葬儀屋日記 byノブアキ

つれづれなる葬儀屋さんの日記です

狭くて急な階段での重い遺体の降ろし方

2009年05月20日 | 葬式豆知識
体重が80KG以上ある遺体を、急で幅の無い階段でおろさなければならないときがあります。急な階段ということは必然的に階段一段一段の幅がありません。

足を滑らせると、上で持っている人間、遺体と合わせて150kg以上になり
落ちれば下の人間が大怪我をするか、下手をすると死にます

これは誇張でもなんでもなく、そういった階段をおろす場合は
そのくらいの覚悟をして下ろさないと本当に危ないといった話です

考えられる手段は
複数で持てる場合は複数の人間で持ちます
幅が狭くて持てない場合は、上で遺体を保持する人間に紐をくくりつけ
その紐を引っ張りながら、もしもの場合はその人間の滑落を止める役割の人間をつけ

下も、下の人間が倒れないように支える人間をつけます

遺体の胴体部はなるべくドライアイスで凍結させて胴体の真ん中で体が折れ曲がるの防ぎます、いつも良り強めでドライアイスを胴体部に使用するのが
コツです

フレームでおおせる場合も布タンカで下ろせる場合にも
ベルトの固定や足の袋による支えだけでは、急な角度を下ろす場合には
ずり落ちが発生するので

フレームや布タンカに横紐を入れて骨盤や肩で固定の縛りを入れます

あとは落ち着いて集中して下ろして行きます
テンションを上げすぎると、集中と言うよりも無駄な力が入るので
鼻から呼吸をして、複式呼吸で力をいれます

力を出している最中に、息を止めてしまうと
かえって危ないので、力を入れた場合にも息を止めないように注意しましょう

人の選択は、パワーと集中力のある人間を選び
{いくらがんばっても、こういう状況で両方が低い人間を使うのは危険なことです)

気をつけてゆっくりと下ろします
加速がついたら、幾らがんばっても止まりませんので
加速がつかないようにゆっくり、ゆっくり下ろします

豆知識でした

上の人間をパワーがあって、段取りがわかっていて、集中力がある人間を選びます

葬儀屋さんの採用

2009年05月19日 | 葬儀屋ポエむ&葬儀屋はなし
仕事が増えているので、人員を増やすべく
忙しい中を縫って採用活動を行っています。

夜も働くし、時間も不規則だし。そんでも家族を亡くした方の力になれるから
その辺がやりがいかなぁなんて思います。

一見すれば、ここまでの話しだと「優しい人」が向いているように感じるかも
しれません。でもね、いままで何人か雇って何人か辞めて行かれた
立場からすると・・・・


大事なのは、優しさっていう心のありようや、人格じゃなくて
ホントに大切なのはお客さんや、周りのみんなのやりたいことや
したいことを理解・察知していくコミュケーションの能力なんですね

相手は一体何をもとめて、何をして欲しいのかを実現するのは
悲しいかな「人格・性格」ではなくて「できるか、できないか」と言った
能力になってしまいます。

優しい葬儀屋さんになるために、優しいことを一回無視してやっていかなければ
ならないと言うのは、矛盾してるような、矛盾してないような不思議な気持ちです

遺体搬送

2009年05月16日 | 葬式豆知識
我々葬儀屋の仕事は、ご遺体と共にあります。
夜中でも早朝でも、運んでくださいと言われれば
寝台車を手配して駆けつける仕事です。

ご遺体を大事に大事に運ぶわけですが・・・

たま~~~に重たい人に当たることがあります。
葬儀屋さんはプロですが、やっぱり体の出来はフツウの人ですので
あんまり重たいと持てない・・・

80キロぐらいの人を平行な移動なら
根性で持てますが、90kgを超えると
流石に二人がかりでも危ないわけです。

すると、家族の人に手伝ってもらったり
人を呼んでなんとかしないといけないわけです
コレが階段がらみだと、流石に二人じゃキツイのは
現実ですね。

やっぱり、あんまり重いと滑ったときや
持ってる最中に限界が来てしまったら危ないですからね。

どんな仕事でも安全が第一なわけです
もちろん誰にとっての安全かというと、葬儀屋さんは
仏様の安全を確保するために自分たちのムリをしないように
心がけなくてはいけません。

と言うわけで、ご自宅でご葬儀をされる場合や
ご自宅にご遺体を運び入れたり出したりするときには
なるべく安全な方法を取るように、今日は社員にお話してみました

ムリをすることは、決してお客様のためになるわけではないので
安全な仕事を心がけましょうという今日の佐藤葬祭でした。