『SOSの猿』 伊坂幸太郎

2012年12月20日 18時40分31秒 | 伊坂幸太郎
とりあえずテンション上げたい。



「三百億円の損害を出した株の誤発注事件を調べる男と、ひきこもりを悪魔秡いで治そうとする男。奮闘する二人の男のあいだを孫悟空が自在に飛び回り、問いを投げかける。「本当に悪いのは誰?」はてさて、答えを知るのは猿か悪魔か?そもそも答えは存在するの?面白くて考えさせられる、伊坂エンターテインメントの集大成。 」(BOOKデータベースより)


50万円を1株売却しようとしたのに、50万株を1円で売却してしまった人の話。
ではないんですけどね。ジェイコム株大量誤発注事件といえば記憶にある人も多いでしょう。

ま、これは一つのきっかけにすぎないのであって、物語はこの誤発注の原因を突き詰めようとする五十嵐真の話と、副業として悪魔払いをしている遠藤二郎の話が同時平行に進んでいく。

あー、もう書くことない。
まあ、上に書いてある通り、孫悟空が出てきます。
ドラゴンボールの孫悟空じゃなくて、西遊記の孫悟空です。

伊坂幸太郎作品ではしゃべるカカシとか出てくるので、もうそういうもんだと受け入れられますね。

★★☆☆☆

next...「世界でいちばん長い写真」誉田哲也
人気者だった親友の洋輔が転校してから、宏伸の毎日は冴えない感じだ。特にやりたいこともなく、クラブ活動の写真部でも、部長からしかられてばかり。そんなある日、祖父の古道具屋で、大砲みたいにごつい不思議なカメラに出合う。世界一長い写真が撮れるカメラって!?その日から、宏伸の日常がきらめき始める。ワクワクして胸にジンとくる、青春小説の新たな傑作。 (BOOKデータベースより)

『陽気なギャングの日常と襲撃』 伊坂幸太郎

2012年03月31日 20時47分18秒 | 伊坂幸太郎
あったかくなったり寒くなったり。三寒四温いや、五寒二温ぐらいに思いますw


「嘘を見抜く名人は刃物男騒動に、演説の達人は「幻の女」探し、精確な体内時計を持つ女は謎の招待券の真意を追う。そして天才スリは殴打される中年男に遭遇―天才強盗四人組が巻き込まれた四つの奇妙な事件。しかも、華麗な銀行襲撃の裏に「社長令嬢誘拐」がなぜか連鎖する。知的で小粋で贅沢な軽快サスペンス!文庫化記念ボーナス短編付き。」(BOOKデータベースより)

伊坂作品には珍しい(らしい)、陽気なギャングが地球を回すの続編です。

内容は、前回の主要登場人物である四人の日常的な4つの短編からはじまります。
日常っていっても伊坂作品なので普通じゃないですけど。

それぞれの短編で、彼、彼女らは自分の特殊能力を存分に発揮して事件を解決していきます。
もちろん、4つの物語はいたるところで他の物語と絡み合ってきて、あっちの伏線をこっちで回収したりといった、そんな話の進め方です。

そして、お待ちかね、4人は銀行強盗に入ります。
まあ、銀行強盗の描写ってのは、もうほとんどおさわり程度。ページにして8ページ。
この銀行強盗で見たことと、さきほどの4つの短編からまた物語が始まっていくわけです。


よく、こうもいろいろ仕込んで小説が書けるなあと感心してしまいますw
伊坂氏が描く世界は普通の世界じゃない、そのなかでいろんなものがバランス良く配置されているという印象。
きっと、伊坂氏には世界がこんな感じに見えているのでしょう。

★★★★☆

next...「For You」五十嵐貴久
最愛の叔母が急逝した。映画雑誌の編集者である朝美は、遺品整理で訪れた叔母の部屋で古びた日記帳を見つける。そこには80年代、高校生だった叔母の青春が描かれていた。読み進めていくうちに、朝美は叔母のある男の子への想いを知る。独身を貫き、「恋ならしている」そう言い続けた叔母の生涯を懸けた恋とは。涙なしには読めない、感動の純愛ミステリー。 (BOOKデータベースより)

『陽気なギャングが地球を回す』 伊坂幸太郎

2012年02月02日 23時04分53秒 | 伊坂幸太郎
たまにはブログランキングに載せてくださいw
あと400人ぐらい見ていただければ確実にランクインできますw
(1,000位/約1,600,000ブログ)


「嘘を見抜く名人、天才スリ、演説の達人、精確な体内時計を持つ女。この四人の天才たちは百発百中の銀行強盗だった…はずが、思わぬ誤算が。せっかくの「売上」を、逃走中に、あろうことか同じく逃走中の現金輸送車襲撃犯に横取りされたのだ!奪還に動くや、仲間の息子に不穏な影が迫り、そして死体も出現。映画化で話題のハイテンポな都会派サスペンス。」(BOOKデータベースより)


えー、伊坂幸太郎の作品です。
なかなかインパクトのあるタイトル、怪しげなギャングの表紙、そして作者伊坂幸太郎

これがそろえば何か起こるぞって思いますよね。(思いつき)

さて、悪魔の実を食べたような4人の登場人物を順繰りに一人称にして話は進んでいきます。
後から思えば、冒頭の数ページは最後の布石だったのかと。
恐れ入ります。
かなり読みやすい作品ですのですぐ読めると思うけど、今誰がしゃべってるか、気を抜くとわからなくなりました。w
読者失格です。w

なんにしろ、面白い作品です。
伊坂幸太郎の作風が嫌いじゃない方には面白く読めると思います。

★★★☆☆

next...「果つる底なき」池井戸潤
「これは貸しだからな」。謎の言葉を残して、債権回収担当の銀行員・坂本が死んだ。死因はアレルギー性ショック。彼の妻・曜子は、かつて伊木の恋人だった…。坂本のため、曜子のため、そして何かを失いかけている自分のため、伊木はただ一人、銀行の暗闇に立ち向かう!第四四回江戸川乱歩賞受賞作。 (BOOKデータベースより)

『モダンタイムス』 伊坂幸太郎

2011年11月29日 19時44分38秒 | 伊坂幸太郎
寒いっす。



「恐妻家のシステムエンジニア・渡辺拓海が請け負った仕事は、ある出会い系サイトの仕様変更だった。けれどもそのプログラムには不明な点が多く、発注元すら分からない。そんな中、プロジェクトメンバーの上司や同僚のもとを次々に不幸が襲う。彼らは皆、ある複数のキーワードを同時に検索していたのだった。」(上)
「5年前の惨事―播磨崎中学校銃乱射事件。奇跡の英雄・永嶋丈は、いまや国会議員として権力を手中にしていた。謎めいた検索ワードは、あの事件の真相を探れと仄めかしているのか?追手はすぐそこまで…大きなシステムに覆われた社会で、幸せを掴むには―問いかけと愉しさの詰まった傑作エンターテイメント。 」(下)(ともにBOOKデータベースより)

ちょっと気になった一文があったので引用しますね。

「昔はよかった、とかよく言うけど、昔もよくはねえんだよ。いつだって、現代ってのはよくなくて、だからな、俺たちは自分の生きてるその時代と向き合わないといけねえんだ。音楽も映画も、その時の自分たちの時代と立ち向かうために作られたものなんだよ。チャップリンの、『独裁者』にしたって、今見たら、ただの説教臭いコントだけどな、当時は命がけだ。ジョン・レノンの『イマジン』だって、当時の社会に向かって投げられただけだ。」(下、243頁から引用)

話の本流からすると、大した一文じゃないんだけど、なんかグッとくるものがありましてねー。ちょっと引用しました。


伊坂作品って、いつも読んでて違和感があるんだよね。
大体の小説ってものは少しの変な設定もほとんどの普通の描写によって真実味が増してくるから普通に読めちゃうんだと思うんだけど、
伊坂作品って少しの変な設定を少し変な世界で描くからなんか全体が歪んで見える。

今まではそれが苦手だったんだけど。

今回はそれを見直したというか。
確かにおちゃらけた文章だけど、伝えたいことはストレートに、何度も何度も波状攻撃のように伝えてくる。
そこにぐっとひかれるものを感じたなぁ。

ワンピースだとか、ドラゴンボールだとか、おとぎ話のような設定の物語でも伝えたいことをストレートに伝えられる話は胸に染みるというか。
いい話だなって思えるんだね。

★★★☆☆

next...「ビブリア古書堂の事件手帖~栞子さんと奇妙な客人たち~」三上延
「鎌倉の片隅でひっそりと営業をしている古本屋「ビブリア古書堂」。そこの店主は古本屋のイメージに合わない若くきれいな女性だ。残念なのは、初対面の人間とは口もきけない人見知り。接客業を営む者として心配になる女性だった。だが、古書の知識は並大低ではない。人に対してと真逆に、本には人一倍の情熱を燃やす彼女のもとには、いわくつきの古書が持ち込まれることも、彼女は古書にまつわる謎と秘密を、まるで見てきたかのように解き明かしていく。これは“古書と秘密”の物語。」(BOOKデータベースより)

『ゴールデンスランバー』 伊坂幸太郎

2010年12月19日 21時49分06秒 | 伊坂幸太郎
衆人環境の中、首相が爆殺された。そして犯人は俺だと報道されている。なぜだ? 何が起こっているんだ?俺はやっていない――。首相暗殺の濡れ衣をきせられ、巨大な陰謀に包囲された青年・青柳雅春。暴力も辞さぬ追手集団からの、孤独な必死の逃走。行く手に見え隠れする謎の人物たち。運命の鍵を握る古い記憶の断片とビートルズのメロディ。スリル炸裂超弩級エンタテイメント巨編。



伊坂ワールド炸裂!
物語は時系列を追わず、後から先から話が進んでいきます。
逃げる青柳、追う警察。逃がす仲間。助ける民衆。

みんなが青柳が犯人じゃないとわかっていながらの警察の追跡。
スリルと迫力と友情が垣間見れる作品です。

まあ、実際警察が街中で拳銃とかバズーカを使うわけ無いけど、まあそれをおいておいて楽しい作品でした。
伊坂ワールドではそういった概念は考えないと面白くないよね?

★★★☆☆

ちなみに、こんなに更新しなかったこのブログですが、更新したら普段の5倍ぐらいの人が見に来てくれました。
期待されてると思うと、感無量です。
これからもできるだけ更新頑張りますねー♪

『オーデュボンの祈り』 伊坂幸太郎

2010年05月28日 22時02分59秒 | 伊坂幸太郎


コンビニ強盗に失敗し逃走していた伊藤は、気付くと見知らぬ島にいた。江戸以来外界から遮断されている“荻島”には、妙な人間ばかりが住んでいた。嘘しか言わない画家、「島の法律として」殺人を許された男、人語を操り「未来が見える」カカシ。次の日カカシが殺される。無残にもバラバラにされ、頭を持ち去られて。未来を見通せるはずのカカシは、なぜ自分の死を阻止できなかったのか。(新潮文庫より引用)

この小説は伊坂幸太郎のデビュー作で、新潮ミステリー倶楽部賞を受賞した作品。

まず設定からして、何でもありの小説。
①江戸時代から鎖国、いや、鎖島状態で
②外部から150年間誰も来ず
③ただ一人だけが外界と行き来しており
④未来が見えるカカシがいて
⑤殺人が許される人がいる
島。

ちょうど前の記事で書いた「失われた町」でも超現実的とかいたけど、この作品はそれを超える超現実。
何を書いても、ストーリーが面白ければ許される。

伊坂幸太郎は、いわばこんな作風で売れているんだから、別にそれは構わないと思うけど、
やっぱりまだ、デビュー作なんだなっていう感想はもちました。


ただ、おもしろいです。


★★★☆☆

『ラッシュライフ』 伊坂幸太郎

2010年02月06日 23時25分40秒 | 伊坂幸太郎
ラッシュライフ


俺としては珍しい伊坂幸太郎作品。
5つ(だったか?)のストーリーが微妙に絡み合いながら離れながら、最終的に一つの物語を形成していく。
この形式は特に珍しいものではない。
むしろありふれた方法といってもいいと思う。
ただ、一つの絵、一つのキーワードで4つの意味。
それぞれの人生だけど、それぞれがそれぞれの意味を持っているんだなぁと感じる作品です。