葬儀屋日記 byノブアキ

つれづれなる葬儀屋さんの日記です

魔法の杖を求めると~取材受けました~

2008年09月26日 | つれづれ日記
昨日は、忙しい仕事の合間を縫って久々の取材を受けていました
割とメジャーな雑誌ですが、とりあえずどんな記事になるかわからないので
今のところ名前は伏せて・・・


さてさて質問内容ですが
いつも大体同じです

徹夜状態でハイテンションで対応していたので
あんまり良く覚ええてない内容をうろ覚えで思いだしながら
書いてみます

Qが記者さんの質問で、Aが僕の回答です

Q1、現状の葬儀業界はどうですか?

A、葬儀が小規模になったので、会葬者として参加する機会も減って
葬儀にたいする経験がいったこともないですという人も増えてきて
全体的に経験値が薄くなってきたような印象があります。

コミニュケーションを取るときに
まったく知らないことを、わかるように説明するのが難しいので
そこのところの時間は増えた感じですね

逆にマスコミさんで不明瞭、不明瞭と叩かれたので
表面上は明瞭会計というのをアピールする会社が増えた感じがします

ただ一方で、葬儀社として素人みたいなところが増えてきたのも
感じますね

これは葬儀が小規模化して、一件あたりの売上が落ちて
人員を整理したせいでしょう

いままで社員でまわしていた会社も、葬儀のときだけ人材派遣を
よんでまわすようになって来ましたから

社員と言う人の絶対数が東京では減っていると思います
葬儀が無いときにも、会社の先輩の周辺知識を教わったり
なんでそうなっているのか、イレギュラーなときはどうやって対応するのかとか

社員でその会社にいれば知識を仕入れる時間があったわけです
つまり教育の時間ですね

そういう時間無しに、ただ人材派遣で現場現場で回っても
なかなかなぜそうなっているのかとかは、わからず
形だけ覚えて、葬儀屋さん風に振舞えるひとが増えているような
気がします

形だけ覚えると、どうしても応用が利かない
つまり素人みたいな葬儀屋さんになって行くということです

社員を雇うというのはそのまま会社にとってコストですから
そのコストを支えるだけの利益が上がっていないとダメになっちゃうんですね

現場で見てても、やり方か危なっかしいというか雑というか
他の葬儀屋さん、とくに新規のところはセールスは上手だけれど

それでプロ?っていうレベルの人を見かけるのは多くなってきましたね

Q、これからの葬儀業界はどうなっていくと思いますか?

上でも少し触れましたが、価格は以前より明瞭というか公開されてきたように
思います、ただそれが「本当に信用できるの?」というとこれは別問題

その金額じゃ会社なりたたないでしょという金額をHPで謳っていたり
プロの目から見ても、見積もりにもなっていないような価格公開が半分以上
というのが現実です

価格の公開、明瞭化というのは
まぁだれでも出来るといえば出来ることなんで
ココからはそこにちゃんと品質がともなっているか
お客さんに安心してトラブルのない葬儀を提供していくことが
できるのか?

という本質的な勝負へ変わって行くと思います


マーケティングで、自社を
「ウチは安全で、安くて、しっかりやります」と言うのは簡単なんですね
ただ、それを本当に実現するのは膨大な地道な積み重ねが必要で

具体的に言えば、料理の適正を予測する方法や
列の並べ方、マニュアルの整備、数字の把握、データの蓄積
応対の仕方などなど

これが具体的に「その会社のやりかた」として優れていかなくてはなりません
そうのは、非常に目に見えない努力なのでそういう部分がしっかりしていかないと
お客さんに愛される会社としてはなかなか伸びていかないと思います

ついこの間までは、だれもマーケティングをしていなかったので
マーケティングをやったもの勝ちみたいなところがありましたが

こんどは、品質も重要視するという形になっていくと思います

Q、佐藤さんの言う品質ってなんですか?

葬儀の品質って言うのは、まずトラブルが無いことです
演出とか、料金が安いとかよりもまず無事に葬儀を行える実力が
あるかということ

いっくら感動的な葬儀でもミスが多いんじゃ
それは葬儀屋として失格だと思うんです


心温かい対応とかよりも、まずトラブルが無いことを一番にあげないと

家で言えば
いっくら内装がキレイでも、倒れちゃう家は困ることだし
車で言えば
ちゃんと走ることが、まず何よりも大事なことです

心に残るような感動的な対応でも
ちゃんとトラブルなく終わらないとダメなわけです

ものすごいかっこいいけど、ちゃんと走らない車じゃ困るわけです


でも人間が仕事をしている以上
いい間違い、聞き間違い、書き間違いも人間だからあるわけです

100回に一回かもしれませんし、1000回に一回かもしれません
そこをしつこくしつこくしつこく、どうやったらこういうミスが二度と起こらないように
なるだろうか?と努力すること、精神論じゃなくて具体的なやり方まで
落とし込めるかどうか

これはもう、気力と根性の世界になるわけです
しっかりしろ、チェックしろ、気をつけろでミスがなくなるほど
葬儀の世界は甘くありません

上でも言いましたが葬儀の経験が少ない人が
喪主になるようになってきましたから
コミュニケーションをちゃんととっていかないと
それがトラブルの元になったりします

こっちがキチンとやってますよだけじゃなくて
それを葬儀を依頼してくれるお客様とちゃんと共有しないとダメです

しつこいなぁ~ってくらい、お客さんの言うことを言わせてあげて
ちゃんと聞く耳、ちゃんと伝える口があってはじめてトラブルのない葬儀が
出来上がってくると思います

それがなにより、葬儀の品質、安心というものだと思います

Q、葬儀社選びのポイントを教えてください

よくチェックシートなんかで、これが何点以上だったら安心とかいうのもありますけど
無いよりはあった方がいいとは思うんです

でもそういうのは絶対ではないです

例をあげると、
「お店を構えていないのは要注意」なんてのがありますが
こういう一般論化したものは必ず例外っていうのがあるんです

僕の知り合いの葬儀社さんは、店を構えていたわけですが
道路拡張で、お店を引っ込めて

まぁ歳だし、自宅の二回が事務所で細ボソとやっていこう
というスタンスでやっていますから、外見的にはお店はありません

でも非常に良心的で、良い方です
話してみればスグにわかると思います

反対に見せは幹線道路沿いに立っていますが
ものすごい高いというお店はあります

チェックポイントは無いよりもあった方がいいでしょうけど
それよりも自分で電話して相談してみれば、なんとなくわかると思います
物を買うって言うのは葬儀じゃなくても感覚が良いか悪いかっていうところが
大きく関わりますから

経験してみちゃうのが一番なんです

別に葬儀を何回も挙げろって言ってるわけじゃありません
訃報を聞いたら、なるべく参列してみるとか
葬儀屋さんに電話してどんな対応をしてくるのか体験してみるっていうのが
大事なんです

葬儀を挙げた知り合いに話を聞いてみるとか
そういうのだって無いよりは良いです

そういう経験をするなかで、葬儀屋の空気っていうのが
段々身についてくるもんです

その時に大事なのは、自分にとって必要な情報だけに絞るということ
家族葬でやろうってひとが、社葬を専門の葬儀社を選んでも
情報もあつまらないし

世田谷区の人が、千葉の斎場を知ってもあんまり経験になりません
自分のエリアとか規模だけ知っていればいいんですから
全部を全部知ろうとしないようにして行くことですね

当たり前の話しですけど
結局なにが自分にとって良いかっていうのは、好み・相性の世界ですから

やってみる、きいてみるていう経験が一番なんですね

車選びだって、ディーラーで新車を買うのが良い人もいれば、
中古屋さんで買う人のが良いって人もいれば、
オークションがいいよぉ~って人もいます

車も軽がいいって人も、クラウンだよな~って人も、やっぱベンツ!って言う人も
います

千差万別ってやつですが
そこで「失敗しない車選び」の本を買ってウンウンウンウンうなっているよりも
とりあえずディーラーに見にいってみたり
中古屋さんいいって、見せてくださいって言ってみたり

やっぱり経験を自分から積んで行く人のほうが
失敗しないんですね

だからまぁ、葬儀屋選びもマズ電話して相談してみるところからですよ
そんなに敷居が高いもんじゃないですから
とりあえず葬儀屋さんに触れてみるっていうのが一番正論なんじゃないかと
思います

どんなことでも、経験地に勝るものはないですから

そこで、魔法の杖で、それを一振りしてなんでも解決してもらえると
おもっちゃうと、そういう人は引っ掛けられちゃうわけです




遺体を持つコツ

2008年09月23日 | 葬儀屋ポエむ&葬儀屋はなし
マニアだねと褒めていただいたので
マニアネタをもう一つ

人間は生きているときと違って、亡くなってしまうとかなり重たいです
80kgの生きてる人を抱きかかえて歩いたりすることは可能ですが
亡くなった80KGを持ち上げて一人で歩いたりするのは
到底危険で不可能です

これはオカルト的なことでもなんでもなく
生きている人は無意識に重心をとってもらっているため
持ち上げる力だけに専念できますが

亡くなってしまった人は重心を取ることに
なにも協力してくれないからです

つまり遺体を持ち上げようとする上方向の力のほかに
横や斜めに動いて行く運動を常にコントロールしなければ
いけないという、非常に高度で難しい操作が要求されるからです

人を持ち上げて、上で暴れられても
生きているのであれば上の人間は怪我をしないように
ある程度予測の付く動きをしますが

亡くなった人間は重心をとることのない
不安定な水分を主体とした流動体ですから
安定してもつには、それなりの経験や単純に大きな力も必要になります

さてそれを踏まえたうえで
遺体を安定して持つためには
下から持つ場合は骨格の動きの少ない部分

肩甲骨の中心と、腰の下辺りを支持して持ち上げます
そのとき片方からの支持だと不安定になりますから
両側から二人がかりで持つかしたほうが持ちやすく
また、腰に近い場所で持つと自分の重心が安定するので
持ちやすくなります

遺体は持ってみるとわかりますが
頭部、胴体がかなり重く下半身は軽いものです
複数人で持つ場合は上半身を重点的に持ち
下半身は女性に支えてもらう程度でもよいでしょう

抱えて運ぶ場合などは
曲がる方向と逆にカラダを位置します


遺体の右側に位置して右に回ると
自分の体が障害物になってしまいスムーズに展開できません

また狭い所を曲がる場合には遺体の頭側を上げて
足側を下げると狭いところでも回ることができます

角度のつけ方により
回転半径がかわることにより
曲がり方が急でも切れるようになるからですね

遺体を運搬する場合は
持つ場所がなかなか決まらない(持ちにくい)のが一番の問題です
遺体搬送用のシーツなどで包み
シーツの側面端を遺体の正面でぐるぐるっと同じ方向に巻き込むように
すると取っ手に近いものが出来ます

死亡から時間がたって発見された遺体や
食事を直前までとっていた遺体
また、病状により水、血液などが胃や肺にたまった遺体は
傾けると中の内容物が逆流してこぼれることがあります

のどの奥にきつく詰め物をしたり
しっかりとドライアイスをあてて凍結させたりと
処置をしてから傾けるのがセオリーです

このことを加味した場合にも
頭部は高い位置におくというのがお分かりいただけるかとおもいます

(つづく)


一人当たり焼香時間の変化

2008年09月19日 | 葬儀屋ポエむ&葬儀屋はなし
通常平均として、一人当たり30秒を標準としていた
焼香の時間ですが

ここ何ヶ月かで、標準よりかかるケースがほとんどになってきました

一人当たり、40秒ぐらいかかると
焼香台数の一台につき一分間に1.5人ぐらいになってきています
かなり余裕を持たせてお焼香を設定しないと時間や列はかなり伸びることに
なりそうです

最悪一人、焼香が一台に付一分かかるケースが
安全ラインに代わってくるかもしれません

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