『黒い羽』 誉田哲也

2014年10月29日 21時37分16秒 | 誉田哲也
今日はこれで終わりです。

「右肩にある瑕に、君島典子は幼い頃から苦しんできた。激しい痒みと痛み。どんな治療もほとんど効果がなかった。病院を転々とした末に辿り着いた遺伝子治療という選択。典子は主治医らとともに、人里離れた山奥にある研究施設へと向かう。ところが、そこには何体もの惨殺死体が転がっていた!ここには凄まじく危険なナニカがいる…。衝撃のサスペンス・ホラー。 」

ホラーとは言いますが、お化けが出てきたりはしませんのでご安心ください。
という意味じゃないか。

原因不明の傷に苦しむ典子は、ある日人里離れた研究施設に向かうことになる。
その研究施設は遺伝子治療を研究している施設。
いままでどんな治療も効かなかった傷だったが、一縷の望みをたよって雪深い山道を進んでいたが、そこで事故が起きる。
雪にハンドルを取られ、乗っていた車が崖から落下してしまった。
なんとか生き延びた典子たちはなんとか研究施設にたどり着くことができたが、そこにはおなかを食いちぎられたかのような死体が転がっていた。
一人が建物から逃げ出したが、帰り道は雪崩で道がふさがれており、帰ることもできない。
そんななかで、典子たちは施設の中を調べることにしたが、そこには凄惨な状況が広がっていた。


まあ、人がたくさん死ぬ物語はあんまり好きじゃないんですが、これは人がたくさん死にます。
ということで好きかと言われたらそういうことではない。
リアルじゃないことがあるとしらけることもあります。
本当はリアルなことかもしれませんけどねw

気になる方はお読みください。

『ツカむ!話術』 パトリック・ハーラン

2014年10月29日 21時20分49秒 | 読書
寒いです。

「パックンだから語れる「ハーバード流トーク術」!

練習すれば口下手は治る! ハーバード大卒のお笑い芸人であるパックンことパトリック・ハーランが、
相手の心を「ツカむ」話術を伝授! エトス・パトス・ロゴスといった『弁論術』の基礎的な理論や、
アメリカの歴代大統領のスピーチ術、芸人としての笑いの研究などの実践例を、軽妙な筆致で紹介!
合コンからグローバル交渉まで、あらゆる相手と場面で通用する話術と、その鍛え方を解説します!!
池上彰との「伝える力」対談も収録!!」(Amazonより引用)

パトリック・ハーランと聞いても誰かと思うかもしれませんが、パックンマックンのパックンといえばご存知の方も多いと思います。
パックンはこう見えてハーバード大卒なんですね。

そんなパックンがうまく話すことができない人たちに向けて書いた著書です。

実はパックンは、あの池上彰と同じ東京工業大学で講師をやっているんです。
私もそんな講師の方々がいらっしゃるなら東京工業大学に入学したいくらい。

さてさて、そんなパックンの話術ですが、大事なことは「エトス」「パトス」「ロゴス」の3つ。
簡単に言えば
「エトス」は見た目
「パトス」は感情
「ロゴス」は言葉
です。
と、こんなに簡単に言ってしまうと、何を読んできたんだ、もう一度読み直せと怒られそうです。

読むだけで話が上手になるわけではありませんが、ヒントは随所にちりばめられています。
きっかけは「女の子にもてたい」でも「給料をあげたい」でも「社交的になりたい」でもなんでもいいんです。

パックンにかけてみるのもいいかもね

『世界から猫が消えたなら』 川村元気

2014年10月20日 20時37分44秒 | 読書
2作目です。

「郵便配達員として働く三十歳の僕。ちょっと映画オタク。猫とふたり暮らし。そんな僕がある日突然、脳腫瘍で余命わずかであることを宣告される。絶望的な気分で家に帰ってくると、自分とまったく同じ姿をした男が待っていた。その男は自分が悪魔だと言い、「この世界から何かを消す。その代わりにあなたは一日だけ命を得る」という奇妙な取引を持ちかけてきた。僕は生きるために、消すことを決めた。電話、映画、時計…僕の命と引き換えに、世界からモノが消えていく。僕と猫と陽気な悪魔の七日間が始まった。二〇一三年本屋大賞ノミネートの感動作が、待望の文庫化! 」(BOOKデータベースより)

ある日、主人公の僕は医者に脳腫瘍グレード4を宣告される。
絶望に荒れ狂い、泣きわめき、嘔吐することもなく、僕はくだらないことしか思いつかないのだった。
人間は、死をまじかに感じても実は落ち着いているものだ。

そんな僕は家に帰ると、そこには僕がいた。
正確には、僕の顔をした悪魔だった。

その悪魔は僕に「明日死ぬ」と告げます。
明日死ぬ代わりに、なにかを消し去れば一日長く生きられる。
そんな取引を悪魔は持ちかけてきます。

悪魔はまず電話を消す代わりに一日長く生きることを提案します。
命に代えられないということで携帯電話を世の中から消した僕だったが、それを機にさまざまなものを取り戻していくのだった


なんというか、新しい感じの小説でした。
死を題材にした作品は作品は数多ありますが、こういったものと引き換えにというものはあまり見かけませんかね。
よくあるんですかね。わかりませんが。

世界から猫が消えたなら

どうなるんですかね。


とりあえず、明日一日携帯を触らずに、映画を見ずに、時計を見ずに、過ごしてみてください。
そしたら猫がいない世界を想像できるかもしれません。

『やられたらやり返す」は、なぜ最強の戦略なのか 【ゲーム理論】で読み解く駆け引きの極意』 安部徹也

2014年10月20日 20時21分56秒 | 読書
雨です

「グローバル・ファイナンシャル銀行本店営業部に栄転した黒田は、パートナーである松井から罠にはめられる。将来頭取となる野望を胸に抱く黒田は、ある作戦に出る―。駆け引きでの勝ち方を体系化した「ゲーム理論」の知識と使い方を、ライバルとの競争、競合会社との駆け引き、相手との交渉などをテーマにした6つのストーリーで紹介。 」(BOOKデータベースより)

経済学を学んだことのある方にも、一般教養で学んだ方にも、「ゲーム理論」といえばイメージがわくでしょうか。
知らない方はwikipediaググるかしてみてください。

簡単に言えばゲームの勝ち方を理論的に説明する方法です。(反論はご遠慮くださいw)

この作品は、このゲーム理論を理解するために、短編小説をもとに解説していきます。
「やられたらやりかえす」はゲーム理論に基づいた戦略なんですね。

とってもわかりやすくて読みやすいので、導入編にはお勧めですね。

『レイジ』 誉田哲也

2014年10月11日 11時05分13秒 | 誉田哲也
最近はめっきり小説の紹介が減ってしまいました。おすすめがあったら切実に教えてほしいくらいです。好みは長編小説で恋愛ものは基本NGですw

「音楽の才能は普通だが、世渡り上手なワタル、高みを目指すゆえ周囲と妥協できない礼二。中学で出逢った二人は、文化祭でバンドを結成するが、その後、それぞれ違う道を歩み続ける。女子の青春小説でも定評のある著者が、今度は、二人のロック少年の苦悩と成長を描く。ほろ苦く切ない、青春ロック小説。 」(BOOKデータベースより)

えー青春ロック小説です。
何歳になっても青春です。
そこは読んでもらえばわかることかと思いますが、あえて書かないでおきます。

この作品は二人の主人公が交互に一人称でつないでいくものとなります。
主人公はワタルと礼二。
ワタルと友達の友哉はバンドを結成することになるが、ボーカルができる人が見つからなかった。
そこに友哉が礼二を見つけてきた。
礼二は快く引き受けるが、1度文化祭で演奏したきり、方向性の違いで礼二が脱退することになる。
ふたりはそれぞれけん制しあいながらもそれぞれの道を進むことになるが、そのさきにある事件がおこるのだった。


とまあ、よくある構成といえばそれまでですが、二人の一人称をそれぞれ書くことで、それぞれの思惑だったり葛藤だったりがみえていて、それがどうなっていくのかが、この作品の楽しみどころ。
ついでにいえば、二人の恋の行方もですが。

バンドにかける思い。
なかなか熱いですね。

『ヤクザ式 相手を制す最強の「怒り方」』 向谷匡史

2014年10月11日 10時52分21秒 | 読書
3連休の初日はいい天気ですが、台風が心配なところです

「百戦錬磨の“怒りのプロ”から、“負の感情”を無敵の武器に変える力ワザを盗め!ストレス社会で勝ち抜けるための処方箋。 」(BOOKデータベースより)


ヤクザといえばふつう怖がられる存在で、怒ってビビらせて・・・というイメージ。
ただ、やくざの怒り方はそんな単純なものではないと。
感情に任せて怒っているだけではよい結果は出てきません。

必要なのは、冷静に、かつ、あいてもこちらにも禍根の残らないように、それでいて自分に利益が出るような怒り方をすること。
そこが堅気とヤクザの怒り方の違いというところらしいです。

ただ、わたくしどなりつけるのは苦手です。
怒るときは冷たいらしいです。

『クリエイティブ人事 個人を伸ばす、チームを活かす』 曽山哲人 金井壽宏

2014年10月04日 22時35分26秒 | 読書
今年は幾分秋を感じられてますね。異常気象という言葉は嫌いですが、こういった普通のことは記憶に残りにくいのでしょう。

「変革の推進者にならなくてはならない人事が、変化を最も嫌う部署になっているケースは多い。しかし、人事のパフォーマンスが変われば、会社の業績は変わる―。社員の心を打つ数々の人事施策を打ち出し、会社の急成長を支えてきたサイバーエージェントの取締役人事本部長が、組織行動研究の第一人者との対談も交え、「人事のクリエイティビティ」とは何かを問う。 」(BOOKデータベースより)

クリエイティブ人事ということで、おもにサイバーエージェントの人事本部長の曽山さんの経験がのべられている本です。
人事の参考にされたい人の評価は散々なものになっていますが、「そもそも人事の参考にする気は毛頭ない」僕からしたら、そこまで悪く言うものではないかと思います。もっとも、ぼくは人事担当でもなんでもないただの経理屋です。

前提条件からいうと、サイバーエージェントは98年に創業したインターネットベンチャーです。ベンチャーとはいえ資本金は70億を超えていますが。
いまだに高度成長中の会社内で起きている人事に関することが書かれています。

さて、曽山さんはもともとは人事の担当者ではなく、営業の責任者だったころに異動で人事本部長になった方です。
人事の先入観というものがないからかわかりませんが、いろんな制度を導入していきます。
どれもが斬新なものというわけではありませんが、なかには変わったものもあったりします。
2駅ルールなんか、おもしろいとおもいましたけど。

まあ、それはそれでおいておいて、私は前職のときは人事にかなり不満を持っていました。
ヤクショなんでいろんなしがらみの中やっているとはいえ、しがらみなんて破ってしまえばいいもので。
前例は作ったもん勝ちですw
その点、曽山さんは社員と向き合って、対話して、自分が動いて解を捜していく。
そういった姿勢は、普通のビジネスマンにも通じているところだと思います。
実際社員は、「めんどくせーな」「人事とはかかわりたくねーな」とか思っているかもしれません。
でも、人事だけじゃなく、いろいろなポジションでも現場と向き合って対話して、机上だけで終わらせないという姿勢は大事だなと、再確認した次第です。

今日はこの辺で。