葬儀屋日記 byノブアキ

つれづれなる葬儀屋さんの日記です

夫婦の絆

2006年05月23日 | 葬儀屋ポエむ&葬儀屋はなし
なりもえさんのえんとりーにをみて思い出した話

ではでは回想へGO!
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あれは僕がまだ、かけだしだった頃、10年ぐらい前になるでしょうか
そのころの僕は仕事も少なく、他の葬儀屋さんの手伝いをしてやっとこ食べられていました

病院の病室から、霊安室にご遺体を下げるという仕事を一回五千円で
他の葬儀屋さんから請けていまして

夜中に、車で病院までいって長いと6時間ぐらい拘束されるので
あまり好きな仕事ではなかったけれど

まだ、仕事もほとんどなくて、貧乏で・・
でも仕事は好きだったのでいろんな体験をしてみたくてそんな仕事をしていました
そんな時代の思い出話です。


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夜中の二時ぐらい、んがーと寝ていると
トルゥゥゥ トルゥゥゥ トルゥゥゥってコールが何度もなります
眠気まなこで「ふぁい」なんて返事をして出ると

「佐藤君、病院行ってくれないかな?」なんて知り合いの社長さんの声
「はい、いいっすよ。これからかっすか?」
「うん、すぐ頼むよ」

「んじゃ着替えてすぐ行きまーす」って夜中に、がさごそとスーツを着て
おんぼろの軽自動車に乗って、病院まで向かうのです
すごい眠いんですけどね、その社長さんはいい社長さんだったの
困ってたら、なんとかしてあげたかったんですわ

病院に車を着けると、「○○屋です」と守衛さんに声をかけて
霊安室で白衣を着て、指定の病室までストレッチャーをもって伺います

男の人が寝ていて、横では奥さんらしき人が泣いています
看護婦さんが奥さんをなだめて、「じゃお願いします」って僕たちを
病室に招き入れます。

「それでは、旦那様を霊安室に搬送させていただきます」って
静かに言うと、奥さんは涙を拭いてゆっくり小さな声で

「よろしくお願いします」って言うのでした

僕らは、旦那さんをストレッチャーに乗せて霊安室に連れて行く
亡くなった直後は一番混乱しているときだから
出来るだけ安心できるように、奥さんがついてこれるペースで
ゆっくりと旦那さんを乗せたストレッチャーを霊安室まで運んでいくのでした。

霊安室に遺体を安置して、お線香を上げてもらうと
看護婦さんから「岩田さんは、葬儀屋さんを病院のほうで紹介して欲しいって言っているので、お願いしますね」

(えっ、遺体搬送だけじゃなくて。葬儀もですか?
まいったなあ、この葬儀屋さんの社員じゃないからまずいかな)
とココロの声はありましたが

社員のフリしてきてるので、バイトなんでスンマセンとも言えず
「はい、わかりました」ってどっか他のほうを見ながら答えてました

急いで、その葬儀屋さんの社長さんに連絡したら
「ゴメン、人がいなくてどうしてもおれ今日動けないんだわ」と・・・・

それで、どうしましょうか?ってきいたら
「佐藤君やっといてくれる?」って言われましたので


「わかりました、ちゃんとやっときます」ってことになったのです

気を取り直して、霊安室に伺って
「○○屋葬儀社と申します」よろしくお願いいたします」

「此度は、菅具さんのほうから岩田さんが葬儀をご依頼したいと伺いました・・・

「ええ、よろしくお願いします」とまた小さな声で言われました

他のお店の看板もしょって、いつもよりプレッシャーがかかりましたが
なによりも、その小さな声が不安そうで、辛そうで
何とかしよう、全力でやろう、よかったって言われるようにしようって
駆け出しの僕は、そうおもって。その仕事ははじめるのでした

「奥様、
いまは夜中ですから、どちらかに安置しなくてはなりません
お帰りは自宅でよろしいでしょうか?

ええ、ご自宅ですね
わかりました、それでは今寝台車を手配しますので
お待ちください。

ええ、30分ぐらいで寝台車が到着します
それまでこちらでお待ちください・・・」


寝台車を待つ間も、かわるがわる看護婦さんたちや、お医者さんがきて
「この人は人気者だったんですよ」
「頑固でね、意志の強い人でした」なんて奥さんと少しづつ話していきます

そうこうしているうちに、寝台車が到着して
「それでは、寝台車が到着しましたので搬送ささせていただきます」と次第に
なりました。


そうしたら、その奥さんが・・・
「あの~、○○屋さん。
 そういえばいい忘れてたんですが、うち四階なんですけど
 大丈夫でしょうか?」

(大丈夫もなにも四階でもなんでも自宅に帰してあげたきゃ
帰しますって、大丈夫ですよ。エレベーターの中で御遺体を立てなきゃいけないかも
知れないけど・・がんばりますって)

「ええ、なんとかなります。大丈夫ですよ」

「実は今、エレベーターが壊れちゃってるんですけど・・・・」って小さな声で言いました

(え・・っ!!)って思いましたが
できないなんていえないでしょ

「なんとかなりますよ、僕見ての通り力もあるし大丈夫ですよ」

「よかった、お願いします」って奥さんに少し笑顔が見えました

(とはいったものの、大変だなあと思いました)


病院のスタッフの人に、見送られて病院近くの自宅まで
ご遺体を搬送して、四階を寝台車の運転手となんとかかんとか
運び上げて・・・・結構重いご遺体だったんで、あせもだらだら
手もパンパン・・・

そのあと、お線香を上げる道具をまた四回まで何往復か
あの時はドライアイスの15kgがひどく重く感じました。
第二話へ続く
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書いてたら長くなりそうなので、少しづつ書くことにします

※このお話しに出てくる名前などは、プライバシーに考慮して仮名を使用しています


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葬儀のコツをおしえます葬儀・葬式・密葬の佐藤葬祭
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あした

2006年05月21日 | 葬儀屋ポエむ&葬儀屋はなし
あなたに元気が戻ってきて

ほんとうによかった

心配したよ

無力な自分の手を見て

本当に悲しくなった


起こってしまったことは

なにも取り返すことは

出来ないけれど

あなたに すこし微笑の表情が出てきてくれて

本当にうれしかったよ

たいしたことは 出来ないけれど

大した力もないけれど

困ったことがあったら

連絡をちょうだい

なんとかするよ

きっと

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家族を亡くして悲しみに付した人も
49日のころには少し元気を取り戻してくれます

それは僕にとってとってもうれしいことで
ありがとうといわれることよりもなによりも
僕はそうやって、悲しみが少しづつ笑顔に替わっていくのが
とても好きなのです

自分の手が、死別という悲しみに対して
無力なことに絶望したこともありました
何のためにこの仕事をしているのかが
わからなくなってやめようと思ったこともありました

でも、年数を重ねて少しだけわかったことが
あります

僕は笑顔が見たいから
葬儀屋って仕事をしています

葬儀のときでなくてもかまいません
あの時は、悲しみが大きいときだから
ないしてしまうかも知れないからです

そういうときはよく泣いてください
涙がひとしきり出て、止まるまで

ゆっくりでかまいませんから
いつか悲しみが笑顔に替わるように
その手伝いをするために、僕は葬儀屋をしているのでしょう。


<写真はマザーテレサ、すべての人の笑顔のために生涯をささげた聖人のかたです>

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葬儀のコツをおしえます葬儀・葬式・密葬の佐藤葬祭
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臨海斎場

2006年05月20日 | 葬儀屋ポエむ&葬儀屋はなし
臨海斎場
所在地 大田区東海一丁目3番1号
電話 03-5755-2833 03-5755-2834(予約用)
FAX 03-3790-5866

臨海斎場で仕事をしてきました
出来ばっかりで、広くてとてもキレイ

この斎場は
世田谷区、港区、大田区、品川区、目黒区の五区の人が
使える公営斎場です

泊まりも出来て、シャワーも完備しています
駐車場もたくさんでいいことずくめのようですが
その分へんぴなところにある斎場です

公営ですので、民営の火葬場に比べると
葬儀の予算が、火葬料、骨壷、式場費で約20万円ぐらい安くなります
でもサービスは民営に比べるといまいちって感じですかね

でも、施行すると
広すぎて歩き回るので足が痛い・・・年かなあ

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金目を煮たよ

2006年05月10日 | つれづれ日記
うちの番頭さんが金目が好きなので
お袋が買ってきてくれました

忙しそうだったので
煮たのは僕、好評でしたので
こちらにレシピを・・・・・

大根1/3
金目鯛 一匹(魚屋さんでさばいてもらってね)
ごぼうが二本

たれ
砂糖:しょうゆ:お酒(半カップ) 水適当に
1:1:1で目分量なので味は調整して下さい<m(__)m>

作り方
○大根は皮を剥いて半月切りで5ミリほどの厚さにして鍋の底に引きます
バラバラッとね
○その上に金目を並べて
○ごぼうを皮をむいて、4センチに切り分け、縦に2等分
んで入れます

そしたら、たれを入れて
アルミホイルで落し蓋をして煮るだけ

ね簡単でしょう

(料理の写真はイメージ写真です)
yodobashi 豆知識 「鯛じゃない、きんめ鯛」
 鯛といっても、きんめ鯛は鯛とは無縁です。 金目、真金目と呼ばれることもしばしばです。
金目鯛は代表的な深海魚で、大きな目が海では金色に輝くことから、その名前がつきました。
全長は30cm~50cm、全体が赤朱色の魚です。見た目が華やかで「おめでたい」に通じるので、
真鯛の代わりに祝い事に用いられることも多いようです。
大きな目とうろこが鮮度のバロメーターです。 目が澄んで、うろこが光っているものが新鮮。



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葬儀のコツをおしえます葬儀・葬式・密葬の佐藤葬祭
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自己満足に陥らないように

2006年05月09日 | 葬儀屋ポエむ&葬儀屋はなし
葬儀屋さんという仕事をしていると
一つの壁に突き当たります。

それは誰のために仕事をしているのか?
ということ

口ではみんな、お客さんに喜んでもらえるような仕事をしよう
といいます。葬儀屋さんはみんなそうです

でも、「お客さんのため」って一体なんでしょう
有り難うって言われるような仕事?
お客さんが感動するような仕事?
故人らしさをひろった芸術的な仕事?

こういうものを求めるて
自分の気持ちに、やってあげているんだなんて気持ちが入ってしまうと
葬儀屋としての本懐を失ってしまいます
やるべきことをキチントやるのなら
有り難うといわれるためでもなく
自己満足ではなく、本当に相手を思いやった
いい仕事が出来るような気がします。
感動を起こすためでもなく

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葬儀のコツをおしえます葬儀・葬式・密葬の佐藤葬祭
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