『殺しあう家族』 新堂冬樹

2012年10月27日 21時52分16秒 | 読書
吐き気がするほど、えぐすぎる。

「浴室に転がった孝の生首が、貴子を見上げていた。「いゃあっ!」。貴子は悲鳴を上げ、生首を蹴り上げた。「お父さん!」。優太が、赤い飛沫を上げながら排水口に転がる生首を慌てて拾い上げた。―死体の解体を終えた貴子は最後の足をゴミ袋に詰めた。手伝わされた優太は完全に壊れていた。この場で繰り広げられている地獄絵図は、富永の存在なしには起こり得るはずがなかった。洗脳、私刑、殺人、死体解体そして驚愕のラスト。」(BOOKデータベースより)


本当に吐き気がする。
今までいろんなえぐい作品を読んできましたが、これほどの作品はなかった。
ほぼ全編にわたる虐待、殺人、死体遺棄。
そのすべてがおぞましく、読むのがとても辛いものでした。
この本を一気読みしたのは、もう明日以降に持ち越したくなかったので。

最後まで読んで、何か救われる展開になるかと思えばそうでもなく。
実際の事件をモチーフにしたとはいえ、伝えたい何かが伝わってこない作品でした。

あー、気持ち悪い。

★☆☆☆☆

next...「深く深く砂に埋めて」 真梨 幸子
かつて一世を風靡した美貌の女優・野崎有利子。彼女に魅せられたエリートサラリーマンが、殺人と詐欺の容疑で逮捕された。やがて明らかになる男の転落と女の性。奔放に生きる有利子は悪女か、それとも聖女なのか?悪女文学の傑作『マノン・レスコー』を下敷きに、女のあくなき愛と欲望を描く長編ロマンス。(BOOKデータベースより)

『もぐら』 矢月秀作

2012年10月25日 21時22分44秒 | 読書
連投でもうしわけ。



「かつて警視庁組織犯罪対策部に属していた影野竜司。彼はある事件で相棒と愛する妻、娘を失い表社会から姿を消した―。十年後、竜司は闇社会で“もぐら”と恐れられるようになる。警察には相談できぬ事件を請け負い、暴力を厭わず、超法規的に過激な手段で解決するトラブルシューターとして。悪を憎む孤独なヒーロー、ここに誕生。 」(BOOKデータベースより)

この男、いや、漢。
強すぎる。
暴力団も意に介せず、組織を壊滅させることもしばしば。
そんな竜司にあるトラブルが舞い込む。
「妹が拉致され犯され、その写真を取られてそれで脅されて売春をさせられている。助け出してほしい」
竜司は兄妹を無事助け出したのだが、そのころから竜司はなにか違和感を感じ始めるのだった。


なんというか、まあ強い。
ナイフをもっていようが、銃を向けられようが勝つ。
あまりのつよさに少しさめてしまうところもありましたが、でも強さは物語のテンポをより速くしている材料なのであって、じつはただ組織を壊滅させるだけじゃない物語性も持っている作品です。
あんまり暴力ものに免疫のない人にはお勧めできませんけど、あんがい読める作品でした。

★★★★☆

next...「殺しあう家族」新堂冬彦
浴室に転がった孝の生首が、貴子を見上げていた。「いゃあっ!」。貴子は悲鳴を上げ、生首を蹴り上げた。「お父さん!」。優太が、赤い飛沫を上げながら排水口に転がる生首を慌てて拾い上げた。―死体の解体を終えた貴子は最後の足をゴミ袋に詰めた。手伝わされた優太は完全に壊れていた。この場で繰り広げられている地獄絵図は、富永の存在なしには起こり得るはずがなかった。洗脳、私刑、殺人、死体解体そして驚愕のラスト。 (BOOKデータベースより)

『同期』 今野敏

2012年10月25日 21時13分33秒 | 読書
寝る前の読書が功を奏しています。



「警視庁捜査一課の宇田川は現場で発砲されるが、突然現れた公安所属の同期の蘇我に救われる。数日後、蘇我は懲戒免職となり消息不明に。宇田川は真相を探るが、調べるにつれ謎は深まる。“同期”は一体何者なのか?組織の壁に抗い、友を救おうとする刑事の闘いの行方は!?今野敏警察小説の最高峰がここにある。」(BOOKデータベースより)


宇田川は捜査一課に配属されて1年の若手(中堅?)刑事。
その宇田川がある特別捜査本部に召集されるのだが、その捜査本部では的外れな捜査を繰り返していた。
その捜査方針に疑問をもつ宇田川や相方の土岐、上司の植松や係長の名波は独自に捜査を進めたところ、有る人物が浮かび上がってきたのだった。
また、消息不明になった蘇我は組織に消されたのか?なぜ懲戒免職になったのか?潜入捜査をしているのではないか?
さまざまな憶測が生まれては消えた。そんな宇田川の目の前に有る人が現れるのであった。


こんな話ですかねー。
ちょっと時系列が変な感じの紹介になっちゃいますけど。
書けないことは書けないもんね。ネタばれになっちゃうし。
でもなかなかこういう作品は好きだけどね。
最後はさっぱりしてて物足りない感もあるけど、まあそれはそれで許せるかな。

★★★★☆

next...「もぐら」 矢月秀作
かつて警視庁組織犯罪対策部に属していた影野竜司。彼はある事件で相棒と愛する妻、娘を失い表社会から姿を消した―。十年後、竜司は闇社会で“もぐら”と恐れられるようになる。警察には相談できぬ事件を請け負い、暴力を厭わず、超法規的に過激な手段で解決するトラブルシューターとして。悪を憎む孤独なヒーロー、ここに誕生。 (BOOKデータベースより)

『架空通貨』 池井戸潤

2012年10月22日 19時35分33秒 | 池井戸潤
どーしても読書時間が短くなってしまう。どーにかしたい



「女子高生・麻紀の父が経営する会社が破綻した―。かつて商社マンだった社会科教師の辛島は、その真相を確かめるべく麻紀とともに動き出した。やがて、二人がたどり着いたのは、「円」以上に力を持った闇のカネによって、人や企業、銀行までもが支配された街だった。江戸川乱歩賞受賞第一作『M1』を改題。」(BOOKデータベースより)


読み終わったのは1週間ほど前になるんだけど、なんとなくこう紹介する気がでませんでして遅くなってしまいました。
紹介したい!っていうほどヒットしなかったってのもあるんですけどね。

さて、物語は社会科教師の辛島と教え子の麻紀が、麻紀の父親が経営する黒沢金属工業が不渡りを出したことで倒産の危機にひんしているときの話。
麻紀は社債の期前償還をもとめて、田神亜鉛に出向くのだが、そこには田神亜鉛とそれを取り巻く企業集団の破滅への道のりがあったのだった。

あかん、説明端折りすぎた!
でも説明しにくいってのもあるんです(言い訳)

架空通貨とは何か。
それが流通した先に見えてくるのは。
中小零細企業の経営基盤の脆弱さが事件をより大きくしてしまう。


★★★☆☆

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警視庁捜査一課の宇田川は現場で発砲されるが、突然現れた公安所属の同期の蘇我に救われる。数日後、蘇我は懲戒免職となり消息不明に。宇田川は真相を探るが、調べるにつれ謎は深まる。“同期”は一体何者なのか?組織の壁に抗い、友を救おうとする刑事の闘いの行方は!?今野敏警察小説の最高峰がここにある。 (BOOKデータベースより)