葬儀屋日記 byノブアキ

つれづれなる葬儀屋さんの日記です

生花祭壇の管理

2006年04月27日 | 葬儀屋ポエむ&葬儀屋はなし
ここ何年かで、生花の祭壇が増えました
もちろんオーソドックスな白木の祭壇もよく出ます

今日はその生花祭壇について、すこし面白い
お話をしましょう

生花祭壇というのは、文字通り「お花で作った祭壇」のことです

わあ、きれいね
お葬式らしくなくていいわ
なんて声を頂くことが多いのですが

実は葬儀屋さんの大半が、この生花さいだんをちゃんと発注できないのです
分かりやすく言うと、「花祭壇はよくわかんないから、値段はこのくらいだから
適当に作ってよ」ということです

結果として、ピンクといってもどぎついショッキングピンクみたいな花祭壇や
新宿のネオンみたいなカラーリングの、あえて言えば下品な花祭壇が
出来てしまうことがあるということです

花屋さんは利益を出すためにその時安い花を使いたいのが本音です
当たり前といえば、当たり前ですよね。商売なんですもん

でも、安いからといって原色でネオンみたいな祭壇を作られた日には
厳かな、葬儀のイメージもがたがたです。

これは珍しい話でもなくて、葬儀屋さんの7割・・・下手するともっとの割合で
生花祭壇をオーダーをキチンと言う事が出来ません。
そういう勉強していないですからね、仕方のないことです


生花祭壇を発注する場合は、高さ、花のカラーバランス、アレンジの形
全体の配置バランスなどをしっかりと発注します。

これが出来ているかどうかは
「生花祭壇は、床から何センチのところから作るんですか」と
ほとんど葬儀屋さんいじめのような質問ですが

この質問に答えられる、葬儀屋さんはキチンと祭壇のバランスが見れる
業者さんである確率が高いです。(あくまで、式場がきまってから聞いて下さいね)


葬儀屋さん選びをするときには、私もいつも思うんですが
丁寧さで分かりやすい説明とかすごい大事だと思うんです
でも、そのことと同じぐらい「能力」っていうのがあること
そういうほうが大事なんじゃないかなと思います

優しい、温かい担当者さんでネオン管みたいな
原色ハデハデの祭壇でお母さんを送るのか

口数は、少なくともきちんとした葬儀屋さんで
清楚でやさしい感じの花祭壇でお母さんを送るのか

それはアナタ次第・・・

もちろん、優しくて、丁寧で、祭壇もちゃんとしてれば
言うことはないですね


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葬儀のコツをおしえます葬儀・葬式・密葬の佐藤葬祭
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人間らしい一面

2006年04月25日 | つれづれ日記
今日の仕事がおわっった瞬間に、ものすごーい睡魔が襲ってきました

自分じゃ体力があるつもりでも
疲れていないつもりでも・・・

体はすごい正直なわけで
車の運転で事故を起こしてもいけないので
火葬場で15分だけ車のなかで仮眠しました、あはは


今年も四ヶ月すぎようとしています。あと2/3・・
体調を整えてがんばるそぉぉ

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僕が悲しい話をあまり書きたくないわけ

2006年04月24日 | つれづれ日記
他の葬儀屋さんのブログを見ていると、
「こんなに悲しいことがあった」
「辛いことがあった」ということが書いてあります。

葬儀屋って仕事に誇りをもてるなら
そういった、悲しいことや辛いことは
自分の胸にしまっておいてほしいものです。

亡くなった父は、顔の病気で亡くなったおばあちゃんの
顔をさすって「がんばったねえ、おつかれさんだね
おばあちゃんは優しい顔で眠ってるね」と話しかけてるのを
小さい頃見ていました。

私のお師匠さんは
若い人が亡くなった時
みんなが涙を流しているときに
冷静に、ただひたすら冷静に
家族の人、お友達が泣けるように
出棺時間が遅れることをお願いして
ただひたすら、霊柩車の会社、火葬場に
謝っていました。

でもお客さんには何にも言わず
「大丈夫ですよ」といっただけでした


私のもう一人のお師匠さんは
何百人もお別れをしなければならないときに
うるさい人だと思われても、
そこにいるお別れをしたい、全員に一目でも
お別れをさせるべく。大きな声で汗まみれで
「皆さんのお別れです、お花を入れたら一歩下がって
お別れしてあげて下さい」と大きな声でなんどもなんども
案内をして、

その時の会葬者に、声が大きすぎたとあとから怒られても
「すいませんでした、多勢さんにお別れしてもらわなきゃ
いけなかったもので、つい大声になってしまいました」と
深々と頭を下げていました。

この仕事をしていれば、辛いことも、嫌なことも
たくさんあります

でも、葬儀屋って仕事を
親父も、お師匠さんも愚痴もこぼさず
責任をもってやってきました

それは、みんなにいい別れができるよう
精一杯やっていたからなのでしょう

自分が送ることのお手伝いにに誇りを持っていれば
辛くても辛くない
苦しくても苦しくない

やれるだけのことを精一杯
わけ
いつもやるだけです

お葬式って、一般の人が思っているよりきっと
優しくて、かっこのいいものです

僕はそう思うので
辛いことや、悲しいことを伝えようとは
思いません。人が人を送るのは、合理的な意味なんて何にもないけど

とても、優しくて
僕は好きです。

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死別の悲しみ

2006年04月20日 | 葬式豆知識
連れ合いの方に先立たれた場合、おじいちゃんでもおばあちゃんでも
世間との付き合いに積極性を失ってしまう場合があります。

簡単にいうと、ちょっと引き困り気味になってしまうということです

これは、例えば連れ合いの人の看護が大変で
世間との付き合いがあまり出来なくなって
夫婦二人で片方が病人になってしまった場合は
よくあるケースです

ましてや子供が遠方に住んでしまうと
自分と、連れ合いの看護で老人夫婦世帯は
やることが目一杯になってしまいます

これが外因的要因

もう一つは、やはり長年連れあったパートナーを亡くすと
精神的にダメージをおって、外へでるエネルギーが足りなくなってしまいます

これが内的要因

簡単に言えばこの二つの複合要素で
連れ合いを失った人は、外へ出なくなってしまいます

こうなると外へ出るのが億劫になってくるので
体にもよくありません

これを避けるためには
回りの人が細かくコンタクトをとってあげるのが大事です
こういった問題は介護と同じでなかなか表に出ない
話題です

こういったことがあるってことを
皆さん心の片隅にとどめておいて下さい

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道中銭

2006年04月18日 | 葬儀屋ポエむ&葬儀屋はなし
どうちゅうせんって読みます

今日の仕事のときに、
「道中銭は葬儀屋さんいくら入れたらいいんだい?」と聞かれて


ああ、久しぶりに古い言い方をする人にあったなあと
なんだか感慨深くなってしまいました。

いまは六文銭ということが多いのですが
分かりやすく言うと三途の川の渡し賃

亡くなった父の話に依れば
「世の中ものの値段は上がるけれど、これだけは何百年も値上がりなし」
とのこと

呼び方は、六文銭やら、死出の旅の道中に使うから道中銭など
地方や場所によって様々です。

昔は、硬貨を六枚入れましたが
今は火葬場からの通達で金属は入れないようにとのことで
印刷した六文銭を仏に持たせます。

形は変わっても、家族が無事に成仏を願う気もちは一緒
そんな気持ちを大事にしていきたいですね

佐藤信顕

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