飲ませたところ、
綾子がそれを気に入ったことで、毎日その波洞水を飲ませることとなるのだが、
その波洞水は一番高価なもので1本5万円以上もする代物だった。

綾子がよろこんで飲んでいたので、綾子の貯蓄を切り崩しながら工面していたのだが、
綾子の死が近付いてきたある春の日、その波洞水が医療詐欺であったことが発覚した。
綾子の死の間際、北斗はこの医療詐欺の相手に復讐したいか綾子に尋ねたところ、
綾子は首を細かく縦に振ったことから、北斗は綾子の死後、
実際に復讐を実行したのだったが。。。


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ネタバレ終わり。

とはいえ、ここまでで本の半分ほど。
BOOKデータベースの説明を膨らませただけなので、
読んでも問題ないレベルかと思って書きました。

ここから裁判の話になります。
話のメインは、この生い立ちと医療詐欺と復讐行為が、
どう評価され、どういった判決が下されるのかということ。
判決どうこうというより、読者自身に考えてもらいたいということかと思います。
話も重くてつらい内容ですが、秋の夜長に読んで悩んで考えてほしい作品です。

『白砂』 鏑木蓮

2015年10月11日 15時36分17秒 | 読書
かぶらぎれんと読みます。



「苦労して働きながら予備校に通う、二十歳の高村小夜が自宅アパートで殺害された。中年男性の目撃情報と大金が入金されていることから、援助交際との関わりが捜査線上に浮かぶ。「こんなにつましい暮らしぶりで真面目な彼女がなぜ?」違和感を抱いた下谷署の刑事・目黒一馬は別の角度から捜査を開始する。小夜の両親はすでに亡く、なぜか祖母は頑なに遺骨を受け取らない。鍵は小夜の故郷にあると見た目黒の執念が、運命に翻弄された女たちの人生を浮き彫りにしていく。最後にたどり着いた、死の裏にある驚愕の真実とは。切なさあふれるミステリー。 」(BOOKデータベースより)

長編ミステリです。

二十歳の女性の殺害事件。
男性の墜落事後。

二つの事件、事故が遺骨をもとにつながっていくミステリです。

納得いかないことがたくさんあったりするお話ですが、
きれいな話ではあるのかな?

話の展開が良く見えなかったり、
二つのつながりがわかりにくかったり、
殺人の動機もなんかなあという感じですが、

暇つぶしにはなる文量ではあります。

『ナイフ』 重松清

2015年10月11日 15時25分06秒 | 重松清
忙しくても暇でも更新が遅れますね。
しばらく頑張ります。



「「悪いんだけど、死んでくれない?」ある日突然、クラスメイト全員が敵になる。僕たちの世界は、かくも脆いものなのか!ミキはワニがいるはずの池を、ぼんやりと眺めた。ダイスケは辛さのあまり、教室で吐いた。子供を守れない不甲斐なさに、父はナイフをぎゅっと握りしめた。失われた小さな幸福はきっと取り戻せる。その闘いは、決して甘くはないけれど。坪田譲治文学賞受賞作。 」(BOOKデータベースより)


重松清の悲しくて幸せな短編集。

悲しくて幸せとは何ぞやっていうところでしょうが、
基本的には悲しいいじめの話。

ある朝学校に行ったらみんなから無視され始めた話。
いじめられている子供の親の話。
ひ弱な子供に強く当たってしまう父親の話。
病気に苦しむ妹と強い転校生に悩むお兄ちゃんの話。
担任教師の方針に納得できない母親に悩む父親の話。

悲しい話の後にハッピーエンドがあったりなかったり。
短編集なので詳しいことは書きませんが、

子供と子供
子供と親
学校と親

そんな現代社会の抱える問題を考えさせられる作品でした

『旅のラゴス』 筒井康隆

2015年08月10日 19時34分33秒 | 読書
夏真っ盛りです。なごや。



「北から南へ、そして南から北へ。突然高度な文明を失った代償として、人びとが超能力を獲得しだした「この世界」で、ひたすら旅を続ける男ラゴス。集団転移、壁抜けなどの体験を繰り返し、二度も奴隷の身に落とされながら、生涯をかけて旅をするラゴスの目的は何か?異空間と異時間がクロスする不思議な物語世界に人間の一生と文明の消長をかっちりと構築した爽快な連作長編。 」(BOOKデータベースより)


ラゴスが旅する物語です!
以上!


なんて紹介したら怒られるかな?
(そもそも普段から大した紹介していないですが)

時代はきっと1800年代後半でしょうか?
舞台はヨーロッパからアフリカのイメージ?
そもそもSF的作家である筒井さんの作品ですので、その辺は読者のイメージでよいかと。

作品の始まりから、いきなり移転(いわゆる「ワープ」)する時点から、これは普通の作品じゃないと認識させられます。
そうだ、筒井さんだ。(有名どころでいえば、時をかける少女?)

壁を通り抜けたって、宇宙船が出てきたって、それは筒井さんですから。
(ラベンダーのにおいでタイムスリップしちゃうんだから)

という心持で読んでいただいたら、とても優しくて深くてよい作品です。




『消失グラデーション』 長沢樹

2015年08月08日 10時04分56秒 | 読書
本日2作目です。




「私立藤野学院高校のバスケ部員椎名康は、ある日、校舎の屋上から転落し、痛々しく横たわる少女に遭遇する。康は、血を流すその少女を助けようとするが、何者かに襲われ、一瞬意識を失ってしまう。ほどなくして目を覚ますと、少女は現場から跡形もなく消えていた!?開かれた空間で起こった目撃者不在の被害者消失事件。複雑に絡み合う青春の傷と謎に、多感な若き探偵たちが挑む。第31回横溝正史ミステリ大賞・大賞受賞作。樋口真由“消失”シリーズ。 」(BOOKデータベースより)

学園ものの推理小説です。
ただ、とても違和感がぬぐえない作品です。
その理由は読んでいただかなければなりませんが、
そのために3分の2くらいまで「ん?」となってました。

ただ、それを差し置くと典型的な推理小説だったりします。
アガサクリスティ的な。
洗練されてくれば面白くなるかもしれません。


『牛乳アンタッチャブル』 戸梶圭太

2015年08月08日 09時52分48秒 | 読書
夏真っ盛り。



「雲印乳業西日本支社のお客様相談センターに一本の電話がかかってきた。低脂肪牛乳を飲んで食中毒をおこしたという。やがてその数は一気に増え対応に追われるセンターだが、会社の上層部は真剣に取り合わない。開いた記者会見では社長と工場長が真っ向から対立し大混乱に陥る。こんな会社に未来はあるのか?そのとき、無責任な俗物経営陣を倒すため、立ち上がった社員がいた!痛快無比の企業エンターテインメント。 」(BOOKデータベースより)

僕ら世代から上の世代くらいだと記憶にあることかと思いますが、
あの雪印乳業の食中毒事件をもとにした作品です。
社名が雲印となっているけど、読んでいるときは完全に雪印にしか見えない。

どこまでリアルでどこまでパロディなのかはわかりませんが、
壮絶な現場と能天気な首脳陣にはあきれる限り。

ただ、それが人間だなと、ふと思った作品です。

短いですがこれくらいに。