葬儀屋日記 byノブアキ

つれづれなる葬儀屋さんの日記です

直葬の誤解

2009年06月16日 | 葬儀屋ポエむ&葬儀屋はなし
直葬でお願いしたいんです
病院で亡くなったので自宅に運んでください
と夜中に電話が鳴ります。

わかりましたと、てきぱきと電話で状況を聞いて
ドライアイスを包んで、寝台車を手配して、病院に伺います

しかし正確に言うと
直葬ではなくて、これは「火葬のみ自宅版」当社で言えば

夢影
に当たります

なんで間違いかと言うと、直葬の直は
直接火葬場に、無くなったら連れて保管しちゃうの直だからです。

自宅に帰ると人件費も霊柩車代も、親戚が多ければマイクロバス代も掛かる
訳です。

火葬場にあづけてあって
そこに葬儀社の社員が一人だけ行って
お別れの案内をして、お骨拾う案内をするだけなのと

自宅で、納棺して、お別れして、出棺して
それで火葬場に行って、火葬場の案内をしてって言うのは
大分負担が違うのです。

具体的に言えば、火葬場預けの火葬場焼きだったら
お花を持って、手順さえわかればセレモニーレディさんでも
できるけど

自宅の出棺は、棺を出すのに、でるかでないか
立てるか立てないか、安全か安全じゃないか
段取りはどうか・・とそれなりに葬儀の経験のある人間をつけないと
危なくてしかたないわけです。

ドライアイスを含めて、80kgの直方体を
中の状況を把握しながら安全に運び出すのは
簡単にいえば、技術なわけです

そんなの誰でもできるよ~って人は
やってみるとわかりますが
寝るために出来ているひつぎで
なんの準備も無く、棺を傾けたら
おばあちゃんはずり落ちて
下のほうで屈んでしまいます

さぁ運び出したぞと、おもって窓を開けて確認したら

ああ!おばあちゃんが居ないなんてことに
なりかねません。

餅は餅屋

どうやったら傾けて、ずり落ちないかなんていうことは
皆さん別に気にしなくても
ちゃんとした葬儀屋ならできるので、葬儀屋さんに任せとけば
いいですが

ここまで話したので、具体的に説明すると
ウチではそれ用につくった固めのクッションを
骨盤と胴体部分に入れて、遺体が曲がるのを抑えて
かつ、そのクッションを高さを調整してふたを縛って押さえつけて
傾けます。
その際、入れたお花が落ちないように綿布か毛布をかけて
横の隙間に入れて固定して、そんでもって傾けます。このやり方なら
垂直に立ててもそんなに棺の中は荒れません

それから玄関を出るところで、お客さんに見えないように
棺の中をお直ししまして

無事出棺という次第になります。
文章で書いても、結局は経験値の問題ですので

書いてあるからと言って安易にまねしない方が良いでしょう。

と話が脱線しましたが。


直葬は病院から、直接火葬場に安置するの簡単な訳で
だからこそ料金も押さえられるので
自宅に帰る火葬プランの場合は
もう直葬ではなくなってしまうわけです。

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