今年のベスト5

2011年12月31日 15時28分55秒 | 読書
さて、今年読んだ本は以下の51冊でした。けっこう読んでけっこう紹介しましたね。
1年ってのは長いものです。


1『シアター!』 有川浩
2『すべてがFになる』 森博嗣
3『鉄の骨』 池井戸潤
4『アゲハ 女性秘匿捜査官・原麻希』 吉川英梨
5『ナイチンゲールの沈黙』 海堂尊
6『ビブリア古書堂の事件手帖』 三上延
7『モダンタイムス』 伊坂幸太郎
8『別冊 図書館戦争Ⅱ』 有川浩
9『別冊 図書館戦争Ⅰ』 有川浩
10『アウトバーン 組織犯罪対策課 八神瑛子』 深町秋生
11『ジーンワルツ』 海堂尊
12『風の中のマリア』 百田尚樹
13『迷宮』 清水義範
14『ピース』 樋口有介
15『空飛ぶタイヤ』 池井戸潤
16『図書館革命』 有川浩
17『殺人鬼フジコの衝動』 真梨幸子
18『真夜中のマーチ』 奥田英朗
19『九月が永遠に続けば』 沼田まほかる
20『リミット』 野沢尚
21『図書館危機』 有川浩
22『下町ロケット』 池井戸潤
23『楽園 上・下』 宮部みゆき
24『図書館内乱』 有川浩
25『インシテミル』 米澤穂信
26『SROⅢ キラークィーン』 富樫倫太郎
27「i(アイ)鏡に消えた殺人者―警視庁捜査一課・貴島柊志」 今邑彩
28『夏の庭-The Friends』 湯本香樹実
29『8年』 堂場瞬一
30『図書館戦争』 有川浩
31『美しき凶器』 東野圭吾
32『SROⅡ 死の天使』 富樫倫太郎
33『シューカツ!』 石田衣良
34『プラ・バロック』 結城 充考
35『ビフォア・ラン』 重松清
36『黒い家』 貴志祐介
37『国境事変』 誉田哲也
38『空の中』 有川浩
39『西の魔女が死んだ』 梨木香歩
40『武士道セブンティーン』 誉田哲也
41『海の底』 有川浩
42『大空のサムライ』 坂井三郎
43『塩の街』 有川浩
44『ダイイング・アイ』 東野圭吾
45『永遠の0』 百田尚樹
46『SROⅠ 警視庁広域捜査専任特別調査室』 富樫倫太郎
47『25時のイヴたち』 明野照葉
48『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』 岩崎夏海
49『伝える力』 池上彰
50『警視庁情報官 シークレット・オフィサー』 濱嘉之
51『白銀ジャック』 東野圭吾


このなかでベスト5を挙げるとしたら。。。



第5位!


『リミット』 野沢尚

ちょっと下駄をはかせての5位かもしれません。でも均衡しててほんと何位でもいいんですけどw
野沢尚の名をもっと知らしめてほしいという願いの元、5位にしました!


第4位!


『SROⅢ キラークィーン』 富樫倫太郎

あえての第3話です。第1話の犯人再登場で、どうなるのか、次が気になって仕方なかった点をもって4位としました。


第3位!


『図書館戦争』シリーズ 有川浩

これはもうシリーズでいいかなって。
全体的に甘いお話でしたがとても楽しめた作品でした!


第2位!


『下町ロケット』 池井戸潤

今年の直木賞受賞作ですね。
訴えかけるもの、話の面白さ、感動作、総合的に良い作品でした。


第1位!


『永遠の0』 百田尚樹

インパクトがすごかったっていうか、訴えかけるものが強くて強くて。
話題としてはとっても重くて、でも日本人にとってすごく大事なもの。
でも、それをわかりやすく、とっつきやすい形で世間に提示したという点で賞賛に値する作品だと思います。





まあ、私の独断と偏見によるベスト5ですので、皆さんが読んで面白いと思うかどうかはわかりません。その点ご容赦ください。
ただ、ベスト5に上げきれなかったけどよい作品もまだまだありました。ぜひぜひ時間のある年末年始はどっぷりと読書にはまってみてください!

それでは、よいお年を!
来年もよろしくお願いします。

P.S. いつも読んでくれているみなさん。
   ときどきコメントしてくれると、管理人がとても喜びます!

『シアター!』 有川浩

2011年12月31日 00時06分08秒 | 有川浩
踊る大捜査線見ました。



「小劇団「シアターフラッグ」―ファンも多いが、解散の危機が迫っていた…そう、お金がないのだ!!その負債額なんと300万円!悩んだ主宰の春川巧は兄の司に泣きつく。司は巧にお金を貸す代わりに「2年間で劇団の収益からこの300万を返せ。できない場合は劇団を潰せ」と厳しい条件を出した。新星プロ声優・羽田千歳が加わり一癖も二癖もある劇団員は十名に。そして鉄血宰相・春川司も迎え入れ、新たな「シアターフラッグ」は旗揚げされるのだが…。」(BOOKデータベースより)


有川浩らしい人間味あるストーリー。
自衛隊シリーズや図書館戦争シリーズのようにSFチックな設定はなく、普通の世界でのお話といえば逆に有川浩らしくないというか。
そんな作品です。


作中にも書いてあるんだけど、主宰の春川巧が書く演劇は軽くて薄っぺらくて深みがないと批判があるんだけど、
客が単純に笑って帰れる芝居があってもいいじゃないって。

有川作品のよさってのも、こういった軽快な文章の中に笑えて、泣けて、笑顔になれるストーリーがあるっていうとこがあると思うんだよね。
この作品で、それを示したかのような。

村上春樹とかみたいに重たくて考えさせれるような作品も素晴らしいんだけど、
有川浩みたいな、現実的な人の温かさを思い出してくれるような作品もいいものだと思う。

それを思い出させてくれた作品でした。

★★★☆☆


next...「SROⅣ 黒い羊」
「SROに届いた初の協力要請は、県警ではなく法務省からの人探し。自らの家族四人を殺害して医療少年院に収容されていた青年が退院後、行方不明になったという。一方、「警視庁のダーティハリー」こと針谷太一のもとにジャーナリストが現れ、過去の事件について取材に応じろと“脅し”をかけてきた。文庫書き下ろし・シリーズ第四弾。」(BOOKデータベースより)

『すべてがFになる』 森博嗣

2011年12月21日 21時28分19秒 | 読書
ちょっと読むのに時間がかかりました。


「孤島のハイテク研究所で、少女時代から完全に隔離された生活を送る天才工学博士・真賀田四季。彼女の部屋からウエディング・ドレスをまとい両手両足を切断された死体が現れた。偶然、島を訪れていたN大助教授・犀川創平と女子学生・西之園萌絵が、この不可思議な密室殺人に挑む。新しい形の本格ミステリィ登場。 」(BOOKデータベースより)


渋谷のツタヤでお勧めされてたやつを愛知県知多市で買ったもんです。
ちなみに渋谷区の人口は約20万人、知多市が8万4千人です。(どーでもいい)


ジャンルとしては密室殺人の本格ミステリです。
昔ながらのって言ったら語弊があるけど、すこし古典的な部分もありますね。

密室殺人ってのはまあ密室の謎を解くことで事件が解決するっていっても過言じゃないでしょう。
実際この作品も主に密室の謎を解くことに重点を置いています。

ただ、古典と違うのが単純に鍵がどうこうって言うだけじゃなくて、真賀田四季博士が作成したレッドマジックにより完全に監視され、出入りも管理されているという状況下で起きた事件です。
そして、密室だったのが1日や2日じゃなくて14年間という長期にわたって開けられることのなかったドアです。

半分すぎぐらいまで読んだとき、「この推理って反則じゃね?読者に情報を与えないで実は○○でしたってのは読者に対して失礼だよ?」的な感想をもちはじめたのは事実です。
でも、だんだんと読み進めていく中で、やっぱりでもこの方法は事前に予測することも不可能ではないんじゃない?っていう気にもなってきます。

ただ、密室の謎を解いた後、この状況下じゃきっとあの人が犯人だろうっていう推測はできますよね。そこで先の不満はどっかいっちゃって。
んで、すべてFになるんです。

実際、このFになるっていうのは理系というか情報系の知識がないと思い浮かびません。
そのあたり、やっぱ反則です。w

でも、森さん、頭いいと思います。


ちなみにこの作品の舞台は愛知県知多郡南知多町の日間賀島です。作中では妃真加島って言ってますけどね。
他に篠島と佐久島もでてきますし、一色とかも出てくるので間違いないです。

さらにこの作品はなんと10部作のうちの1作目です。

興味ある人は10冊読んでみてください。
私にはできません。w


★★★☆☆

next...「シアター!」有川浩
「小劇団「シアターフラッグ」―ファンも多いが、解散の危機が迫っていた…そう、お金がないのだ!!その負債額なんと300万円!悩んだ主宰の春川巧は兄の司に泣きつく。司は巧にお金を貸す代わりに「2年間で劇団の収益からこの300万を返せ。できない場合は劇団を潰せ」と厳しい条件を出した。新星プロ声優・羽田千歳が加わり一癖も二癖もある劇団員は十名に。そして鉄血宰相・春川司も迎え入れ、新たな「シアターフラッグ」は旗揚げされるのだが…。 」(BOOKデータベースより)

『鉄の骨』 池井戸潤

2011年12月13日 19時43分34秒 | 池井戸潤
やる気が出ない毎日です。


「中堅ゼネコン・一松組の若手、富島平太が異動した先は“談合課”と揶揄される、大口公共事業の受注部署だった。今度の地下鉄工事を取らないと、ウチが傾く―技術力を武器に真正面から入札に挑もうとする平太らの前に「談合」の壁が。組織に殉じるか、正義を信じるか。吉川英治文学新人賞に輝いた白熱の人間ドラマ。」(BOOKデータベースより)


池井戸潤、あいかわらず凄い作家だと思います。


世の中のタブーであろう「談合」に真正面から向き合った作品です。
話のプロットがまたすごいな、ちゃんと練られてて伏線もしっかり張って回収して。
最後にはまさかの展開ですよ。
そうきたか!あんたも役者だねぇ 的な。

人間ドラマも話に厚みをもたらしてますよね。
仕事とプライベートは連動して動くもの、そう思えてきたりします。
実際もそうなのかな?経験者の方はお知らせくださいw


お勧めです。

★★★★☆

『アゲハ 女性秘匿捜査官・原麻希』 吉川英梨

2011年12月11日 19時32分22秒 | 読書
二日酔いになるともうのままいと思うのに、また飲みすぎてしまうのはなぜでしょう。


「警視庁鑑識課に勤める原麻希は、ある日、子供を預かったという誘拐犯からの電話を受ける。犯人の指示のもと、箱根の芦ノ湖畔へと向かった麻希だが、そこには同じく息子を誘拐されたかつての上司、戸倉加奈子の姿があった。殺人現場に届く「アゲハ」からのメッセージの意味は?誘拐は、麻希と加奈子の運命を変えた八年前の事件が関係しているのか―!?女性秘匿捜査官・原麻希が社会の闇に挑む、長編警察ミステリー。」(BOOKデータベースより)


原麻希。
はらまき。

十回ぐらい連続して読んでみてください。

はらまきはらまきはらまきはらまきはらまきはらまきはらまきはらまきはらまきはらまき

腹巻きですね。

全国の「マキ」さん、原さんと結婚するといじめられますよー!w

という作品です。(嘘)


八年前の事件とは連続婦女暴行事件のことです。
それに関係していた警察関係者がさまざまな事件に巻き込まれていきます。
黒幕はだれなのか。
8年前の犯人で、何らかの圧力で逮捕されながらも起訴されなかった関谷が黒幕なのか。
それとも他に黒幕がいるのか。
どんどん入れ替わる黒幕候補、たび重なるどんでん返し。
読者を退屈させない、テンポの良いストーリー。
まさかの黒幕です。油断してました。

まあ、典型的ミステリの一分野ではあるんだけど、なんかやられちゃいました。
面白いです。

そして不覚にもこの吉川英梨さんという作家を知らなかったのを悔い改めるところです。
まだ34歳ですか。
末恐ろしいですね。ここで終わってほしくない作家です。

ぜひご一読を。

★★★★☆
(未来を期待して一個おまけ)

next...「鉄の骨」池井戸潤
「「次の地下鉄工事、何としても取って来い」でも談合って犯罪ですよね?謎の日本的システムの中で奔走する、若きゼネコンマン平太の行末は―。 」(BOOKデータベースより)

『ナイチンゲールの沈黙』 海堂尊

2011年12月11日 19時12分46秒 | 読書
これ一回読んだことあることを読み始めて気付いたw


「東城大学医学部付属病院・小児科病棟に勤務する浜田小夜。担当は、眼球に発生する癌―網膜芽腫(レティノブラストーマ)の子供たち。眼球を摘出されてしまう彼らの運命に心を痛めた小夜は、子供たちのメンタルサポートを不定愁訴外来・田口公平に依頼する。その渦中に、患児の父親が殺され、警察庁から派遣された加納警視正は院内捜査を開始する。小児科病棟や救急センターのスタッフ、大量吐血で緊急入院した伝説の歌姫、そこに厚生労働省の変人・白鳥圭輔も加わり、事件は思いもかけない展開を見せていく…。 」(BOOKデータベースより)


一言でいえば、小児医療を題材にした、殺人事件のミステリーもの兼SFまがいの物語 的な感じでしょうか。

物語としては面白いというかテンポよく進んでいきます。ページ数にして600ぐらいあるんだけど、ストレスなくすいすいと読めます。
前回作の「チームバチスタの栄光」と比較しても難しい話はそんなにないからとっつきやすい物語かも。そこが好まれる理由かな。


ただ、この物語、あんまり評価高くないんですよね。なんでか自分なりに考察してみると。。。


・殺人ものっていうと、「フーダニット(誰がやったか)」とか「ハウダニット(どうやってやったか)」とか「ワイダニット(なぜやったか)」とか、謎を解き明かしながら物語が進んでいくってのが王道っていうか、そんな感じだけど、今回はだれがどうやってなぜやったかってのがたぶん序盤でわかっちゃうと思うし、その点がミステリファンとしては物足りない。

・医療に対する警笛としてとらえると、前回作とか他の作品に比べるとあまりぱっとしないというか、内容的に軽いという印象。前回作によって衝撃を受けた読者が続けて読むと前回作より物足りないと感じるのでは。

・キーパーソンの白鳥が前回ほど自由奔放っじゃない。彼ほどの個性が今回は鳴りを潜めているってのがさみしいか。前回作のようなロジカルな展開じゃなく、最終的にはSF的な要素で解決している点で評価できない。


っという感じかな。まあ、あくまで個人的な感想でいえば面白かったからいいんですけど。w
最初から重い作品に行くと、食あたりしちゃうしね。こういう作品で読書の門戸が開かれていけば、俺みたいな読書ファンか増えていくのでしょう。


★★★☆☆

『ビブリア古書堂の事件手帖』 三上延

2011年12月03日 22時55分28秒 | 読書
最近の流行はボーリングです。大学生か!w



「鎌倉の片隅でひっそりと営業をしている古本屋「ビブリア古書堂」。そこの店主は古本屋のイメージに合わない若くきれいな女性だ。残念なのは、初対面の人間とは口もきけない人見知り。接客業を営む者として心配になる女性だった。だが、古書の知識は並大低ではない。人に対してと真逆に、本には人一倍の情熱を燃やす彼女のもとには、いわくつきの古書が持ち込まれることも、彼女は古書にまつわる謎と秘密を、まるで見てきたかのように解き明かしていく。これは“古書と秘密”の物語。 」(BOOKデータベースより)


ビブリア古書堂と店主の篠川栞子と主人公の五浦大輔にまつわる4つの短編小説であり、全体で一つをなす長編的要素のある短編集です。

上にも書いてある通り、店主の栞子は人見知りが激しくて、というより話すことが苦手で普通に会話するのにもしどろもどろ。
ただ、それが、本のことになると一変して饒舌になってしまう、一風(!?)変わった性格の持ち主です。

栞子と大輔はいろんな事件に巻き込まれていくんだけど、ほとんど会話もできない栞子はこと本に関する事件についてはものすごい推理力を発揮するっていう。
そしてこまごまとした事件を解決していく中で、栞子に隠された大きな秘密を明らかにし、解決するという長期的なプロット。
古本についてはほとんど無知で、さらにニートの大輔が成長していくさまも素敵です。
個性豊かな登場人物も話に彩りを添えてくれて。バランスの取れたいい作品じゃないっすかね。

俺はこういった心温まるような、ハラハラドキドキするような作品好きですね。

4つつけたいけど、かぎりなく4つに近いという形の・・・

★★★☆☆

next...「ナイチンゲールの沈黙」海堂尊
「第4回「このミス大賞」受賞作で300万部を突破した大ベストセラー『チーム・バチスタの栄光』の続編が登場します。大人気、田口・白鳥コンビの活躍再び! 今度の舞台は小児科病棟。病棟一の歌唱力を持つ看護師・浜田小夜の担当患児は、眼の癌――網膜芽腫の子供たち。眼球摘出をせざるをえない彼らに心を痛めた小夜は、患児のメンタルケアを不定愁訴外来担当の田口公平に依頼し、小児愚痴外来が始まった。」(BOOKデータベースより)