『陽気なギャングの日常と襲撃』 伊坂幸太郎

2012年03月31日 20時47分18秒 | 伊坂幸太郎
あったかくなったり寒くなったり。三寒四温いや、五寒二温ぐらいに思いますw


「嘘を見抜く名人は刃物男騒動に、演説の達人は「幻の女」探し、精確な体内時計を持つ女は謎の招待券の真意を追う。そして天才スリは殴打される中年男に遭遇―天才強盗四人組が巻き込まれた四つの奇妙な事件。しかも、華麗な銀行襲撃の裏に「社長令嬢誘拐」がなぜか連鎖する。知的で小粋で贅沢な軽快サスペンス!文庫化記念ボーナス短編付き。」(BOOKデータベースより)

伊坂作品には珍しい(らしい)、陽気なギャングが地球を回すの続編です。

内容は、前回の主要登場人物である四人の日常的な4つの短編からはじまります。
日常っていっても伊坂作品なので普通じゃないですけど。

それぞれの短編で、彼、彼女らは自分の特殊能力を存分に発揮して事件を解決していきます。
もちろん、4つの物語はいたるところで他の物語と絡み合ってきて、あっちの伏線をこっちで回収したりといった、そんな話の進め方です。

そして、お待ちかね、4人は銀行強盗に入ります。
まあ、銀行強盗の描写ってのは、もうほとんどおさわり程度。ページにして8ページ。
この銀行強盗で見たことと、さきほどの4つの短編からまた物語が始まっていくわけです。


よく、こうもいろいろ仕込んで小説が書けるなあと感心してしまいますw
伊坂氏が描く世界は普通の世界じゃない、そのなかでいろんなものがバランス良く配置されているという印象。
きっと、伊坂氏には世界がこんな感じに見えているのでしょう。

★★★★☆

next...「For You」五十嵐貴久
最愛の叔母が急逝した。映画雑誌の編集者である朝美は、遺品整理で訪れた叔母の部屋で古びた日記帳を見つける。そこには80年代、高校生だった叔母の青春が描かれていた。読み進めていくうちに、朝美は叔母のある男の子への想いを知る。独身を貫き、「恋ならしている」そう言い続けた叔母の生涯を懸けた恋とは。涙なしには読めない、感動の純愛ミステリー。 (BOOKデータベースより)

『武士道エイティーン』 誉田哲也

2012年03月21日 19時45分33秒 | 誉田哲也
いい画像がありませんでした。

「宮本武蔵を心の師と仰ぐ香織と、日舞から剣道に転進した早苗。早苗が福岡に転校して離れた後も、良きライバルであり続けた二人。三年生になり、卒業後の進路が気になりだすが…。最後のインターハイで、決戦での対戦を目指す二人のゆくえ。剣道少女たちの青春エンターテインメント、堂々のクライマックス。」(BOOKデータベースより)

今までの2作(武士道シックスティーン武士道セブンティーンん)は主人公の早苗と香織、二人の主観で順番に語られていく形でした。

今回はそれとは違って、早苗と香織、そして早苗の姉の緑子や早苗の顧問の吉野、早苗と香織の後輩の美緒、香織の恩師の桐谷玄明といったように、さまざまな主観で語られていきます。
まあ、主となるのはもちろん早苗と香織。

ただ、緑子の苦悩と恋愛、吉野の伝説、美緒の葛藤、桐谷の過去といった、いわばスピンオフ的な物語もいい味醸しだしています。
伏線をそういったサブストーリーで回収するのは、まあおいといて。

吉野がかっこいいぜ。
そしてそれにつながる桐谷。
桐谷に隠された暗い過去。
香織と黒岩の関係。

何一つとっても欠かすことのできなかったサブストーリー。

最後に断っておくが、インターハイの決勝で早苗と香織が戦う!っていうのが落ちじゃありません。

最後にまた伏線を。。。

次回作はあるのか。
有川浩はあると言っていますw

期待してます。

★★★★☆

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嘘を見抜く名人は刃物男騒動に、演説の達人は「幻の女」探し、精確な体内時計を持つ女は謎の招待券の真意を追う。そして天才スリは殴打される中年男に遭遇―天才強盗四人組が巻き込まれた四つの奇妙な事件。しかも、華麗な銀行襲撃の裏に「社長令嬢誘拐」がなぜか連鎖する。知的で小粋で贅沢な軽快サスペンス!文庫化記念ボーナス短編付き。 (BOOKデータベースより)

『真夜中のパン屋さん午前1時の恋泥棒』 大沼紀子

2012年03月15日 21時39分17秒 | 読書
また寒くなってしまいました。


「真夜中にだけ開く不思議なパン屋さん「ブランジェリークレバヤシ」に現れたのは、美人で妖しい恋泥棒―。謎だらけの彼女がもたらすのは、チョコレートのように甘くてほろ苦い事件だった…。不器用な人たちの、切なく愛おしい恋愛模様を描き出す“まよパン”シリーズ第2弾。」(BOOKデータベースより)


おいしいパン屋さんの物語の2作目。
今回は前回とは違い、長編小説となります。
まあ、何ページ以上が長編かって言われたらよくわかりませんけど。

ブランジェリークレバヤシに突如現れた美女、佳乃はやり手の結婚詐欺師!?
怪しい男性から結婚詐欺師だと告げられ、また、佳乃の部屋に何千万円もの札束を見つけた希実。

そんな佳乃につれられてか、多くの男性客が集まるようになるが、佳乃を追う怪しい男もやってくるようになった。


ってな感じのストーリー。
前半5分の1ぐらいのダイジェストでしかないですけど、これ以上書いたらネタばれになっちゃうしねー。

今回は斑目さん大活躍です。変態根性ってやつ!?w

そして、前回は暮林さんのほんわかしたやさしさがメインな感じだったけど、今回は弘基の荒々しさの隙間に垣間見える男らしさが随所にちりばめられていてこれもいい感じです。

★★★★☆

next...「武士道エイティーン」
「宮本武蔵を心の師と仰ぐ香織と、日舞から剣道に転進した早苗。早苗が福岡に転校して離れた後も、良きライバルであり続けた二人。三年生になり、卒業後の進路が気になりだすが…。最後のインターハイで、決戦での対戦を目指す二人のゆくえ。剣道少女たちの青春エンターテインメント、堂々のクライマックス。 」(BOOKデータベースより)

『少女』 湊かなえ

2012年03月11日 16時17分35秒 | 読書
3月11日、震災から1年。ご冥福を祈りつつ、今生きていることの喜びを感じます。



「親友の自殺を目撃したことがあるという転校生の告白を、ある種の自慢のように感じた由紀は、自分なら死体ではなく、人が死ぬ瞬間を見てみたいと思った。自殺を考えたことのある敦子は、死体を見たら、死を悟ることができ、強い自分になれるのではないかと考える。ふたりとも相手には告げずに、それぞれ老人ホームと小児科病棟へボランティアに行く―死の瞬間に立ち合うために。高校2年の少女たちの衝撃的な夏休みを描く長編ミステリー。」(BOOKデータベースより)

あの映画化もされた問題作「告白」の作者、湊かなえによる女子高生二人の物語。


なんて表現したらいいのかわからない。
自分の語彙の乏しさに怒りを覚える。

女子高生の今をリアルに描いているとでもいうのかな。

最後を読むまではすごいハッピーエンドで終わるんだなー、告白とは違う感じだなーって思った矢先のエンディング。
やっぱ一筋縄ではいかない湊かなえ。

これが今の女子高生のリアルだとしたら、俺は男に生まれてよかったと思いますw

★★★★☆

今日から評価甘めにします。


next...「真夜中のパン屋さん 午前1時の恋泥棒」
「真夜中にだけ開く不思議なパン屋さん「ブランジェリークレバヤシ」に現れたのは、美人で妖しい恋泥棒―。謎だらけの彼女がもたらすのは、チョコレートのように甘くてほろ苦い事件だった…。不器用な人たちの、切なく愛おしい恋愛模様を描き出す“まよパン”シリーズ第2弾。 」(BOOKデータベースより)

『デッドクルージング』 深町秋生

2012年03月07日 18時39分56秒 | 読書
春の陽気ですね。


「2015年、東京。富裕層と貧困層の格差が拡大し、脱北者の無条件受け入れを開始した日本。企業は不良少年らで民兵集団を組織し、民兵・晃らはミッションのもと、中国人が集うクラブを襲撃。偽ドル札作りの天才・劉の拉致に成功した。一方、クラブの襲撃により、脱北者の売春婦として生活していたヒギョンが命を落とした。ヒギョンの姉、ファランは妹の死体を前に、ある決意をする…。」(BOOKデータベースより)


えっと、バイオレンス小説です。
主人公の晃が属する民兵組織IMCことイソベマネジメントコンサルティングがさまざまな敵を倒しながら進んでいくストーリー。


なんでしょうか。
よくわかりません。w

人がたくさん出てくるし、朝鮮系の人や中国系の人がわんさか出てきて訳わかめ。
省の切れ目が少なくて一つ一つの話がどこで区切られているのかわかりにくいし。

まあ、この辺は読者の力量で何とかなる範囲だけどさw

俺の読み込み不足なのか(眠かったんですw)、なぜ晃たちはこんなに狙われるのかわかりにくかった。まあ、大久保機関が劉をねらってるっていうことなんだろうけど。
わけわかめ。

そして、まあご都合主義もすくなからず。
幕切れもあっけなく。
なんのための300ページなのかしら。

救いはファランのキャラクターでしょうか。
彼女が主役でもよかったかも。


んー。

お勧めはしませ~ん。


★★☆☆☆


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「親友の自殺を目撃したことがあるという転校生の告白を、ある種の自慢のように感じた由紀は、自分なら死体ではなく、人が死ぬ瞬間を見てみたいと思った。自殺を考えたことのある敦子は、死体を見たら、死を悟ることができ、強い自分になれるのではないかと考える。ふたりとも相手には告げずに、それぞれ老人ホームと小児科病棟へボランティアに行く―死の瞬間に立ち合うために。高校2年の少女たちの衝撃的な夏休みを描く長編ミステリー。」(BOOKデータベースより)

『真夜中のパン屋さん 午前0時のレシピ』 大沼紀子

2012年03月02日 20時56分25秒 | 読書
春の訪れとともに雨が多くなってきましたね。テンパにはつらい時期です。w



「都会の片隅に真夜中にだけ開く不思議なパン屋さんがあった。オーナーの暮林、パン職人の弘基、居候女子高生の希実は、可愛いお客様による焼きたてパン万引事件に端を発した、失綜騒動へと巻き込まれていく…。期待の新鋭が描く、ほろ苦さと甘酸っぱさに心が満ちる物語。 」(BOOKデータベースより)


とある町にあるパン屋さん。真夜中にしか開かない不思議なパン屋でありながら味が評判でなかなかの客足。
オーナーの暮林は海外勤務が長く妻と長い間別居生活で会ったが、妻の事故死により日本に帰ってきてパン屋を経営している。
パン職人の弘基は人妻を追ってパンの技術を身に付けた凄腕の職人。

その二人が経営するパン屋に、亡くなった妻の腹違いの妹と名乗る希実がやってきて以降、一癖もふた癖もある人たちがこのパン屋に訪れるのだが、
いろいろな問題も、暮林の温厚な物言いや、弘基や希実の歯に衣着せぬ言動、そしてパンを通じて解決していく。


そんな物語です。つながりはあるけど短編です。

解説通り、ほろ苦さと甘酸っぱさに心が満ちる物語です。
そして、なによりおいしいパンが食べたくなります。

おいしいパンは誰にも平等で、
おいしいパンは人を幸せにして、
みんな笑顔になる。

そこに甘酸っぱい人間ドラマのトッピング。

そんな本を読んでみてはいかがですか??


短編じゃなかったら4つかも・・・

★★★☆☆


next...「デッドクルージング」
「2015年、東京。富裕層と貧困層の格差が拡大し、脱北者の無条件受け入れを開始した日本。企業は不良少年らで民兵集団を組織し、民兵・晃らはミッションのもと、中国人が集うクラブを襲撃。偽ドル札作りの天才・劉の拉致に成功した。一方、クラブの襲撃により、脱北者の売春婦として生活していたヒギョンが命を落とした。ヒギョンの姉、ファランは妹の死体を前に、ある決意をする…。 」(BOOKデータベースより)