『疾風ガール』 誉田哲也

2009年08月29日 13時01分04秒 | 誉田哲也
疾風ガール
柏木夏美19歳。ロックバンド「ペルソナ・パラノイア」のギタリスト。男の目を釘付けにするルックスと天才的なギターに腕前の持ち主。いよいよメジャーデビューもという矢先、敬愛するボーカルの城戸薫が自殺してしまう。体には不審な傷。しかも、彼の名前は偽名だった。夏美は薫の真実の貌を探す旅へと走り出す――。ロック&ガーリーな青春小説の新たな傑作!
(光文社文庫より抜粋)





ペルソナ・パラノイアのギタリスト夏美と芸能事務所フェイス・プロモーションの祐司の二人の主観を交互に進んでいく物語。
疾風の如く突き進む夏美とそれに振り回される祐司。

地の文も会話調の書き方で進んでいくので非常に読みやすい。次どうなるの!?このあとどうなるの!?っていうよりも、今この文章から離れるのが惜しい!もっとこの文章を読んでいたい!って感じの描写です。

どんな作品でもそうだろうけど、スポーツとかの素人が書いた文章は玄人からすればおかしな部分も多い。たぶんこの本も本気でロックバンドやってる人からすれば描写がおかしい部分もあるだろうと思う。
でも、バンドにかじったことのない人なら十分見るに堪える文章だと僕は思います。

かなり読みやすい文章だから、疾風の如く進んでいきます。あっちゅう間に読めちゃいます。普通に300ページ以上ある普通の文庫だけどね。

そして、続編「ガール・ミーツ・ガール」が4月に刊行されました。
今度はそれを読んでみたいと思います♪

それでは!


p.s.
9月の連休前半、東京行きます!
大阪も行けたら行きたいですね

読者をとらえる天才 森絵都

2009年08月16日 12時58分09秒 | 読書
ちょっとシンプルにいきたいと思います。

森絵都:1968年東京生まれ。早稲田大学卒業。90年『リズム』で講談社児童文学新人賞を受賞しデビュー。同作品で椋鳩十児童文学賞を受賞。『宇宙のみなしご』で野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞。『アーモンド入りチョコレートのワルツ』で路傍の石文学賞を、『つきのふね』で野間児童文芸賞を、『カラフル』で産経児童出版文化賞を受賞。『DIVE!!』で小学館児童出版文化賞を受賞。2006年『風に舞いあがるビニールシート』で直木賞を受賞。近著に『ラン』、『架空の球を追う』などがある。(文春文庫著者紹介より引用)

最近徐々にはまりつつある作家です。

最初に読んだのが『DIVE!』でとにかく面白い。次が気になって仕方ないという物語。まあ、児童出版文学賞を受賞していることからもわかるよう児童向けの作品ではあるんだろうけど、大人が読むにも十分値する作品だと思います。

最近読んだのが『風に舞いあがるビニールシート』で、これは短編集なんだけど、それぞれの作品を読み始めてすぐにその作品に飲み込まれていってしまう。ほんとうに読者をひきつける能力にたけた作家だと思う。

児童文学出身の作者だから、最初から面白い作品を書くのにたけてるのかな?そう思います。

作品数もそんなに多くない作者だから、読破も難しくないはず。とはいっても、おれが読破するかどうかは気分しだいです笑

それでは

『となり町戦争』 三崎亜記

2009年08月01日 23時21分56秒 | 読書
降るならしっかり降れと言ったら、最近になって降りすぎです。

ごきげんよう!大橋暁です!
地球に優しいブログへ!






最近読んだ本で、「となり町戦争」という小説があります。

ある日、突然にとなり町との戦争が始まった。だが、銃声も聞こえず、目に見える流血もなく、人々は平穏な日常を送っていた。それでも、町の広報誌に発表される戦死者数は静かに増え続ける。そんな戦争に現実感を抱けずにいた「僕」に、町役場から一通の任命書が届いた……。


戦争に実感を持てないまま戦争に参加する主人公
戦争という事業を遂行する公務員

二人のヒューマンストーリー的な展開で話は進んでいきますが、これ以上は紹介するのはやめにしましょう。気になる方はぜひ読んでください。
もやもやするかもしれませんけどね。




最近、病んでるとかいうわけじゃないんだけど、ずっとテンションが上がらない日々が続いております。
理由はずっとわかりません。
それらしい理由はいくつか出てくるんだけど、ふとテンションが下がってしまったあの日(かれこれ2ヶ月くらい前)からずっと上がってこない。

この本を読んで少しわかった気がします。

戦争を事業として行う公務員。


もし、自分の業務が「となり街と戦争に係ること」(おまえは県の職員だろっていう突っ込みは抜きでお願いします)だったなら、おれはおれで淡々と戦争という事業を行うんだろう。どんな業務であれ、確実に遂行していくことが求められる公務員。戦争で自分の親族、友人が殺されようと、感情抜きに業務を遂行していくことが求められる。そのひとの気持は考えず、全体のことを考えて公共の福祉という観点から仕事をする。

今の自分の仕事で、自分の意志とは違うように進んでいくことがある。今は変化のある仕事になってきて、自分の気持を幾分反映できる仕事になってきているけど、でも国を動かすことは結局できないんだなぁってつくづく思ってしまった。
自分は愛知から国を変えるっていう意気込みでこの仕事を選んだけど、今の県にはそんな力はない。一公務員には何ともならない壁がある。そんなことを感じた。

だから、仕事に気持ちが入らないんじゃないかって。

そんなことを考えながら、本読んだ後の余韻を楽しんでいた最近の夜でした。


それでは!